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25 何言ってんのこいつ
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次々と反逆した騎士たちを取り押さえるルーカス。
ルーカスが呆然と立ち尽くしている騎士たちに向かって叫んだ。
「加勢してくれ!」
ルーカスの言葉に我に帰った騎士たちは次々と反逆した騎士を取り押さえにかかる。
数分後には反逆した騎士は全員捕縛された。
けれどもステージには「捕まってよかったね」という空気は流れていなかった。
皆、騎士団長のルーカスを見ていた。
「これは、どういうことだ」
国王が口火を切った。
重々しく、落ち着いた声色で少し優しさも感じる。
しかし、ルーカスを見る目は冷たかった。
ルーカスが何かを言おうと口を開いた瞬間、男が大きな声をあげた。
「ルーカスの陰謀です!」
声をあげたのはルーカスではなくラウドーリだった。
そしてうやうやしく礼をし、国王の目の前に跪く。
「私から説明をさせていただいても、よろしいですか?」
そう尋ねたもののラウドーリは話す気満々で自信ありげな笑みを浮かべていた。
「許そう」
国王の一言に満足したのかラウドーリは両手を広げ、喋り出した。
「ルーカスは私の義理の兄なのですが、非常に傲慢で……」
「簡潔に話せ」
ラウドーリは国王の言葉に少し機嫌を損ねたが気を取り直し、声を張り上げた。
「私の兄、ルーカスは王家への反逆を計画し、騎士たちをたぶらかしてこのような事件を起こしたのです!」
根も葉もない話を次々と喋る彼を見たセリーヌは呆気にとられて言葉を失った。
何言ってんの、こいつ。
ルーカスを慕っている誰もがそう思った。
ユールたち騎士は冷めた視線をラウドーリに向けている。
そんなブリザードのような視線に気づかず、ラウドーリは喋り続けている。
「そもそもの話なのですが、ルーカスは……」
「もうよい」
「しかし、まだ話が……」
「もうよいと言っている!」
国王の一喝でラウドーリはやっと黙った。
「連れて行け」
静かな一言。
ラウドーリが微かに笑う。
「騎士団長は反逆などを犯すようなような方ではありません!」
ユールが必死に抗議する。
他の騎士たちもそれに続く。
「ラウドーリを連れて行けと言っているのだ」
国王の言葉にラウドーリの目が見開かれる。
「どうしてなのですか!?」
「先程の鎮圧に一番に貢献したのはルーカス騎士団長だ」
「なら、マルクとかいう奴でしょう!孤児院に送るためのライ麦を魔毒で侵したのですから!」
その一言にルーカスが横槍をいれた。
「孤児院の件は、一部の人間にしか知り得ない情報ですが」
ラウドーリの額から一気に汗が噴き出す。
「お前の屋敷の使用人から聞いたんだ!」
「それに、ライ麦を贈ったことは使用人にも伝えてはいません。穀物、とだけ言いました」
ラウドーリの顔が真っ赤になり、歪んだ。
「黙れええええええええ!!!!」
近くにあった剣をルーカスに向け、突進する。
ルーカスはその剣をくるっと返し、持つ手が緩んだところで剣を奪い、鳩尾に柄を当てた。
ラウドーリはぐふっと声を漏らし、崩れ落ちた。
一部始終を見たイリーナはぼそっと呟いた。
「あの銀髪の人、やっぱあんまりイケメンじゃなかったかも……」
ルーカスが呆然と立ち尽くしている騎士たちに向かって叫んだ。
「加勢してくれ!」
ルーカスの言葉に我に帰った騎士たちは次々と反逆した騎士を取り押さえにかかる。
数分後には反逆した騎士は全員捕縛された。
けれどもステージには「捕まってよかったね」という空気は流れていなかった。
皆、騎士団長のルーカスを見ていた。
「これは、どういうことだ」
国王が口火を切った。
重々しく、落ち着いた声色で少し優しさも感じる。
しかし、ルーカスを見る目は冷たかった。
ルーカスが何かを言おうと口を開いた瞬間、男が大きな声をあげた。
「ルーカスの陰謀です!」
声をあげたのはルーカスではなくラウドーリだった。
そしてうやうやしく礼をし、国王の目の前に跪く。
「私から説明をさせていただいても、よろしいですか?」
そう尋ねたもののラウドーリは話す気満々で自信ありげな笑みを浮かべていた。
「許そう」
国王の一言に満足したのかラウドーリは両手を広げ、喋り出した。
「ルーカスは私の義理の兄なのですが、非常に傲慢で……」
「簡潔に話せ」
ラウドーリは国王の言葉に少し機嫌を損ねたが気を取り直し、声を張り上げた。
「私の兄、ルーカスは王家への反逆を計画し、騎士たちをたぶらかしてこのような事件を起こしたのです!」
根も葉もない話を次々と喋る彼を見たセリーヌは呆気にとられて言葉を失った。
何言ってんの、こいつ。
ルーカスを慕っている誰もがそう思った。
ユールたち騎士は冷めた視線をラウドーリに向けている。
そんなブリザードのような視線に気づかず、ラウドーリは喋り続けている。
「そもそもの話なのですが、ルーカスは……」
「もうよい」
「しかし、まだ話が……」
「もうよいと言っている!」
国王の一喝でラウドーリはやっと黙った。
「連れて行け」
静かな一言。
ラウドーリが微かに笑う。
「騎士団長は反逆などを犯すようなような方ではありません!」
ユールが必死に抗議する。
他の騎士たちもそれに続く。
「ラウドーリを連れて行けと言っているのだ」
国王の言葉にラウドーリの目が見開かれる。
「どうしてなのですか!?」
「先程の鎮圧に一番に貢献したのはルーカス騎士団長だ」
「なら、マルクとかいう奴でしょう!孤児院に送るためのライ麦を魔毒で侵したのですから!」
その一言にルーカスが横槍をいれた。
「孤児院の件は、一部の人間にしか知り得ない情報ですが」
ラウドーリの額から一気に汗が噴き出す。
「お前の屋敷の使用人から聞いたんだ!」
「それに、ライ麦を贈ったことは使用人にも伝えてはいません。穀物、とだけ言いました」
ラウドーリの顔が真っ赤になり、歪んだ。
「黙れええええええええ!!!!」
近くにあった剣をルーカスに向け、突進する。
ルーカスはその剣をくるっと返し、持つ手が緩んだところで剣を奪い、鳩尾に柄を当てた。
ラウドーリはぐふっと声を漏らし、崩れ落ちた。
一部始終を見たイリーナはぼそっと呟いた。
「あの銀髪の人、やっぱあんまりイケメンじゃなかったかも……」
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