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日常
しょうもないわたしたち その2
婚家の愚痴を撒き散らした由実ちゃんは、深酒が過ぎて自力で帰れず、わたしたちはまたも旦那さんを呼び出すことになった。晩酌をしないで由実ちゃんの帰りを待っていてくれた彼は、ご迷惑おかけしましたとわたしたちに丁寧に頭を下げ、嫌な顔もせず新妻を担いで帰っていった。優しそうな人。不安でいっぱいな由実ちゃんも、きっと支えてくれると思う。
わたしとかいなは終電を逃し、とりあえず駅方面に向かって歩くことにした。まだ春には程遠く凍えるような冬の夜風に身を晒す。味もわからなかったアルコールで、頬は火照っている。三歩前を行くかいなは、丈の長いダウンジャケットにショートブーツ。寒さをものともせず、さくさく歩いて行く。チェスターコートの前を掻き合わせ、わたしはその後ろをついていく。
「かいな、手、つないでいい?」
呼びかけると、かいなは歩を緩め、ためらいなく手を差し出してくれた。ポケットにいれていたからか、とても温かくてしっとりした手が、わたしの冷え切った手を包み込んでくれる。心の底からほっとした。
「はづきの手、めちゃくちゃ冷たい! はやくタクシー拾おう。帰ってお風呂でしっかり温まって休もう」
「うん……」
かいなに手を引かれ、夜道を歩く。ときどき、思い出したように眼の前がぼやけた。風が冷たいから、目に滲みたんだと思うことにする。
かいなのマンションに到着するまで、タクシーの車内でも、彼女はずっと手をつないでいてくれた。会話はなかった。
ひんやりした空気が充満した室内に踏み込み、電気をつけ、エアコンの電源を入れる。低く唸る空調が効きはじめるまでに、手早くお風呂や寝る準備をしてしまう。だいぶ片付いた部屋は、それでもちょっと荒れていて――そんな部屋が居心地いいなんて思うのは、どうしてだろう。
冷えるからとコートを着たままひととおりの作業を終えた。キッチンのケトルがお湯が沸いたと知らせている。紅茶のティーバックのパッケージを手にしたかいなが、カップを用意しながら振り返らずに問う。
「はづき、ストロベリーとレモンとメロンと、あとルイボスティーどれがいい? あ、ジャスミンもあった。……どしたの」
むくむくのダウンジャケットを着込んだままのかいなの背中に、わたしは抱きついた。ルームシューズを履き忘れて、つんとした冷たさがつま先を刺激してる。そんなこと、今はどうでもいい。
かいなのにおいがする。コート越しでは体温はわからないけれど、腕の中にかいながいることがなにより重要だった。
返答しないわたしに、彼女は小さく苦笑交じりのため息をついて、腕の中でぐるりと回転し、わたしのことを抱きしめ返してくれた。分厚いコートが邪魔だけど、それを脱ぐ時間も惜しい。
「おーい、酔っ払っちゃった? 眠くなっちゃったなら、お風呂明日にしてもう寝たほうがいいかも。あ、お水はちゃんと飲んでね、二日酔いしないように」
よしよしと頭を撫でてくれる。もつれた髪を指先で優しく梳られると、鼻の奥がつんとした。
「かいな、好き。キスして」
「ん。ありがとう、私もはづきのこと好きだよ」
あったかい手で頬を包まれ、優しくキスされた。その手が、わたしの目尻を撫でてくれる。
「どうしたの、不安になっちゃった?」
「違うの。幸せで涙がでてきたの」
「なにかいいことあった?」
「ひみつ」
かいながわたしのことどう思ってようと、わたしはかいなのことが好きだろう。ずっとこの先も。でも、振り向いて手をとってもらえたら――。
かいなはそっと頬にキスをくれて、また唇にキスしてくれた。ちょっとアルコールのにおいがするけれど、優しい優しいキス。
もっとしてほしい。飽きるまで、嫌になるまで何度でも。
◆
