29 / 34
生産しました1
しおりを挟む
特殊エリア攻略開始から3日目に、私のレベルが40を超えた。信じられない高速レベルアップだ。
階層はずっと地下1階のまま。各階を進む前にフロアボスを倒さなければならず、それには、ボスと同レベル以上必要らしい。
3日攻略を続けて、1日休みとなった。
攻略以外にも、皆にはやらないといけないことがあるみたいだ。
特に王太子の英人君は、王様が呪いで臥せっている間、実質国のトップになる。英人君と悠真君は、王城内の問題にも対処しないといけなかった。
ラビリオ君は3日に1日お店を開けることにした。販売に人を雇う案もあったけど、彼は納得の行くお客さんに売るというこだわりが強いから、攻略が終わるまで、店は不定期営業となる。
最初の休み、私はラビリオ君と共同で作る服の相談をした。
「ダンジョンで戦いながら、服のことをいろいろ考えていたぞ」
ウサギさん、戦いながら考え事する余裕まであったらしい。
「そうなんだ。私もアイディアというか、良い素材が手に入ったんだよね」
私はアイテムボックスからキラキラ光る糸の束を取り出した。
「私が裁縫するって言ったら、英人君がくれたんだ」
悪魔のダンジョンで出た蜘蛛型の魔物がドロップしたそうだ。悪魔のダンジョンは攻略されて消滅したから、もう手に入らないレアものだ。
「おお、良いものだな。かなり強力な防具が作れるぞ! これなら、販売用にするより、レナとユウマの装備を作った方がいいんじゃないか?」
「ああ、そうかも」
レイナの持っていた装備はレベル21用のものだから、急速にレベルの上がった今は物足りなくなっていた。王宮の宝物庫から使えそうなものを借りているけど、50ダンジョンのドロップ素材なら、それより良いものが作れる。
「なら、さっそくデザイン画を描くぞ」
ラビリオ君はクレヨンみたいな筆記具を手にすごい速さでデザイン画を描いていった。何枚も出来上がるイラストを見ていく。
「ドレス可愛いけど、足を完全に隠す丈は、ダンジョン探索には向かないね」
ラビリオ君は思いついたものを全部描いているみたいだ。PTOに合わないものは除外していく。
「うーん、これをもうちょっと変えてみて……」
ラビリオ君のイラストを見ながら私も描いてみた。
フード付きのローブだったものをだぼっとしたワンピースにフードがついた形に変えてみた。
「こんな感じが好きかなー」
自分用に作るなら、好きなデザインにしたい。
「良いと思うぞ。素材との相性はどうだ?」
「そうだね。蜘蛛型魔物の糸はシルクに近いから、光沢が出すぎるね。綿みたいな素材を混ぜたい。そうだ……」
私は特殊エリア1階でドロップした装備を取り出した。
雑魚モンスターの装備ドロップ率はとても低い。出たのはパーティーの誰も使えないジョブの服だけだった。
「これを解体して糸だけ使おう」
「いい考えだな。ユウマの方はどうする? オレはこいつが良いと思うぞ」
ラビリオ君が出してきたのは、魔法少女みたいなドレス。下にショートパンツをはくデザインなのが救いか。
「レースをたくさん使って、宝石もいっぱい埋め込むぞ」
「うん。あのね、ユウマ君は男の子……」
「それが何か問題あるのか?」
つぶらな瞳でラビリオ君が私を見る。
そうだね。もう、私がどうこう言うより、ご本人に完成品を渡して判断してもらう方がいいか。
私たちはすぐに制作を開始して、手早く作業を進めていった。
装備はレベルに合ったものの方が効果が高い。
レベル上げスピードが速いので、急いで用意しないと、レベルが上がりすぎて使えなくなってしまう。
「じゃあ、生地を2種類作るね」
いつもの裏庭の作業場に生産道具を出して布を織る。
生地が出来たらラビリオ君のデザイン画に従って形にしていった。
