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第29章
第1話
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公式ルールブックによると、的はアットランダムにでてくるようだ。
つまり、5つある的のうち、何がどの順番で出てくるのかは分からない。
これで知識と技術のあるヤツだったなら、それをセンサーで読み取って、あらかじめマシンの位置を固定しておき、瞬時に計算させ、セットしておいた角度に照準を合わせ、発射するプログラムなんてのを考えたりするんだろうけど、残念ながら今の俺に、そんな能力はない。
自分で出来ること。
それだけで最善を尽くすことが、精一杯だ。
上段2つの的は、もう捨てる。
下段の3つにかける。
その3つの的の、全ての出現位置に向かって、的が出ていようが出ていなかろうが、連続で規則正しく撃ち続けてやろうかとも思ったけど、それではさすがに、効率が悪すぎた。
3秒出現、1秒待機という4秒周期で的が出現し、120秒でちょうど30回、球数30発だ。
時間と球数が制限されているなかで、そんなことをしても、一切の勝ち目はない。
満点が30点だとすると、失点の許されないルールになっている。
よく出来た仕組みだ。
マシンが間違えたら、失敗を積み重ねたら、その都度負けが確定していく。
つまり、そうなることは、許されないのだ。
そんなルールに従って、だけど俺は、勝てる方法を探さなくてはならない。
銀色に光る小さなマシン。
こいつだって、規格に収まらないと、どれだけ高性能を誇ったところで、認められはしないんだ。
「まずは、足回りからだったよな」
俺の夏休み前の記憶が蘇る。
俺はあの時、頑張るって誓ったんだ。
そうだよな、相棒。
誰もいない、快適な理科室で、マシンは何にも言わないけれど、にっと笑ってくれたような気がした。
つまり、5つある的のうち、何がどの順番で出てくるのかは分からない。
これで知識と技術のあるヤツだったなら、それをセンサーで読み取って、あらかじめマシンの位置を固定しておき、瞬時に計算させ、セットしておいた角度に照準を合わせ、発射するプログラムなんてのを考えたりするんだろうけど、残念ながら今の俺に、そんな能力はない。
自分で出来ること。
それだけで最善を尽くすことが、精一杯だ。
上段2つの的は、もう捨てる。
下段の3つにかける。
その3つの的の、全ての出現位置に向かって、的が出ていようが出ていなかろうが、連続で規則正しく撃ち続けてやろうかとも思ったけど、それではさすがに、効率が悪すぎた。
3秒出現、1秒待機という4秒周期で的が出現し、120秒でちょうど30回、球数30発だ。
時間と球数が制限されているなかで、そんなことをしても、一切の勝ち目はない。
満点が30点だとすると、失点の許されないルールになっている。
よく出来た仕組みだ。
マシンが間違えたら、失敗を積み重ねたら、その都度負けが確定していく。
つまり、そうなることは、許されないのだ。
そんなルールに従って、だけど俺は、勝てる方法を探さなくてはならない。
銀色に光る小さなマシン。
こいつだって、規格に収まらないと、どれだけ高性能を誇ったところで、認められはしないんだ。
「まずは、足回りからだったよな」
俺の夏休み前の記憶が蘇る。
俺はあの時、頑張るって誓ったんだ。
そうだよな、相棒。
誰もいない、快適な理科室で、マシンは何にも言わないけれど、にっと笑ってくれたような気がした。
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