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第37話 吉岡の取材④
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吉岡はまだ時間に余裕があるため、念のため佐藤が住んでいたアパートまで行ってみることにした。
グーグル先生の言う通りに歩いたはずなのに、「オレンジヴィラ」が見つからない。
近くまで来ているはずなんだが――と、キョロキョロしながら歩き回っていると、スーツを着た男たちが、道端でお婆さんを捕まえて、写真を見せながら話をしているところに出くわした。
吉岡は、まだ警察が話を聞いている、という意味で驚いたのだが、彼らにはそうは映らず、自分たちが警察だと気づいて驚いたと解釈したらしい。吉岡を睨みつけながら近づいてきた。
(うわあ。参ったなあ。まだ聞き込みをしていたのか――)
「すみません。この近くにお住まいの方ですか?」
上司らしい年配の男性に声を掛けられた。
「いえ、違いますけど」
吉岡の答え方が反抗的に感じられたのか、二人の目つきが鋭くなった。それを見て早めに全面降伏することにした。
「逮捕された犯人の住所がネットで晒されていたんで、ちょっと来てみたんです」
そう言って、目的地を印刷したマップを見せた。若い方は、あからさまに面倒臭そうな表情に変わった。
「君、職業は?」
「あ、大学院生です」
「なんか身分証持ってる?」
「はい」
学生証を見せると、二人揃って、写真と顔を見比べて、ふーんと納得していた。
好奇心を抑えられない吉岡は、ずっと聞きたかった質問をぶつけてみた。
「あの、佐藤が窓から侵入したってニュースでは言っていますけど、どうやって入ったんですか? 逃走時に佐藤が閉めたにしては、閉まりすぎですよね?」
軟化していた二人の態度が一気に硬化に転じた。
「お前、何を知ってる?」
吉岡は胸ぐらを掴まれるかと思った。本物の刑事の凄みは経験するものではない。
「あ、す、すみません。申し遅れました。私、畑野優里の友人で。彼女からちょっとだけ話を聞いているので。ああ、すみません、本当に」
またしても、「ああ――」と二人の男は項垂れた。
吉岡は二人の刑事と少しだけ話しをしたが、物分かりのいい人に当たったようで、すぐに解放された。
お陰で、結局、目的地へは行けなかったのだが――さすがに刑事の裏をかいてまで現場に行く勇気はない――、警察も密室の謎を解き明かしていないらしいことが、二人の様子から分かった。
成果としては十分――いや、上出来だ。
吉岡は、自分の後ろ姿を二人の刑事がじっと見ているだろうと思い、真っ直ぐ千川駅を目指した。
駅の周辺にはカフェが無かったため、ひとまず池袋駅まで戻り、ランチを兼ねて休憩することにした。
池袋駅で地下鉄を降り改札を抜けると、途端に人混みが襲来した。
さすが乗車人員全国二位の駅だ。ぶっちぎり一位の新宿駅の乗降客数には及ばないが、それでも慣れていない田舎者だと、人混みの中をぶつかりながら歩くことになるだろう。
(池袋か。久しぶりだな。ジュンク堂に寄ってみようか……)
普段利用しない駅で降りると、どうしても、あちこち寄り道をしたくなってしまうが、店に入るなら十二時前には入った方がいいので、ルミネにあるケーキが美味しいカフェに入ることにした。
店内は、ほぼ女性のグループで占められていた。よくて男女のカップル客だ。
男一人客の吉岡は目立ったようで、あちこちから視線を感じる。だが無類の甘味好きにはよくある試練だ。もう慣れている。
メニューを見て、ハーフカットのケーキが選べるパスタランチにしようと即決したのだが、甘党としては大きなケーキを丸々食べたい気もして、決心が揺らいだ。
早く注文して食べないと、ランチ休憩の人たちの迷惑になるのだが、生クリーム盛り盛りのスポンジケーキにするか、鮮やかなカットフルーツと白いクリームの薄い層が連続するミルクレープにするか、なかなか結論を出せないでいた。
優柔不断な吉岡は、二択で悩んだときは辞書に掲載された場合の後の方を選択するという自分ルールを持っている。
そのルールに従い、ケーキは泣く泣くミルクレープにした。
(もういっそのこと、スポンジケーキはテイクアウトしようか)
