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第一章 出会い
第5話 地獄の始まり
しおりを挟む屋敷をの中を進み、執事はひとつの扉の前で立ち止まった。
コンコンコン
「失礼いたします。頼まれていた方々をお連れ致しました。」
「入ってくれ」
応接間では、ニコニコと人の良さそうな笑みを浮かべ、杖を着いたお爺さんが待ち構えていた。
男たちがレオを抱え、老人へと近付くと、役目を終えた執事は速やかに部屋の隅に寄った。
男A「お待たせしました!ご所望のものをお連れしました!」
「よく来てくれたね。待っていたよ!どれどれ、状態を見せておくれ」
そう言って老人は、レオの頭に被せられた麻袋を取ろうとした。
そこで、すかさず男のひとりが助言した。
男B「あっ!先程暴れて逃げ出そうとしたのでお気を付けください!」
その言葉を聞いた老人は、
「そうか!そうか!元気そうで何よりじゃわ!では、まずアレをつけてからにしようかの」と1人で楽しそうに頷きながら執事をそばに呼び寄せ、何かを囁いた。
それを聞くやいなやすぐに執事は応接間を退出し、その数分後になにかを丁重に持って戻ってきた。
男B「それは一体……?」
男のつぶやきに老人は笑みを深め、嬉々として答えた。
「ほっほっほっ、これは特注品の首輪でな、好きな強さで電流や毒を流したり気道を圧迫させたりできる優れものなんじゃ」
それを聞いたレオはあまりの内容に身体を強ばらせた。
(なんだよそれ!そんなのつけられたら俺は…………)
とてつもない焦りと恐怖を覚えたレオは、咄嗟に思いっきり身をよじらせた。
男A「……っ!? こいつ、急に暴れやがって!」
男B「…………!!」
老人の話に気を取られていた男たちは、レオの突然の行動に対応出来ず、手を緩めてしまった。
レオはその隙をつき、さらにもがき、床に足をつけることに成功した。
しかし、直ぐに我に返った男たちは枷に着いた鎖を思いっきり引っ張った。
その衝撃でレオは足をもつれさせ転倒してしまった。
そしてその直後、レオは老人が近づいてくる気配を感じた。
(……ダメだ!逃げられない...!!)
近付いてきた老人は、さらに笑みを深めてレオの首に手を伸ばし囁いた。
「今日からは私が君の飼い主だ。ちゃんといい子にするんだよ」
そういうと、レオの首に鈍く銀色に輝く首輪をはめたのだった。
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