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第十八話
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ポーション問題を解決したユーゴはキャティナからもらった魔物の資料を改めて確認するため、自宅に戻っていた。
「しかし、見れば見るほど詳細に書かれているな。これはまるで……ゲームの攻略本みたいだ」
街を中心とした周辺の地図があり、近隣の森や山などが記されている。
それらは別の資料では各場所ごとの地図が記されている。
さらには、生息する魔物の難易度、特徴、弱点などが書いてあり、イラストまである。
とれる素材や、その素材の使い道まで書いてあるのを見た時は、ユーゴも驚いてしまった。
「これを自分の足で調べて、自筆でまとめたとはな……しかも、これを活用するやつがいないなんて……」
これをまとめたキャティナに驚き、これが他の者に認められていないことに呆れる。
「とにかく、これがあれば素材集めも簡単にできそうだ」
データをもとに魔物を倒して、素材を集める。現実のファンタジーな世界と、地球でプレイしていたゲームとがリンクした感覚はユーゴを自然と笑顔にさせていた。
賢者としてのユーゴは、勇者の仲間として数多くの魔物や魔族を倒してきたが、それらはあくまで使命だった。
今のユーゴはゲームという存在を知っており、魔物を倒すことで色々なものが手に入ったり経験が増えたりすることもわかっている。
「改めてそんな知識があると……ワクワクする!」
鍛冶師であり、学生であり、賢者でもあるユーゴ。それらがまじりあうことで、知っていることですら新しい感覚で楽しめていた。
その日は、夜遅くまでキャティナの資料を確認しており、明日の出発をいまかいまかと楽しみにしていた。
「はっ……寝てた」
目を覚ましたのは窓から朝日が差し込んできたころだった。
資料を見ていたユーゴは、いつの間にか寝落ちしていたらしく、資料を散乱させたままベッドの上にいた。
「ふう、起きるか」
ユーゴは一つ大きく息を吐くと起きることを決め、散乱している資料を空間魔法でしまいながら身支度を整えていく。
今日の目的地は資料にあった街の北東の山になる。
山では、木の実などの素材、山にしかいない魔物の素材など目標にするものがいくつもあるため、今のユーゴにはうってつけの場所だった。
ユーゴの作ったポーションが売れた。武器も売れた。
しかし、元となる素材が乏しいため、今後色々なものを作るにおいてはとにかく様々な素材が欲しい。それがユーゴの考えだった。
一旦街へと向かうユーゴ。
いつもの通りの魔法で街に到着すると、中には入らず城壁に沿って移動していく。そして、北門前に到着するとそこから北東の山に向かって行った。
周囲に人がいないのを確認すると、一気に魔法で飛んでいくユーゴ。
到着するのに、さほど時間はかからなかった。
「さて、この岩山なら色々素材が手に入りそうだな」
キャティナの資料では、岩石系、鉱物系の魔物が多くいるとのことだった。
それらの魔物は表皮が特別な岩や鉱物に覆われており、倒すことでそれらを素材として手に入れることができる。
その情報を頼りにユーゴは山に足を踏み入れた。
しかし、キャティナの資料の中でこの山だけはやや情報が古いことにユーゴは気づいていなかった。
山頂へと向かう道中では、情報にあったとおり、表皮が強固な岩で覆われている猪ロックボア。
燃える石の羽を持つフレイムロックバード。金属を食べることで、肉体が強化されているメタルウルフ。
これらの魔物が次々に襲い掛かってくるが、事前に手に入れていた情報を活かし、ユーゴは魔法を駆使してあっさりと撃破していく。
ここまでは想定の範囲内だった。
しかし、山頂に到着したところでユーゴは強い気配を感じ取る。