お風呂で、お互いの身体を洗って、湯船でゆっくりキスを楽しんだ。今は、下着もつけずにベッドにいる。かいなが新しく購入したセミダブルのベッドには、わたし専用のまくらも置いてある。ここにいていいと言われてるみたいで、嬉しい。だけどこうして抱きしめ合うときは、まくらなんてただの飾り。
お風呂上がりでぽかぽかしてるかいなと、ぎゅっと抱きしめあって、舌を絡め合う。舌先の感覚の鋭い部分で、かいなの柔らかな舌の付け根をくすぐって感触を楽しんでいたら、吐息で笑われた。優しく背中を撫でてくれる彼女の手の動きは、まるでわたしを安心させようとしているみたい。
このままずっとキスしているのもいいけれど、――もっとかいなのことを感じたい。味もにおいも声も全部。
肩を掴んでかいなを仰向けにし、腰にまたがる。彼女はわたしをじっと見上げている。ベッドに投げ出されたその手の指に自分の指を絡め、首筋にキスをした。ボディソープの香りがする。お風呂に入らず、かいなのにおいを嗅ぎたかったなと今になって思う。
柔らかい首筋の皮膚を甘噛み。ちょっと深い息遣いでかいなが反応する。鎖骨のときも、腕の付け根のときもそう。心臓の上、胸の中央、それから触れれば重たげに揺れる乳房の上の方にもキスをする。
まくらに頭を預け、かいなはじっとわたしのことを見つめていた。いつもみたいに、セクシーな目……ではなくて、妹を見守るお姉さんみたいな優しい眼差し。わたしが胸の下に口づけたら、その瞳はそっと恥じらうみたいにまぶたに隠れた。今こぼした甘い吐息を、もっと聞かせてほしい。
まるい乳房の形に沿って、何度もキスをする。そのたび、かいなののどがひく、ひくと小さく動いた。感じてくれてる? 脇腹の近くをキスしたら、くすぐったかったようで笑われてしまった。そのまま脇腹を重点的にキスする。くすくす笑うかいなが身を捩って横向きになったので、渾身の力でうつ伏せにひっくり返して、今度は肩甲骨にキスしてみた。
「んっ……」
こっちのほうが反応が大きい。
ぼんのくぼ、首筋、それから肩甲骨と、上からどんどんキスをしていく。腰のくびれの中心をちゅうっと吸ったら、引き締まったふくらはぎが跳ね、足の爪先がきゅっと丸まった。ここが好き? 確認のために、キスを繰り返す。ぴくりぴくり足の指を反応させながら、かいなが震える息を吐く。存分にそこを味わい、さらに下へ。
胸と同じくしっかり張り出し、くびれとの対比が素晴らしいヒップにも口付ける。きゅうっと筋肉が緊張した。双丘の中心に近付くと、すすり泣くように息を吸い、かいなはまくらに顔を埋めた。すがりつくようにぎゅっと。脚を擦り合わせる――きっとその熱く潤んだ粘膜にこの舌を、あるいは指を求めてる。
だからわたしは彼女の内ももにかぷりと噛みついた。もちろん甘噛み。かいなのそこは、甘酸っぱい、女の子が興奮してるときのにおいがした。手で柔肉を掻き分け舐めあげ、粘膜のぎりぎりで止める。まだ肝心なとこには触れてないのに、愛液のかすかな酸味を感じた。ももまで淫らに滴らせて、かいなの身体がはやくはやくっておねだりしている。
身体の内側の皮膚の柔らかいところは、感度が鋭いんだろう。ひかがみやふくらはぎ、くるぶし、それから足の指の間を舐めたり口付けると、かいなは腰をくねらせ、深く息を吐いて悶た。不思議、直接気持ちのいいところを刺激しているわけでもないのに。
再びももの裏を味わっていたら、そろりとかいなが脚を動かし、身体を反転させた。切なげに眉根を寄せ、懇願の表情で膝を開く。ここに触れてと言うように。いつものようにあけすけなおねだりはしてこなかった。恥じらいと欲望が綯い交ぜになった、女の子の顔になってる。
整えられたアンダーヘアを舌でさぐって、すべすべの鼠径部を舐めあげる。腿の内側に近づくと甘酸っぱい匂いが強くなる。そしてかいなの反応も大きくなる。でもまだだめ、触れてあげない。
そんなことを何度も繰り返していたら、ついに、かいなが音を上げた。
「はづき……おねがい、意地悪しないで……。触って、乳首とか、そことか……もう辛いよぉ」
「意地悪じゃないよ、一番気持ちよくしてあげたいの」
