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14 返事
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エリオットを薔薇園に呼び出した。
今は四月なので、五月には学院を卒業することになる。
月日が経つのは早いものね、なんて緊張のせいかどうでもいいことを考えてしまう。
「お待たせして、申し訳ありません」
エリオットが駆け寄ってくる。
「今は執事じゃなくていいわ」
私の一言にエリオットの顔が綻ぶ。
「アリシア。待たせて、ごめん」
「それでいいわ」
いつも通り、いつも通りにするのよ。
心臓がどくどくと脈打つ。
「あの、昨日のこと、なんだけど」
エリオットは何も言わず、顔を真っ赤にしている。
「私……」
「待って」
言葉を遮られ、両手で口を塞がれる。
「昨日の件は…忘れて、下さい」
何よそれ、無かったことにするつもり?
エリオットの顔を見る。
エリオットは顔を真っ赤にしながら、唇を噛んでいた。
エリオットは、怖いんだ。
自分の気持ちを伝えたはいいけれど、何をすればいいのかわからないんだ。
エリオットの両手を引き剥がす。
「あのねえ、過度なスキンシップは婚約してからにしてくれる?」
「えっ……」
「貴方も兄様も多いのよ。無駄なスキンシップが」
エリオットはまだ状況を上手く読み込めていないようだ。
一人であたふたしている。
彼の頬に手を置き、顔に近づけて額同士をコツンとぶつける。
「私も、貴方が好き」
エリオットの瞳に無数の星が映った。
綺麗。
「おめでとうございます!二人とも!!」
シャーロッテは笑顔で手をパチパチと鳴らしている。
その横では不機嫌そうにしている兄様。
私とエリオットは俯き、同じソファに座っていた。
なんだか恥ずかしいわ。
そわそわする。
「リア、エリオットと婚約するのか」
「気持ちが通じ合ったのですから、そうするつもりですけど」
兄様が鋭い視線をエリオットに投げかける。
エリオットは男爵家の長男で、かなりの功績を上げている。
アランに婚約破棄された今、私たちを止めるものは何もない。
はっきりと婚約を意思表示したからか、横ではエリオットが顔を真っ赤にしている。
「リアああああ。婚約しないでええええ。もう兄様と結婚しよおお」
半べそをかきながら抱きついてくる。
それをさりげなく避ける。
シャーロッテに勇気をもらった。
お礼を言わないと。
「ロッテ、相談に乗ってくれてありがとう」
「いえ!私はアリシアの一番の親友ですから、当然です!」
満面の笑みを浮かべるシャーロッテ。
しかし、それにはエリオットへの「アリシア泣かしたら殴る」という思いがこもっている。
「アリシア、少しいいですか」
エリオットが立ち上がる。
そして私の方を向いて、跪いた。
「アリシア・アンリエッタ侯爵令嬢、私と婚約していただけますか」
婚約指輪を差し出された。
薔薇の花が型取られたガーネットの指輪だ。
思わず、微笑みを浮かべる。
貴方、薔薇の花が本当に好きなのね。
「はい。喜んで!」
アリシアは花が咲いたような笑みを浮かべ、指輪を受け取った。
今は四月なので、五月には学院を卒業することになる。
月日が経つのは早いものね、なんて緊張のせいかどうでもいいことを考えてしまう。
「お待たせして、申し訳ありません」
エリオットが駆け寄ってくる。
「今は執事じゃなくていいわ」
私の一言にエリオットの顔が綻ぶ。
「アリシア。待たせて、ごめん」
「それでいいわ」
いつも通り、いつも通りにするのよ。
心臓がどくどくと脈打つ。
「あの、昨日のこと、なんだけど」
エリオットは何も言わず、顔を真っ赤にしている。
「私……」
「待って」
言葉を遮られ、両手で口を塞がれる。
「昨日の件は…忘れて、下さい」
何よそれ、無かったことにするつもり?
エリオットの顔を見る。
エリオットは顔を真っ赤にしながら、唇を噛んでいた。
エリオットは、怖いんだ。
自分の気持ちを伝えたはいいけれど、何をすればいいのかわからないんだ。
エリオットの両手を引き剥がす。
「あのねえ、過度なスキンシップは婚約してからにしてくれる?」
「えっ……」
「貴方も兄様も多いのよ。無駄なスキンシップが」
エリオットはまだ状況を上手く読み込めていないようだ。
一人であたふたしている。
彼の頬に手を置き、顔に近づけて額同士をコツンとぶつける。
「私も、貴方が好き」
エリオットの瞳に無数の星が映った。
綺麗。
「おめでとうございます!二人とも!!」
シャーロッテは笑顔で手をパチパチと鳴らしている。
その横では不機嫌そうにしている兄様。
私とエリオットは俯き、同じソファに座っていた。
なんだか恥ずかしいわ。
そわそわする。
「リア、エリオットと婚約するのか」
「気持ちが通じ合ったのですから、そうするつもりですけど」
兄様が鋭い視線をエリオットに投げかける。
エリオットは男爵家の長男で、かなりの功績を上げている。
アランに婚約破棄された今、私たちを止めるものは何もない。
はっきりと婚約を意思表示したからか、横ではエリオットが顔を真っ赤にしている。
「リアああああ。婚約しないでええええ。もう兄様と結婚しよおお」
半べそをかきながら抱きついてくる。
それをさりげなく避ける。
シャーロッテに勇気をもらった。
お礼を言わないと。
「ロッテ、相談に乗ってくれてありがとう」
「いえ!私はアリシアの一番の親友ですから、当然です!」
満面の笑みを浮かべるシャーロッテ。
しかし、それにはエリオットへの「アリシア泣かしたら殴る」という思いがこもっている。
「アリシア、少しいいですか」
エリオットが立ち上がる。
そして私の方を向いて、跪いた。
「アリシア・アンリエッタ侯爵令嬢、私と婚約していただけますか」
婚約指輪を差し出された。
薔薇の花が型取られたガーネットの指輪だ。
思わず、微笑みを浮かべる。
貴方、薔薇の花が本当に好きなのね。
「はい。喜んで!」
アリシアは花が咲いたような笑みを浮かべ、指輪を受け取った。
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