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第1話 悪役令息は、弟の失敗の責任を取らされる
01-2.
「兄上に連絡をいたしましょう。兄上ならば何か策を思いつくかもしれません」
「それはできない」
「なぜですか」
「セドリックに連絡をすれば、交渉の場さえも与えないと書かれている。条件を提示する場さえも与えず、多額の慰謝料を払わせるつもりだ」
トムは頭を抱えた。
握りつぶされた手紙はトムの掌から落ち、机の上に落ちる。
「……交渉の場はいつですか」
頼りになる兄のセドリックは、仕事の為、海外に出て行ってしまっている。手紙を送り、相談をしたことが侯爵家にばれてしまえば交渉の場さえもなかったことにされてしまうのならば、今回は兄の手助けを求められない。
伯爵であるトムは嘆くだけだ。交渉の場についても侯爵家の良いように扱われるのは目に見えていた。
「父上と兄上の代理として俺が出向きます」
それならば、社交界嫌いで有名となっているレオナルドが表に出るしかない。
問題の原因として名をあげられているアルフレッドでは、相手の思い通りにされるだけの可能性が高く、なにより交渉の場には不向きな性格をしている。
「いいのか」
トムは頭を抱えていた手をゆっくりと下ろす。
「なにを言われるのか、わからないんだぞ」
それは伯爵邸の中で過ごすことが多いレオナルドを気遣うものだった。
「レオナルドの嫌いな連中かもしれない。嫌がらせを受けるかもしれない。無理難題を押し付けられるかもしれない。それでも、父の代わりに交渉をしてくれるというのか?」
その目には期待が隠しきれていなかった。
レオナルドを心配する気持ちは嘘ではないだろう。しかし、それ以上に面倒事を引き受けてくれるのならば丸投げしてしまいという甘えが強いようだ。
「伯爵家を守る為なら、俺も引きこもっているわけにはいかないでしょう」
その言葉を待っていたと言わんばかりにトムはレオナルドに対して、笑みを浮かべた。
「あぁ! 頼りになる息子たちで嬉しいぞ!」
「父上。安心するのは早すぎます」
「なぜだ?」
心底、不思議そうな顔をするトムに対し、不安感を抱く。
解決するものだと疑ってすらもいないのだろう。今まで伯爵として上手く立ち回っていたのは、すべて、長兄のセドリックが手回しをしていたからだ。
「それはできない」
「なぜですか」
「セドリックに連絡をすれば、交渉の場さえも与えないと書かれている。条件を提示する場さえも与えず、多額の慰謝料を払わせるつもりだ」
トムは頭を抱えた。
握りつぶされた手紙はトムの掌から落ち、机の上に落ちる。
「……交渉の場はいつですか」
頼りになる兄のセドリックは、仕事の為、海外に出て行ってしまっている。手紙を送り、相談をしたことが侯爵家にばれてしまえば交渉の場さえもなかったことにされてしまうのならば、今回は兄の手助けを求められない。
伯爵であるトムは嘆くだけだ。交渉の場についても侯爵家の良いように扱われるのは目に見えていた。
「父上と兄上の代理として俺が出向きます」
それならば、社交界嫌いで有名となっているレオナルドが表に出るしかない。
問題の原因として名をあげられているアルフレッドでは、相手の思い通りにされるだけの可能性が高く、なにより交渉の場には不向きな性格をしている。
「いいのか」
トムは頭を抱えていた手をゆっくりと下ろす。
「なにを言われるのか、わからないんだぞ」
それは伯爵邸の中で過ごすことが多いレオナルドを気遣うものだった。
「レオナルドの嫌いな連中かもしれない。嫌がらせを受けるかもしれない。無理難題を押し付けられるかもしれない。それでも、父の代わりに交渉をしてくれるというのか?」
その目には期待が隠しきれていなかった。
レオナルドを心配する気持ちは嘘ではないだろう。しかし、それ以上に面倒事を引き受けてくれるのならば丸投げしてしまいという甘えが強いようだ。
「伯爵家を守る為なら、俺も引きこもっているわけにはいかないでしょう」
その言葉を待っていたと言わんばかりにトムはレオナルドに対して、笑みを浮かべた。
「あぁ! 頼りになる息子たちで嬉しいぞ!」
「父上。安心するのは早すぎます」
「なぜだ?」
心底、不思議そうな顔をするトムに対し、不安感を抱く。
解決するものだと疑ってすらもいないのだろう。今まで伯爵として上手く立ち回っていたのは、すべて、長兄のセドリックが手回しをしていたからだ。
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