自分の乳首に触れようとしている欲望に正直なその手を掴んで動きを阻止し、指を絡めて拘束する。叱られた犬みたいに情けない顔をして、かいなは膝をすり合わせた。
「今日ははづき、甘えたい気分なのかなって思ってたのに」
「うん。甘えてるの。わたしがどれだけかいなのこと好きか、がんばって伝えるから、かいなは受け取って」
好きって気持ちを受け取ってもらえるのが、どれだけ嬉しいことか、――かいなならわかってくれるよね。きっと、いくら努力しても、わたしがかいなの本心を聞いたときの喜びの百分の一も返せない。それでもいいの。
「……でももう、切ないよぉ……。それに、はづきのことも気持ちよくさせたい……」
辛そうにもじもじしてるかいなを見てると、充足感が沸いてくる。ちゃんと興奮してくれてるんだって。
拘束を抜け出たかいなは、わたしの乳首を親指と人差し指に挟んでこねた。身体の芯に淡い快感が響く。
「っあ……う……」
つい腰が揺れてしまった。本当はかいなにいっぱい触ってほしい。気持ちよくしてほしいの。
「私にもはづきのこと舐めさせて」
「……うん」
腰を掴んで促され、わたしはかいなの上でくるりと反転し、お尻をかいなの顔に向けた。彼女をまたぐために膝を開く。腰を落としたら、かいなの吐息が熱く潤んでいる粘膜に触れた。ぞくり、背筋が粟立つ。
わたしが髪を掻き上げ身をかがめると、かいなは自分で脚を開いてとろとろのそこを顕にした。わたしが触れやすいように、少し腰を突き出す。振り返っても彼女の顔は見えないけれど、きっと欲情で潤んだ目をこっちに向けてる。わたしの、触れられてもいないのに興奮しきって濡れたそこを、じっと見つめている。そう思うと、体が熱くなった。きゅうっとあそこが疼いてしまう。
お尻を強く掴まれもっと腰を落とすように誘導された。柔らかいものがねっとり粘膜をすりあげる。
「ぁっ、ぁあああっ」
頭の片隅がぼんやり白く、温かくなる。でもだめ、夢中になってたらだめ。かいなのことを、気持ちよくさせてあげなきゃいけない。舌を伸ばし、とろとろになっているかいなの大事なところに触れた。ちゃんとひだの間もよく舐められるように、手を添えて開いて。ぬち、と淫靡な音がたつ。
「ぁあっ! はづきぃ……! も、無理ぃ……っあっやあっ」
「かいな……んっ、あぅ……、きもち、い?」
きもちいい、きもちいいって不明瞭に、うわ言のように繰り返し、かいなはすすり泣きながらわたしのそこに口付けてる。わたしも舐められるたびに舌の根がこわばるような強い快感でうまく動けない。意識が自分の快感に集中しそうになるのをなんとか押さえ込み、かいなの気持ちいいところを舌で探る。
ねえかいな、気持ちいい? どうしたら気持ちよくなるのか教えてくれたのはかいなだよ、わたしがちゃんとできてたらあとで褒めてね。
「はづき、は、づきぃ……イク……も、イっていい……? イキたいぃ……んぁあっ!」
「あっ、も、だめ……っあぁ」
わたし、ちゃんとかいなのことイカせてあげられたかな。
こりこりになったかいなのクリトリスを愛液ごと吸い上げて舌で撫でて……弾力ある太ももに頬をぎゅっと挟まれてたその間も、必死に舌を動かしていた。
正直、わけがわからなかった。あそこをびりびりするくらい舐められて、あ、かいなの指、入ってきちゃう、と思ったときには、頭が真っ白になっていたから。背中の産毛を羽毛で逆撫でされたような、それを何倍も鋭くしたような快感の波にもみくちゃにされた。膝が折れて、あそこをかいなの顔に押し付けてしまっているのはわかったけど、どうにもできなかった。
絶頂の衝撃からの立ち直りは、断然、かいなの方が早かった。余韻できゅんきゅん疼いているそこを、清めるつもりか舐め上げられ、わたしは情けなくもろくにろれつもまわらないまま、やだとかやめてと何度も言わされてしまった。
へとへとになるくらい気持ちよくさせてあげたかったのに、まだそこまで遠いのかな……。