「……こんなに近くに来るまで気づかなかっただと?」
地面が大きく揺れ、気配の正体が姿を現す。
『GOOOOOOO』
雄たけびと共に姿を現したソレら。
「こいつは壮観だ」
山頂はソレらで埋め尽くされていた。
「メタルロックデーモン。まさかこんな場所で出くわすことになるとはな……」
賢者の記憶にある魔物。
名前の通りメタル=金属が身体に含有されている。ロック=硬い岩で表皮が覆われている。デーモン=悪魔と言われる種で、魔界と呼ばれる場所で生息している魔物である。
「ここと相性がよかったのか、誰かが道を作ったのか。なんにせよ、放置はできないな。”穿て、氷の槍”」
氷魔法を一番近くにいるメタルロックデーモンへと放つ。
『GAAA!』
氷の槍が突き刺さり、声をあげるメタルロックデーモンだったがそれを自らの手で抜きさる。
「凍りつく前に引き抜いたのか……これはこれは、なかなか強い」
強いと評するユーゴだったが、焦る様子はなくむしろ余裕たっぷりの態度である。
『GUOOOOOOOOOOOOO!!』
ユーゴの攻撃が大したものではないと判断したメタルロックデーモンたちは、一斉にユーゴに向かってきた。
「そんな単調な動きじゃ……俺はやれないぞ?」
そう口にしたユーゴの姿は空中にあった。
メタルロックデーモンのうちの何体かは近場の岩を持ち上げてユーゴめがけて放り投げる。
しかし、それはユーゴに触れる前に見えない壁にぶつかってバラバラに崩れ去った。
「その判断はいい。いいが、威力が弱いのと相手が悪かったな」
ユーゴは自らの周囲に障壁を張って、攻撃を全て防いでいた。
「さて……”降り注げ、神の怒り!”」
手を掲げると、ユーゴの周囲から雷が生み出されメタルロックデーモンを貫いていく。
メタルロックデーモン身体のどこかにある核を確実に打ち抜いていた。
声も出せないほど一瞬のうちに弱点である核を破壊されたメタルロックデーモンたちは、その場でバタバタと倒れていく。
「――俺の魔法もまだまださび付いちゃいないみたいで安心したよ」
全ての魔物が倒れたのを確認したユーゴは地上に戻る。
「しかし、見れば見るほど詳細に書かれているな。これはまるで……ゲームの攻略本みたいだ」
街を中心とした周辺の地図があり、近隣の森や山などが記されている。
それらは別の資料では各場所ごとの地図が記されている。
さらには、生息する魔物の難易度、特徴、弱点などが書いてあり、イラストまである。
とれる素材や、その素材の使い道まで書いてあるのを見た時は、ユーゴも驚いてしまった。
「これを自分の足で調べて、自筆でまとめたとはな……しかも、これを活用するやつがいないなんて……」
これをまとめたキャティナに驚き、これが他の者に認められていないことに呆れる。
「とにかく、これがあれば素材集めも簡単にできそうだ」
データをもとに魔物を倒して、素材を集める。現実のファンタジーな世界と、地球でプレイしていたゲームとがリンクした感覚はユーゴを自然と笑顔にさせていた。
賢者としてのユーゴは、勇者の仲間として数多くの魔物や魔族を倒してきたが、それらはあくまで使命だった。
今のユーゴはゲームという存在を知っており、魔物を倒すことで色々なものが手に入ったり経験が増えたりすることもわかっている。
「改めてそんな知識があると……ワクワクする!」
鍛冶師であり、学生であり、賢者でもあるユーゴ。それらがまじりあうことで、知っていることですら新しい感覚で楽しめていた。
その日は、夜遅くまでキャティナの資料を確認しており、明日の出発をいまかいまかと楽しみにしていた。
「はっ……寝てた」
目を覚ましたのは窓から朝日が差し込んできたころだった。
資料を見ていたユーゴは、いつの間にか寝落ちしていたらしく、資料を散乱させたままベッドの上にいた。
「ふう、起きるか」
ユーゴは一つ大きく息を吐くと起きることを決め、散乱している資料を空間魔法でしまいながら身支度を整えていく。
