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第18章
第4話
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こっそり中をのぞくつもりでいたのに、入り口付近まで来たとたん、あっさりと見つかる。
「わ、部長。こんにちは」
名前も知らない部員が、俺に挨拶をする。
彼はそそくさと中へ戻ると、俺が来たことを全員に伝えた。
小さな倉庫の中に緊張感が走るのが、目に見えるようだ。
「調子はどう?」
中をのぞくと、そこに鹿島はいなかった。
山崎の姿もない。
本当に新入りの1年生たちだけで、集まっていたところだった。
「え、えぇ、まぁなんとか」
彼らは顔を見合わせ、恐る恐る口を開く。
じっとりとした視線が、俺に集中していた。
「そっか。ちょっと心配になって、見にきてみただけなんだ。上手くいってる?」
倉庫の中は綺麗に片付けられ、鞄や荷物、工具や作業に必要な道具は、専用の棚に収められていた。
どこからかもらってきたのであろう、ぼろぼろの机の上には、お菓子や雑誌、漫画なんかも転がっている。
すっかり居心地のいい、自分たちのたまり場を完成させているようだった。
俺は中へと足を踏み入れる。
「へぇ、もう試作機が出来てるの? すごいね」
マシン自体は、大きなものじゃない。
企画書を見たので、大体の設計は分かる。
1年の一人が、さっとそれを持ちあげた。
「いえ、まだ、動かしたことはなので」
腕に抱え込むようにして、俺の目から隠す。
心の中で、ため息をついた。
別に敵情視察に来たわけじゃない。
本当に、単純に、ただ様子が気になって、来ただけだったのに。
そのすぐ隣には、公式サイズの的が置いてあった。
俺はその前にしゃがみこむ。
「これは動くの?」
出ていた的の一つに指で触れたら、それはぽとりと外れて、箱の中に落ち込んだ。
「まだちゃんと出来てないので、触らないで下さい」
「あ、ごめんね」
慌てて両手を背後に回す。
ほとんど顔を合わせたこともない、話したこともない彼らと、どう接していいのかが分からない。
そっか、俺が自分一人でロボコンに参加するって決めたことを、みんな知っているんだったっけ。
だったら俺は、やっぱり敵じゃないか。
「わ、部長。こんにちは」
名前も知らない部員が、俺に挨拶をする。
彼はそそくさと中へ戻ると、俺が来たことを全員に伝えた。
小さな倉庫の中に緊張感が走るのが、目に見えるようだ。
「調子はどう?」
中をのぞくと、そこに鹿島はいなかった。
山崎の姿もない。
本当に新入りの1年生たちだけで、集まっていたところだった。
「え、えぇ、まぁなんとか」
彼らは顔を見合わせ、恐る恐る口を開く。
じっとりとした視線が、俺に集中していた。
「そっか。ちょっと心配になって、見にきてみただけなんだ。上手くいってる?」
倉庫の中は綺麗に片付けられ、鞄や荷物、工具や作業に必要な道具は、専用の棚に収められていた。
どこからかもらってきたのであろう、ぼろぼろの机の上には、お菓子や雑誌、漫画なんかも転がっている。
すっかり居心地のいい、自分たちのたまり場を完成させているようだった。
俺は中へと足を踏み入れる。
「へぇ、もう試作機が出来てるの? すごいね」
マシン自体は、大きなものじゃない。
企画書を見たので、大体の設計は分かる。
1年の一人が、さっとそれを持ちあげた。
「いえ、まだ、動かしたことはなので」
腕に抱え込むようにして、俺の目から隠す。
心の中で、ため息をついた。
別に敵情視察に来たわけじゃない。
本当に、単純に、ただ様子が気になって、来ただけだったのに。
そのすぐ隣には、公式サイズの的が置いてあった。
俺はその前にしゃがみこむ。
「これは動くの?」
出ていた的の一つに指で触れたら、それはぽとりと外れて、箱の中に落ち込んだ。
「まだちゃんと出来てないので、触らないで下さい」
「あ、ごめんね」
慌てて両手を背後に回す。
ほとんど顔を合わせたこともない、話したこともない彼らと、どう接していいのかが分からない。
そっか、俺が自分一人でロボコンに参加するって決めたことを、みんな知っているんだったっけ。
だったら俺は、やっぱり敵じゃないか。
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