かいなは、汗みずくでぐったりシーツに横たわるわたしの隣に寝そべって、優しくキスして髪を撫でてくれた。そして、ちょっとやそっとじゃ離れないように、脚を絡めて、ぎゅうっとハグ。
ずっとこうしてて。わたしが囁くと、かいなは「うん」と言って首筋にキスしてくれた。
嬉しくて、また、涙がこぼれてしまった。
わたしとかいなは終電を逃し、とりあえず駅方面に向かって歩くことにした。まだ春には程遠く凍えるような冬の夜風に身を晒す。味もわからなかったアルコールで、頬は火照っている。三歩前を行くかいなは、丈の長いダウンジャケットにショートブーツ。寒さをものともせず、さくさく歩いて行く。チェスターコートの前を掻き合わせ、わたしはその後ろをついていく。
「かいな、手、つないでいい?」
呼びかけると、かいなは歩を緩め、ためらいなく手を差し出してくれた。ポケットにいれていたからか、とても温かくてしっとりした手が、わたしの冷え切った手を包み込んでくれる。心の底からほっとした。
「はづきの手、めちゃくちゃ冷たい! はやくタクシー拾おう。帰ってお風呂でしっかり温まって休もう」
「うん……」
かいなに手を引かれ、夜道を歩く。ときどき、思い出したように眼の前がぼやけた。風が冷たいから、目に滲みたんだと思うことにする。
かいなのマンションに到着するまで、タクシーの車内でも、彼女はずっと手をつないでいてくれた。会話はなかった。
ひんやりした空気が充満した室内に踏み込み、電気をつけ、エアコンの電源を入れる。低く唸る空調が効きはじめるまでに、手早くお風呂や寝る準備をしてしまう。だいぶ片付いた部屋は、それでもちょっと荒れていて――そんな部屋が居心地いいなんて思うのは、どうしてだろう。
冷えるからとコートを着たままひととおりの作業を終えた。キッチンのケトルがお湯が沸いたと知らせている。紅茶のティーバックのパッケージを手にしたかいなが、カップを用意しながら振り返らずに問う。
「はづき、ストロベリーとレモンとメロンと、あとルイボスティーどれがいい? あ、ジャスミンもあった。……どしたの」
むくむくのダウンジャケットを着込んだままのかいなの背中に、わたしは抱きついた。ルームシューズを履き忘れて、つんとした冷たさがつま先を刺激してる。そんなこと、今はどうでもいい。
かいなのにおいがする。コート越しでは体温はわからないけれど、腕の中にかいながいることがなにより重要だった。
返答しないわたしに、彼女は小さく苦笑交じりのため息をついて、腕の中でぐるりと回転し、わたしのことを抱きしめ返してくれた。分厚いコートが邪魔だけど、それを脱ぐ時間も惜しい。
「おーい、酔っ払っちゃった? 眠くなっちゃったなら、お風呂明日にしてもう寝たほうがいいかも。あ、お水はちゃんと飲んでね、二日酔いしないように」
よしよしと頭を撫でてくれる。もつれた髪を指先で優しく梳られると、鼻の奥がつんとした。
「かいな、好き。キスして」
「ん。ありがとう、私もはづきのこと好きだよ」
あったかい手で頬を包まれ、優しくキスされた。その手が、わたしの目尻を撫でてくれる。
「どうしたの、不安になっちゃった?」
「違うの。幸せで涙がでてきたの」
「なにかいいことあった?」
「ひみつ」
かいながわたしのことどう思ってようと、わたしはかいなのことが好きだろう。ずっとこの先も。でも、振り向いて手をとってもらえたら――。
かいなはそっと頬にキスをくれて、また唇にキスしてくれた。ちょっとアルコールのにおいがするけれど、優しい優しいキス。
もっとしてほしい。飽きるまで、嫌になるまで何度でも。
◆
お風呂で、お互いの身体を洗って、湯船でゆっくりキスを楽しんだ。今は、下着もつけずにベッドにいる。かいなが新しく購入したセミダブルのベッドには、わたし専用のまくらも置いてある。ここにいていいと言われてるみたいで、嬉しい。だけどこうして抱きしめ合うときは、まくらなんてただの飾り。
