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第三話「剣を捧げる男は正義を愛する」
04-2.勘違い聖女は主張する
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「なに? もう一発、殴られたいの?」
「ひぃっ! おっ、覚えていなさいっ!!」
「……モブキャラなんて覚えきれないわよ」
逃げていくモブ令嬢なんてどうでもいいの。
ただ、その役目は悪役令嬢のものなのに。どうして邪魔をするの。
「……方針転換をしようかな……」
ジェイドも離れて行っちゃった。
ジョージはなにを考えているのか、よくわからない。
ルイスの相手をするのは疲れてきちゃった。
「……帰ろう」
投げ捨てられた鞄を拾う。
考え直そう。アレク様の好感度は高いし、アレク様ルートを目指そうかな。
「まるで別人みたいだったね」
立ち去ろうとした時だった。
いつの間に居たのだろう。最近、視界に入り込むようになった三年生がいた。
「こうして話をするのは初めてかな? 聖女候補のライラック・ロベリア嬢」
彼は乙女ゲームにも登場をする。
でも、攻略対象や悪役令嬢のようなメインキャラクターではない。
「初めまして、パーシヴァル・ハワード先輩。医務室から教室に戻るところですか?」
「まあね、アレクシス様にでも聞いたのかな?」
「いえ、三年生の先輩方が模擬戦をしたとお聞きしたので」
「そうなんだ。都合のいい伝達役を持っているんだね」
「教授から教えてもらっただけです」
名前がついているだけのモブキャラ。
ほとんど背景と同一化していただけの存在。
「あたし、戻るので。退いてくれませんか?」
「どうして? 話をしようよ」
「興味ないので」
「……意外だね。男相手なら媚を売るんじゃないの?」
「勘違いをしないでくれませんか? あたしだって相手を選びますよ」
どこまで知っているのだろう。
もしかしたら、シナリオを崩しているのは彼なのかもしれない。
「あたし、あなたのことを知っていますよ」
あたしと同じ転生者なのかもしれない。
それなら、あたしの邪魔をする理由もわかる。
「ひぃっ! おっ、覚えていなさいっ!!」
「……モブキャラなんて覚えきれないわよ」
逃げていくモブ令嬢なんてどうでもいいの。
ただ、その役目は悪役令嬢のものなのに。どうして邪魔をするの。
「……方針転換をしようかな……」
ジェイドも離れて行っちゃった。
ジョージはなにを考えているのか、よくわからない。
ルイスの相手をするのは疲れてきちゃった。
「……帰ろう」
投げ捨てられた鞄を拾う。
考え直そう。アレク様の好感度は高いし、アレク様ルートを目指そうかな。
「まるで別人みたいだったね」
立ち去ろうとした時だった。
いつの間に居たのだろう。最近、視界に入り込むようになった三年生がいた。
「こうして話をするのは初めてかな? 聖女候補のライラック・ロベリア嬢」
彼は乙女ゲームにも登場をする。
でも、攻略対象や悪役令嬢のようなメインキャラクターではない。
「初めまして、パーシヴァル・ハワード先輩。医務室から教室に戻るところですか?」
「まあね、アレクシス様にでも聞いたのかな?」
「いえ、三年生の先輩方が模擬戦をしたとお聞きしたので」
「そうなんだ。都合のいい伝達役を持っているんだね」
「教授から教えてもらっただけです」
名前がついているだけのモブキャラ。
ほとんど背景と同一化していただけの存在。
「あたし、戻るので。退いてくれませんか?」
「どうして? 話をしようよ」
「興味ないので」
「……意外だね。男相手なら媚を売るんじゃないの?」
「勘違いをしないでくれませんか? あたしだって相手を選びますよ」
どこまで知っているのだろう。
もしかしたら、シナリオを崩しているのは彼なのかもしれない。
「あたし、あなたのことを知っていますよ」
あたしと同じ転生者なのかもしれない。
それなら、あたしの邪魔をする理由もわかる。
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