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19、写メ事件

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19、写メ事件

「どうすりゃ、アンタがオレを一番好きだって思う事ができるんだろう?」 

オレの素直な気持ちに、ワタヌキの顔に熱が広がる。 
もう一押し。 
オレはワタヌキの隣で空を見上げながら言ってみた。 
「オレ・・・いつもアンタに流されちゃってるけど、 
オレだってワガママ聞いて欲しい時だってあるんだぜ?時々でいいから、オレのワガママ(懇願)も聞いて欲 
しい。それってオレが大事って事じゃねぇ?」 
語尾と共にワタヌキに顔を向けると、その目が困ったように瞬きした。 
「そうだな・・聞いてもいい」 

ヨシ!!(小さくワタヌキに見えないようにガッツポーズ!) 
いつも、いつも、いつも、いつも! 
アンタは勝手なんだよ! 
今だって、誰がシていいって言った? 
これって半強姦だろ!しかも、中でイキやがって、メチャクチャ出しやがって! 
後でオレがどんな気持ちになるかわらねーだろうけど。 
自分で洗う時。 
アソコ使って慰めてる気持ちになるんだぞ!? 
しかも、全部なんて絶対掻き出せない。 
後から絶対タラって出てくる。 
そのせいで、いつまでも、オレはオマエに犯されてる感が拭えないんだっ 
だが、これを機に。 
オレは拒否権を行使する! 
もう、オマエの好き勝手ヤラせるか・・! 

その日の部活は、最高にキレた。キレキレ。 
パスもシュートも狙った所へ思いのまま。 
気分も新たに、決心したせいだろうか?(でも実は二度目の決心) 
オレって、サッカー上手くなったのかも・・!?
ずっと基礎練習ばっかでつまんなかったけど、ま、アイツがいるから練習サボル気になんてなんなかったけど。 
頑張ってきて良かった。 
5月の関東大会には出れなくても、自分の成長に期待が膨らんだ。 
「ナギ、帰ろうぜ」 
練習が終わって、グラウンドから引き上げる時に、ワタヌキの手がオレを呼ぶ。 
「あーじゃ待っててクダサイ」 
と、返したオレの台詞を聞いていた北村が、
「いいぜ。(ヒト)足りてるから、先帰っても」
と、呟いた。  
北村は、どうも昨日ワタヌキのキレたトコロを見て、引いているらしい。 
「ふーん。じゃ帰ろっかな・・あと、ヨロシク」 
「おう。オレの事怒ってないかワタヌキ先輩に聞いといて」 
「ハハ。お前、ビビリすぎ」 
オレがワタヌキに追いつくと、ワタヌキがオレの肩を抱いてくる。 
オイ・・! 
横を睨むと、その顔が笑っている。
わざとだ。わざとそういう事して、オレをからかって遊んでる。 
「今日、ウチ来いよ」 
キた。 
「行かない」 
即答。 気持ちイイ! 

すると、ワタヌキの足が止まる。 
唐突に、木の陰に手を引かれて抱きしめられた。 
「もう、なんもしねーよ。一緒にいてーだけだよ・・わかれよ」 
「センパイ。・・・ウソつくな、勃ってきてんじゃん、センパイ!」 
「しょうがねーだろ?オマエとくっついてるとこうなんだよ。条件反射なんだよ」 

スゲー、オレ。ついにワタヌキの反射情報にまでプログラムされてる。 

「オレの言い分も聞く約束。オレを好きだから聞いてくれんだよな?」 
「ん?・・聞く聞く。なんだ?」 
「今は特に無い」 
「なら、言うなよ」 
オレ達はワタヌキの家でシャワーを浴びる事にして、ジャージのままで、チャリを飛ばした。 
二人で一緒にシャワーを浴びて、体を洗っていると、ワタヌキがオレの後ろから体を抱いてくる。
体中、ワタヌキの手が泡に濡れた肌の上を滑る。 
すぐに屹立したワタヌキのモノが、オレの腰にピッタリと密着し、狙いを定めた。
「センパイ・・!」 
「ヤだ。中で」 
「ダメだって」 
「なら、ヤメる」 
ワタヌキの腰が引けそうになって、オレは鳴いた。 
「アッんっヤ、だ」 
その声に、ワタヌキが応える。
濡れて柔らかくなったソコへ押当てた勃起で突き上げるように挿入してくる。
「ンあッ」
腹の中に熱い肉棒を突っ込まれて、足の内側が震えてくる。 
「ナギ、イイって言えよ。中でイッてもイイって。気持ちイイって」 
浴室効果で声がやたら響いた。アソコからする音もハンパ無い。 
「うっあ、あぁ、い、い。い、い、よ、もう」 