お風呂上がりでぽかぽかしてるかいなと、ぎゅっと抱きしめあって、舌を絡め合う。舌先の感覚の鋭い部分で、かいなの柔らかな舌の付け根をくすぐって感触を楽しんでいたら、吐息で笑われた。優しく背中を撫でてくれる彼女の手の動きは、まるでわたしを安心させようとしているみたい。
このままずっとキスしているのもいいけれど、――もっとかいなのことを感じたい。味もにおいも声も全部。
肩を掴んでかいなを仰向けにし、腰にまたがる。彼女はわたしをじっと見上げている。ベッドに投げ出されたその手の指に自分の指を絡め、首筋にキスをした。ボディソープの香りがする。お風呂に入らず、かいなのにおいを嗅ぎたかったなと今になって思う。
柔らかい首筋の皮膚を甘噛み。ちょっと深い息遣いでかいなが反応する。鎖骨のときも、腕の付け根のときもそう。心臓の上、胸の中央、それから触れれば重たげに揺れる乳房の上の方にもキスをする。
まくらに頭を預け、かいなはじっとわたしのことを見つめていた。いつもみたいに、セクシーな目……ではなくて、妹を見守るお姉さんみたいな優しい眼差し。わたしが胸の下に口づけたら、その瞳はそっと恥じらうみたいにまぶたに隠れた。今こぼした甘い吐息を、もっと聞かせてほしい。
まるい乳房の形に沿って、何度もキスをする。そのたび、かいなののどがひく、ひくと小さく動いた。感じてくれてる? 脇腹の近くをキスしたら、くすぐったかったようで笑われてしまった。そのまま脇腹を重点的にキスする。くすくす笑うかいなが身を捩って横向きになったので、渾身の力でうつ伏せにひっくり返して、今度は肩甲骨にキスしてみた。
「んっ……」
こっちのほうが反応が大きい。
ぼんのくぼ、首筋、それから肩甲骨と、上からどんどんキスをしていく。腰のくびれの中心をちゅうっと吸ったら、引き締まったふくらはぎが跳ね、足の爪先がきゅっと丸まった。ここが好き? 確認のために、キスを繰り返す。ぴくりぴくり足の指を反応させながら、かいなが震える息を吐く。存分にそこを味わい、さらに下へ。
胸と同じくしっかり張り出し、くびれとの対比が素晴らしいヒップにも口付ける。きゅうっと筋肉が緊張した。双丘の中心に近付くと、すすり泣くように息を吸い、かいなはまくらに顔を埋めた。すがりつくようにぎゅっと。脚を擦り合わせる――きっとその熱く潤んだ粘膜にこの舌を、あるいは指を求めてる。
だからわたしは彼女の内ももにかぷりと噛みついた。もちろん甘噛み。かいなのそこは、甘酸っぱい、女の子が興奮してるときのにおいがした。手で柔肉を掻き分け舐めあげ、粘膜のぎりぎりで止める。まだ肝心なとこには触れてないのに、愛液のかすかな酸味を感じた。ももまで淫らに滴らせて、かいなの身体がはやくはやくっておねだりしている。
身体の内側の皮膚の柔らかいところは、感度が鋭いんだろう。ひかがみやふくらはぎ、くるぶし、それから足の指の間を舐めたり口付けると、かいなは腰をくねらせ、深く息を吐いて悶た。不思議、直接気持ちのいいところを刺激しているわけでもないのに。
再びももの裏を味わっていたら、そろりとかいなが脚を動かし、身体を反転させた。切なげに眉根を寄せ、懇願の表情で膝を開く。ここに触れてと言うように。いつものようにあけすけなおねだりはしてこなかった。恥じらいと欲望が綯い交ぜになった、女の子の顔になってる。
整えられたアンダーヘアを舌でさぐって、すべすべの鼠径部を舐めあげる。腿の内側に近づくと甘酸っぱい匂いが強くなる。そしてかいなの反応も大きくなる。でもまだだめ、触れてあげない。
そんなことを何度も繰り返していたら、ついに、かいなが音を上げた。
「はづき……おねがい、意地悪しないで……。触って、乳首とか、そことか……もう辛いよぉ」
「意地悪じゃないよ、一番気持ちよくしてあげたいの」
自分の乳首に触れようとしている欲望に正直なその手を掴んで動きを阻止し、指を絡めて拘束する。叱られた犬みたいに情けない顔をして、かいなは膝をすり合わせた。
「今日ははづき、甘えたい気分なのかなって思ってたのに」