今日の目的地は資料にあった街の北東の山になる。
山では、木の実などの素材、山にしかいない魔物の素材など目標にするものがいくつもあるため、今のユーゴにはうってつけの場所だった。
ユーゴの作ったポーションが売れた。武器も売れた。
しかし、元となる素材が乏しいため、今後色々なものを作るにおいてはとにかく様々な素材が欲しい。それがユーゴの考えだった。
一旦街へと向かうユーゴ。
いつもの通りの魔法で街に到着すると、中には入らず城壁に沿って移動していく。そして、北門前に到着するとそこから北東の山に向かって行った。
周囲に人がいないのを確認すると、一気に魔法で飛んでいくユーゴ。
到着するのに、さほど時間はかからなかった。
「さて、この岩山なら色々素材が手に入りそうだな」
キャティナの資料では、岩石系、鉱物系の魔物が多くいるとのことだった。
それらの魔物は表皮が特別な岩や鉱物に覆われており、倒すことでそれらを素材として手に入れることができる。
その情報を頼りにユーゴは山に足を踏み入れた。
しかし、キャティナの資料の中でこの山だけはやや情報が古いことにユーゴは気づいていなかった。
山頂へと向かう道中では、情報にあったとおり、表皮が強固な岩で覆われている猪ロックボア。
燃える石の羽を持つフレイムロックバード。金属を食べることで、肉体が強化されているメタルウルフ。
これらの魔物が次々に襲い掛かってくるが、事前に手に入れていた情報を活かし、ユーゴは魔法を駆使してあっさりと撃破していく。
ここまでは想定の範囲内だった。
しかし、山頂に到着したところでユーゴは強い気配を感じ取る。
「……こんなに近くに来るまで気づかなかっただと?」
地面が大きく揺れ、気配の正体が姿を現す。
『GOOOOOOO』
雄たけびと共に姿を現したソレら。
「こいつは壮観だ」
山頂はソレらで埋め尽くされていた。
「メタルロックデーモン。まさかこんな場所で出くわすことになるとはな……」
賢者の記憶にある魔物。
名前の通りメタル=金属が身体に含有されている。ロック=硬い岩で表皮が覆われている。デーモン=悪魔と言われる種で、魔界と呼ばれる場所で生息している魔物である。
「ここと相性がよかったのか、誰かが道を作ったのか。なんにせよ、放置はできないな。”穿て、氷の槍”」
氷魔法を一番近くにいるメタルロックデーモンへと放つ。
『GAAA!』
氷の槍が突き刺さり、声をあげるメタルロックデーモンだったがそれを自らの手で抜きさる。
「凍りつく前に引き抜いたのか……これはこれは、なかなか強い」
強いと評するユーゴだったが、焦る様子はなくむしろ余裕たっぷりの態度である。
『GUOOOOOOOOOOOOO!!』
ユーゴの攻撃が大したものではないと判断したメタルロックデーモンたちは、一斉にユーゴに向かってきた。
「そんな単調な動きじゃ……俺はやれないぞ?」
そう口にしたユーゴの姿は空中にあった。
メタルロックデーモンのうちの何体かは近場の岩を持ち上げてユーゴめがけて放り投げる。
しかし、それはユーゴに触れる前に見えない壁にぶつかってバラバラに崩れ去った。
「その判断はいい。いいが、威力が弱いのと相手が悪かったな」
ユーゴは自らの周囲に障壁を張って、攻撃を全て防いでいた。
「さて……”降り注げ、神の怒り!”」
手を掲げると、ユーゴの周囲から雷が生み出されメタルロックデーモンを貫いていく。
メタルロックデーモン身体のどこかにある核を確実に打ち抜いていた。
声も出せないほど一瞬のうちに弱点である核を破壊されたメタルロックデーモンたちは、その場でバタバタと倒れていく。
「――俺の魔法もまだまださび付いちゃいないみたいで安心したよ」
全ての魔物が倒れたのを確認したユーゴは地上に戻る。
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