こうして最後には、オレは許してしまう。 
ああ、オレのいい分は何処へ・・・。 
そう思いながらも、自分の股の間の奥の奥へと誘い、快感を貪っているのも自分なのだ。
激しくバックから揺さぶられ、オレの意識は、一度そこで、ブッツリと途切れることになる。
気がつくと、ベッドの上だった。 
電気がついていた。テレビの音もしてる。 
オレはボウっとワタヌキの姿を目で探した。 
見慣れたシンプルな部屋。作りつけの棚とクローゼットのおかげか、たいしてモノが無い、広々とした部屋だ。 
ワタヌキはベッドの足元の方でケータイをいじっていた。 
スゴイ真面目な顔でその画面を覗いている。 

あ、れ、・・オレの携帯じゃ・・!!

ガバッと起き上がるとソレをワタヌキから引っ手繰った。 
顔が真っ赤になる。 
「センパイ・・」 
「・・・見ちゃった。オレの隠し撮り?」 
ワタヌキは満面の笑みでオレの横へ倒れてくる。 
オレの携帯には、こっそり撮ったワタヌキの写真が保存してあった。 
この部屋で寝ているワタヌキ。 
制服のワタヌキ。 
裸の背中。 
それを、見られた。 
「あ、あんた!サイアクッ・・ヒトのもん勝手に見るなよ・・!」 
今更、真っ赤になって怒っても、迫力もクソも何も無い。 
「あ~マジでオレも撮っときゃ良かったな、今日の」 

聞いちゃいねーよ。 

ワタヌキは今度は自分の携帯を開いて、あ、と言った。 
「何?」 
ワタヌキの視線が固まっている。 
携帯からは声が聞こえてきた。 
『ナギ。オレが好きだろ』 
『・・・だから、なんだよ』 
『だから、シたいんだよ』 
『ガチャガチャ』 
『こっここで?』 
『ナギ』 
『あ、・・すぐ、無理だって・・・ア、ふ。・・んん』 
そこまで聞き入って、ワタヌキの手ごと掴んだ携帯の画面をこっちに向ける。 
微かに何かが動いている気配。 
ピントの合わないヒトの肌が見える。 

これ、オレ!? 
オレと、ワタヌキ!? 

恥ずかしさのあまり、オレは急いで、ワタヌキの携帯の電源を強く押して画像を止めた。 
byebyeの画面がメロディと連動して、すぐ後に画面が真っ黒になる。 
唖然とするオレの頭を、ワタヌキがポンポンと叩いてから、そっと携帯をオレから取り上げ、ソレを机の中へ仕舞った。
そして、そこへカチっと鍵を掛ける。 
「・・・・い、まの、何?」 
思考停止状態から復活し、やっと出たオレの声は、うわづっていた。 
「おっかしいな~・・・オレ、写真撮るつもりで、・・・ビデオ?撮ってたのかな・・・?。つーか、電源切ったつもりだったんだけどなぁ・・イヤ、マジで。オレもマジ、ビックリ」 
なぁ?と首を傾げるワタヌキに、枕を投げつけてやる。 
オレは裸のまま構わず、ワタヌキに飛び掛った。 
胸倉を掴んで引き寄せる。 
「テメー、出せ!携帯出せよ!!アレ、消せ!ふざけんなっあんなもん、消しやがれ!!今すぐ消せ!」 
掴みかかるオレの手をワタヌキは易々と広げさせると、またベッドへ押し倒してキスしてくる。 
「ンーーーーー!!!」 
オレの体は疲れのせいでちっとも力が入ってなかった。
何の抵抗もできないうちに、ワタヌキがいつの間にか起たせた勃起をアソコへ押し当ててくる。 
真っ裸のオレには抗いようがない。
まだ熱く湿り気を帯びていたそこは、オレの意志に反して、当たり前のようにワタヌキを飲み込んでいった。 
「ヤメ!・・アンタ、オレのいい分聞いてくれるんじゃなかったのかよ!?」 
「ムリ。聞ける時と聞けない時がある。さっきので、マジでキた。今はムリ。あとで、好きなだけワガママ聞いてやるから、今はオレのワガママ聞け」 

それじゃ、意味ねーじゃねーか!! 
オレのワガママって、なんだよ? 
こういうのヤメテもらうためのワガママ(懇願)じゃねーのかよ! 