「うん。甘えてるの。わたしがどれだけかいなのこと好きか、がんばって伝えるから、かいなは受け取って」
好きって気持ちを受け取ってもらえるのが、どれだけ嬉しいことか、――かいなならわかってくれるよね。きっと、いくら努力しても、わたしがかいなの本心を聞いたときの喜びの百分の一も返せない。それでもいいの。
「……でももう、切ないよぉ……。それに、はづきのことも気持ちよくさせたい……」
辛そうにもじもじしてるかいなを見てると、充足感が沸いてくる。ちゃんと興奮してくれてるんだって。
拘束を抜け出たかいなは、わたしの乳首を親指と人差し指に挟んでこねた。身体の芯に淡い快感が響く。
「っあ……う……」
つい腰が揺れてしまった。本当はかいなにいっぱい触ってほしい。気持ちよくしてほしいの。
「私にもはづきのこと舐めさせて」
「……うん」
腰を掴んで促され、わたしはかいなの上でくるりと反転し、お尻をかいなの顔に向けた。彼女をまたぐために膝を開く。腰を落としたら、かいなの吐息が熱く潤んでいる粘膜に触れた。ぞくり、背筋が粟立つ。
わたしが髪を掻き上げ身をかがめると、かいなは自分で脚を開いてとろとろのそこを顕にした。わたしが触れやすいように、少し腰を突き出す。振り返っても彼女の顔は見えないけれど、きっと欲情で潤んだ目をこっちに向けてる。わたしの、触れられてもいないのに興奮しきって濡れたそこを、じっと見つめている。そう思うと、体が熱くなった。きゅうっとあそこが疼いてしまう。
お尻を強く掴まれもっと腰を落とすように誘導された。柔らかいものがねっとり粘膜をすりあげる。
「ぁっ、ぁあああっ」
頭の片隅がぼんやり白く、温かくなる。でもだめ、夢中になってたらだめ。かいなのことを、気持ちよくさせてあげなきゃいけない。舌を伸ばし、とろとろになっているかいなの大事なところに触れた。ちゃんとひだの間もよく舐められるように、手を添えて開いて。ぬち、と淫靡な音がたつ。
「ぁあっ! はづきぃ……! も、無理ぃ……っあっやあっ」
「かいな……んっ、あぅ……、きもち、い?」
きもちいい、きもちいいって不明瞭に、うわ言のように繰り返し、かいなはすすり泣きながらわたしのそこに口付けてる。わたしも舐められるたびに舌の根がこわばるような強い快感でうまく動けない。意識が自分の快感に集中しそうになるのをなんとか押さえ込み、かいなの気持ちいいところを舌で探る。
ねえかいな、気持ちいい? どうしたら気持ちよくなるのか教えてくれたのはかいなだよ、わたしがちゃんとできてたらあとで褒めてね。
「はづき、は、づきぃ……イク……も、イっていい……? イキたいぃ……んぁあっ!」
「あっ、も、だめ……っあぁ」
わたし、ちゃんとかいなのことイカせてあげられたかな。
こりこりになったかいなのクリトリスを愛液ごと吸い上げて舌で撫でて……弾力ある太ももに頬をぎゅっと挟まれてたその間も、必死に舌を動かしていた。
正直、わけがわからなかった。あそこをびりびりするくらい舐められて、あ、かいなの指、入ってきちゃう、と思ったときには、頭が真っ白になっていたから。背中の産毛を羽毛で逆撫でされたような、それを何倍も鋭くしたような快感の波にもみくちゃにされた。膝が折れて、あそこをかいなの顔に押し付けてしまっているのはわかったけど、どうにもできなかった。
絶頂の衝撃からの立ち直りは、断然、かいなの方が早かった。余韻できゅんきゅん疼いているそこを、清めるつもりか舐め上げられ、わたしは情けなくもろくにろれつもまわらないまま、やだとかやめてと何度も言わされてしまった。
へとへとになるくらい気持ちよくさせてあげたかったのに、まだそこまで遠いのかな……。
かいなは、汗みずくでぐったりシーツに横たわるわたしの隣に寝そべって、優しくキスして髪を撫でてくれた。そして、ちょっとやそっとじゃ離れないように、脚を絡めて、ぎゅうっとハグ。
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