地球でリアルには1度もやったことのない作業だけど、ゲームスキルと同じ、魔法のように仕上がっていく。こんなの本来なら1日で完成させるの無理だよね。
土台を作るとラビリオ君に渡し、装飾を入れてもらう。
私のは小さなビーズと刺繍糸で飾られたフード付きワンピース、悠真くんのは胸元やベルトのリボンに大きな宝石が縫い付けられたドレスに仕上げられていった。
「ついに完成したぞ」
ご機嫌なウサギさんに手渡された服を装備する。
ステータスを確認すると、一気に上がっていた。装備効果がたくさんついたみたいだ。
「じゃあ、悠真君にも届けてくるね」
お城で仕事をしている悠真君にもさっそく持って行くことにした。
2人で宮殿に向かう。
通行証として王家の紋章が入った宝石細工のペンダントをもらっていたので、自由に出入りできた。
やっぱ、フードがあると便利だなぁ。
顔を見られるとトラブルのおそれがある公爵令嬢と同じ外見だから、フード装備が欲しかったんだ。
新しいフードを深くかぶって、私は悠真君のいる執務室を目指した。
階層はずっと地下1階のまま。各階を進む前にフロアボスを倒さなければならず、それには、ボスと同レベル以上必要らしい。
3日攻略を続けて、1日休みとなった。
攻略以外にも、皆にはやらないといけないことがあるみたいだ。
特に王太子の英人君は、王様が呪いで臥せっている間、実質国のトップになる。英人君と悠真君は、王城内の問題にも対処しないといけなかった。
ラビリオ君は3日に1日お店を開けることにした。販売に人を雇う案もあったけど、彼は納得の行くお客さんに売るというこだわりが強いから、攻略が終わるまで、店は不定期営業となる。
最初の休み、私はラビリオ君と共同で作る服の相談をした。
「ダンジョンで戦いながら、服のことをいろいろ考えていたぞ」
ウサギさん、戦いながら考え事する余裕まであったらしい。
「そうなんだ。私もアイディアというか、良い素材が手に入ったんだよね」
私はアイテムボックスからキラキラ光る糸の束を取り出した。
「私が裁縫するって言ったら、英人君がくれたんだ」
悪魔のダンジョンで出た蜘蛛型の魔物がドロップしたそうだ。悪魔のダンジョンは攻略されて消滅したから、もう手に入らないレアものだ。
「おお、良いものだな。かなり強力な防具が作れるぞ! これなら、販売用にするより、レナとユウマの装備を作った方がいいんじゃないか?」
「ああ、そうかも」
レイナの持っていた装備はレベル21用のものだから、急速にレベルの上がった今は物足りなくなっていた。王宮の宝物庫から使えそうなものを借りているけど、50ダンジョンのドロップ素材なら、それより良いものが作れる。
「なら、さっそくデザイン画を描くぞ」
ラビリオ君はクレヨンみたいな筆記具を手にすごい速さでデザイン画を描いていった。何枚も出来上がるイラストを見ていく。
「ドレス可愛いけど、足を完全に隠す丈は、ダンジョン探索には向かないね」
ラビリオ君は思いついたものを全部描いているみたいだ。PTOに合わないものは除外していく。
「うーん、これをもうちょっと変えてみて……」
ラビリオ君のイラストを見ながら私も描いてみた。
フード付きのローブだったものをだぼっとしたワンピースにフードがついた形に変えてみた。
「こんな感じが好きかなー」
自分用に作るなら、好きなデザインにしたい。
「良いと思うぞ。素材との相性はどうだ?」
「そうだね。蜘蛛型魔物の糸はシルクに近いから、光沢が出すぎるね。綿みたいな素材を混ぜたい。そうだ……」
私は特殊エリア1階でドロップした装備を取り出した。
雑魚モンスターの装備ドロップ率はとても低い。出たのはパーティーの誰も使えないジョブの服だけだった。