「アッヒデェッ・・こんな・・ん!」 
「ハァッ、ナギ、ナギ、めちゃくちゃ好きだ。ナギ、ホラ、スゲー奥まで繋がってる」 
「ヤ、ラシイ、事、言う、なぁ!アッアッ」 
これ以上は無いってくらい奥に、ワタヌキが腰を突入れる。
ガッチリと押え込まれた体の中に、熱が集まる。
訳の分からない快感に戸惑いながら、ワタヌキの熱を感じて、オレはシーツを握りしめた。
激しさを増すワタヌキの突き上げに、意識が遠くなる。
「アアッだめ・・っイク・・ッッ」
頭の中が真っ白になる。
体の中心は覚めない熱に侵されて、目を閉じててもワタヌキを感じてた。
キスとセックス。
それが、オレ達を濃く強く繋げる。

そして結局、携帯の話はどうなったかというと。 
次に目が覚めた時、オレが携帯の話をすると、再びワタヌキが裸のオレに覆い被さった。
勿論、オレに抵抗する体力が残っている訳がない。
顔を横に振って、ガラガラの声で、もうヤメてくれって泣いても、ワタヌキはオレの中から抜いたりはしなかった。
オレの体もどんどん慣れていってて、オレは泣きながらワタヌキの足に足を絡めてた。 

コイツのせいだ。 
コイツが何回も突っ込むからだ。 
オレの中でイクせいだ。 

もしかすると、オレの体はワタヌキの味を覚えて、欲しがってるのかも知れない。
でなきゃなんで、アイツが出す時、あんなに気持ち良くなるのかわからない。 
ワタヌキが中で弾け、肉襞に当たる飛沫に中が震える。
中の熱さより熱いものを掛けられて、腰が浮き上がる。 
もうオレからは何も出ない。射精してないのに、腰が震えてイった感じがした。
「ヤバいよ・・すごい、気持ちイイ・・ッセンパイ、もっと、もっと、シて・・!」 
完全にワタヌキに溺れた。
ガクガクと腰を揺さぶられて、体が突っ張る。 
早く、早く出して欲しい。 
突き上げられながら、足を開いて、ソレを待ってた。 
その時、不意にワタヌキの体が一瞬離れた。
いきなりの喪失感に、頭の中がおかしくなる。 
「・・センパイ・・?」 
「ナギ、もっと欲しいか?」 
「ん。もっと・・」 
「出して欲しいか?」 
「・・ん。・・・・出して、欲し・・センパイ」 
「じゃ、オレの頼み、聞けるよな?」 
「え?うん・・い、よ・・・何でも、聞くから、は、やく、あぅっ」 
再び腰を引きつけられて、ワタヌキの激しい抜き差しに体が仰け反った。 
「あ、あ、あ、ダメっはぁッあ、あ、」 
「なあ携帯のアレ、消さなくても、イイよな?ナギ?」 
「んっんっあ、イイ、よ。あぁッあぁッヤッ」 
「ナギ、ナギ、ずっと、ヤッテたい。ずっとお前の中でこうしてたい・・・ツゥ・・・・!!」 
大きく数回躍動したワタヌキの飛沫を浴びて、オレも何度目かの絶頂を迎えていた。 
オレは朦朧として、ワタヌキの言う事になんでも頷いていた。  

チキショ! 
きたねーぞ!テメ! 
確かに言った。 
でも、あんな時に持ち出すなんて卑怯だ! 

夜通し犯された、次の朝。 
オレ達は駅前の携帯屋に行った。 
あの携帯は凍結。 
ワタヌキはアレでこっそり自慰すると言う。  
根負けしたオレは、あの携帯の事を口に出すのは止めた。 
それを口に出すと、この絶倫オトコに、何時間でもガツガツと攻めれるからだ。 
 
「じゃ、一番新しいヤツで。これ、ビデオ何分取れます?」 
オレを横目に、ワタヌキは店員に質問した。 
ギロリと睨むと、カウンターの下で手を握られた。 
『冗談だって』って、笑ってる。 
ホントかよ!? 
オレ、その内本当にビデオに撮られそうで、怖くなってきた・・・。
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