食い意地が張っているせいか、吉岡は注文した商品が席に届くまで、厨房から出てくる店員を目で追ってしまう癖がある。
それも、「自分の席に来い!」と念じながら見るので、店員からすればかなりキモい客だと思う。
それでも過去に一度もトラブルになっていないのは、友人曰く「顔面偏差値の高さ」らしいが。
満席に近いと料理はなかなか出てこない。待っている間、手持ち無沙汰なので、優里にもう少しだけ午前中の成果を連絡しようと思ったが、まだ既読がついていなかったため止めた。
◆◆◆
畑野家では、家族で相談した結果、高木家の初七日の法要が終わってからお見合いの返事をすることに決めた。
四月十九日の週に、仲人さんから連絡があればそのときに返事を、もしなければ二十四日の土曜日にこちらから連絡を入れることにしたのだ。
優里は、「それまでの間よく考えるように」と、両親に言われた。もちろん、道長とLINEで連絡をとっていることは打ち明けていない。
正直、お見合いのことよりも事件の方が気になって仕方がなかった。
目を見開いて亡くなったあの人が、二晩続けて優里の夢に出てきては、「なぜ」と、彼女に問いかける。優里は、どちらかといえば三千代の味方だと主張するところで毎回目が覚める。
夢見の悪さは体調不良に直結する。十三日の朝は、さすがに会社を休もうかと思ったほどだが、家にいてもワイドショー三昧になるだけだと思い出社した。
そんな優里の状況を知らない吉岡は、昨日同様に軽いLINEを送って寄越す。
今日もお腹ピーピー疑惑を持たれてしまうと思いながらも、優里は通知を目にする度、LINEを確認するためにスマホを持ってはトイレに駆け込んでいた。
吉岡は朝イチのLINEで、容疑者の佐藤について彼の自宅周辺で聞き込みをすると言っていた。
優里はトイレの個室に入り、スマホの画面に表示されている吉岡のアイコンを見て、ため息をついた。
彼は、アイコンに自分の写真を使っていた。アカデミックな雰囲気で撮られているので、学内で撮影されたものかもしれない。少し気怠い表情は、女子ウケ抜群だろう――と、そんなことはどうでもいいのだ。
優里は返信が面倒なので、既読が付かないようにアイコンを長押ししてメッセージを表示させた。全文は表示されないが、最初の二行で十分だった。
――佐藤容疑者がDV男だった。
それを見るなり優里は気分が悪くなり、トイレに吐いてしまった。
グーグル先生の言う通りに歩いたはずなのに、「オレンジヴィラ」が見つからない。
近くまで来ているはずなんだが――と、キョロキョロしながら歩き回っていると、スーツを着た男たちが、道端でお婆さんを捕まえて、写真を見せながら話をしているところに出くわした。
吉岡は、まだ警察が話を聞いている、という意味で驚いたのだが、彼らにはそうは映らず、自分たちが警察だと気づいて驚いたと解釈したらしい。吉岡を睨みつけながら近づいてきた。
(うわあ。参ったなあ。まだ聞き込みをしていたのか――)
「すみません。この近くにお住まいの方ですか?」
上司らしい年配の男性に声を掛けられた。
「いえ、違いますけど」
吉岡の答え方が反抗的に感じられたのか、二人の目つきが鋭くなった。それを見て早めに全面降伏することにした。
「逮捕された犯人の住所がネットで晒されていたんで、ちょっと来てみたんです」
そう言って、目的地を印刷したマップを見せた。若い方は、あからさまに面倒臭そうな表情に変わった。
「君、職業は?」
「あ、大学院生です」
「なんか身分証持ってる?」
「はい」
学生証を見せると、二人揃って、写真と顔を見比べて、ふーんと納得していた。
好奇心を抑えられない吉岡は、ずっと聞きたかった質問をぶつけてみた。
「あの、佐藤が窓から侵入したってニュースでは言っていますけど、どうやって入ったんですか? 逃走時に佐藤が閉めたにしては、閉まりすぎですよね?」
軟化していた二人の態度が一気に硬化に転じた。
「お前、何を知ってる?」
吉岡は胸ぐらを掴まれるかと思った。本物の刑事の凄みは経験するものではない。
「あ、す、すみません。申し遅れました。私、畑野優里の友人で。彼女からちょっとだけ話を聞いているので。ああ、すみません、本当に」
またしても、「ああ――」と二人の男は項垂れた。
吉岡は二人の刑事と少しだけ話しをしたが、物分かりのいい人に当たったようで、すぐに解放された。
