『しろくま通りのピノ屋さん 〜転生モブは今日もお菓子を焼く〜』

miigumi

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11章

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第113話『ようこそを育てる家と、まちのページをひらく日』

 *

 未来区画の端、まだ土のにおいが残る場所。
 鍛冶屋の兄さんと職人たちが、ベンチの土台を作り始めた。



会話の断片

「このベンチ、ユルくんが“風が通るとこがいい”って言ってたな」
「セイルの読み聞かせもできるように、少し広めにとろう」
「この木、リィナさんが“ただいまの木”って呼んでたやつだよな」



 町の人たちが少しずつ、自分の夢の“居場所”を形にしていく。



 一方、リィナとレオの家でも変化が起きていた。

 「設計室とリビングの間の仕切り、少し開けたままにしておくの、どうです?」

 「“訪ねてくる人が見える家”、ですね。ええ、賛成です」

 それは、ふたりにとって**“迎える暮らし”**の始まりだった。

 レオは笑って、こう言った。

 「この家は、あなたが帰ってくる場所でもあるし、
 誰かに“ただいま”と言ってもらう場所でもあるんですね」



 ユルは設計室の一角で、**「まちの案内帖」**を作りはじめていた。



『しろくま通り・まんなか帖』
• おすすめの寄り道スポット
• 町の人が教える“ひみつの場所”
• おかえりの木の前で読める短編物語(セイル原案)
• ピノの冷菓紹介コラム(コメントは全部自画自賛)



 「……ページって、“まちの声”の落書き帳でもある。
 ユル、それ、見せたくて描いてる」



 そして、セイルの“夢の本屋”も動き出した。

 設計室の一角に作られた仮設ブースには、
 物語の試し読み本や、子どもたちの絵本原画、
 「夢に名前をつけるノート」などが置かれていた。



 リィナはその前で立ち止まり、笑った。

 「……レオさん。町の中にも、ちいさな“迎える家”が増えてますね」

 「ええ。
 そしてあなたのとなりにいる僕も、今日も“迎えられた”気持ちでいっぱいです」
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