お陰で、結局、目的地へは行けなかったのだが――さすがに刑事の裏をかいてまで現場に行く勇気はない――、警察も密室の謎を解き明かしていないらしいことが、二人の様子から分かった。
成果としては十分――いや、上出来だ。
吉岡は、自分の後ろ姿を二人の刑事がじっと見ているだろうと思い、真っ直ぐ千川駅を目指した。
駅の周辺にはカフェが無かったため、ひとまず池袋駅まで戻り、ランチを兼ねて休憩することにした。
池袋駅で地下鉄を降り改札を抜けると、途端に人混みが襲来した。
さすが乗車人員全国二位の駅だ。ぶっちぎり一位の新宿駅の乗降客数には及ばないが、それでも慣れていない田舎者だと、人混みの中をぶつかりながら歩くことになるだろう。
(池袋か。久しぶりだな。ジュンク堂に寄ってみようか……)
普段利用しない駅で降りると、どうしても、あちこち寄り道をしたくなってしまうが、店に入るなら十二時前には入った方がいいので、ルミネにあるケーキが美味しいカフェに入ることにした。
店内は、ほぼ女性のグループで占められていた。よくて男女のカップル客だ。
男一人客の吉岡は目立ったようで、あちこちから視線を感じる。だが無類の甘味好きにはよくある試練だ。もう慣れている。
メニューを見て、ハーフカットのケーキが選べるパスタランチにしようと即決したのだが、甘党としては大きなケーキを丸々食べたい気もして、決心が揺らいだ。
早く注文して食べないと、ランチ休憩の人たちの迷惑になるのだが、生クリーム盛り盛りのスポンジケーキにするか、鮮やかなカットフルーツと白いクリームの薄い層が連続するミルクレープにするか、なかなか結論を出せないでいた。
優柔不断な吉岡は、二択で悩んだときは辞書に掲載された場合の後の方を選択するという自分ルールを持っている。
そのルールに従い、ケーキは泣く泣くミルクレープにした。
(もういっそのこと、スポンジケーキはテイクアウトしようか)
食い意地が張っているせいか、吉岡は注文した商品が席に届くまで、厨房から出てくる店員を目で追ってしまう癖がある。
それも、「自分の席に来い!」と念じながら見るので、店員からすればかなりキモい客だと思う。
それでも過去に一度もトラブルになっていないのは、友人曰く「顔面偏差値の高さ」らしいが。
満席に近いと料理はなかなか出てこない。待っている間、手持ち無沙汰なので、優里にもう少しだけ午前中の成果を連絡しようと思ったが、まだ既読がついていなかったため止めた。
◆◆◆
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四月十九日の週に、仲人さんから連絡があればそのときに返事を、もしなければ二十四日の土曜日にこちらから連絡を入れることにしたのだ。
優里は、「それまでの間よく考えるように」と、両親に言われた。もちろん、道長とLINEで連絡をとっていることは打ち明けていない。
正直、お見合いのことよりも事件の方が気になって仕方がなかった。
目を見開いて亡くなったあの人が、二晩続けて優里の夢に出てきては、「なぜ」と、彼女に問いかける。優里は、どちらかといえば三千代の味方だと主張するところで毎回目が覚める。
夢見の悪さは体調不良に直結する。十三日の朝は、さすがに会社を休もうかと思ったほどだが、家にいてもワイドショー三昧になるだけだと思い出社した。
そんな優里の状況を知らない吉岡は、昨日同様に軽いLINEを送って寄越す。
今日もお腹ピーピー疑惑を持たれてしまうと思いながらも、優里は通知を目にする度、LINEを確認するためにスマホを持ってはトイレに駆け込んでいた。
吉岡は朝イチのLINEで、容疑者の佐藤について彼の自宅周辺で聞き込みをすると言っていた。
優里はトイレの個室に入り、スマホの画面に表示されている吉岡のアイコンを見て、ため息をついた。
彼は、アイコンに自分の写真を使っていた。アカデミックな雰囲気で撮られているので、学内で撮影されたものかもしれない。少し気怠い表情は、女子ウケ抜群だろう――と、そんなことはどうでもいいのだ。
優里は返信が面倒なので、既読が付かないようにアイコンを長押ししてメッセージを表示させた。全文は表示されないが、最初の二行で十分だった。
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