「これを解体して糸だけ使おう」
「いい考えだな。ユウマの方はどうする? オレはこいつが良いと思うぞ」
ラビリオ君が出してきたのは、魔法少女みたいなドレス。下にショートパンツをはくデザインなのが救いか。
「レースをたくさん使って、宝石もいっぱい埋め込むぞ」
「うん。あのね、ユウマ君は男の子……」
「それが何か問題あるのか?」
つぶらな瞳でラビリオ君が私を見る。
そうだね。もう、私がどうこう言うより、ご本人に完成品を渡して判断してもらう方がいいか。
私たちはすぐに制作を開始して、手早く作業を進めていった。
装備はレベルに合ったものの方が効果が高い。
レベル上げスピードが速いので、急いで用意しないと、レベルが上がりすぎて使えなくなってしまう。
「じゃあ、生地を2種類作るね」
いつもの裏庭の作業場に生産道具を出して布を織る。
生地が出来たらラビリオ君のデザイン画に従って形にしていった。
地球でリアルには1度もやったことのない作業だけど、ゲームスキルと同じ、魔法のように仕上がっていく。こんなの本来なら1日で完成させるの無理だよね。
土台を作るとラビリオ君に渡し、装飾を入れてもらう。
私のは小さなビーズと刺繍糸で飾られたフード付きワンピース、悠真くんのは胸元やベルトのリボンに大きな宝石が縫い付けられたドレスに仕上げられていった。
「ついに完成したぞ」
ご機嫌なウサギさんに手渡された服を装備する。
ステータスを確認すると、一気に上がっていた。装備効果がたくさんついたみたいだ。
「じゃあ、悠真君にも届けてくるね」
お城で仕事をしている悠真君にもさっそく持って行くことにした。
2人で宮殿に向かう。
通行証として王家の紋章が入った宝石細工のペンダントをもらっていたので、自由に出入りできた。
やっぱ、フードがあると便利だなぁ。
顔を見られるとトラブルのおそれがある公爵令嬢と同じ外見だから、フード装備が欲しかったんだ。
新しいフードを深くかぶって、私は悠真君のいる執務室を目指した。
3
あなたにおすすめの小説
俺が悪役令嬢になって汚名を返上するまで (旧タイトル・男版 乙女ゲーの悪役令嬢になったよくある話)
南野海風
ファンタジー
気がついたら、俺は乙女ゲーの悪役令嬢になってました。
こいつは悪役令嬢らしく皆に嫌われ、周囲に味方はほぼいません。
完全没落まで一年という短い期間しか残っていません。
この無理ゲーの攻略方法を、誰か教えてください。
ライトオタクを自認する高校生男子・弓原陽が辿る、悪役令嬢としての一年間。
彼は令嬢の身体を得て、この世界で何を考え、何を為すのか……彼の乙女ゲーム攻略が始まる。
※書籍化に伴いダイジェスト化しております。ご了承ください。(旧タイトル・男版 乙女ゲーの悪役令嬢になったよくある話)
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
鍵の王~才能を奪うスキルを持って生まれた僕は才能を与える王族の王子だったので、裏から国を支配しようと思います~
真心糸
ファンタジー
【あらすじ】
ジュナリュシア・キーブレスは、キーブレス王国の第十七王子として生を受けた。
キーブレス王国は、スキル至上主義を掲げており、高ランクのスキルを持つ者が権力を持ち、低ランクの者はゴミのように虐げられる国だった。そして、ジュナの一族であるキーブレス王家は、魔法などのスキルを他人に授与することができる特殊能力者の一族で、ジュナも同様の能力が発現することが期待された。
しかし、スキル鑑定式の日、ジュナが鑑定士に言い渡された能力は《スキル無し》。これと同じ日に第五王女ピアーチェスに言い渡された能力は《Eランクのギフトキー》。
つまり、スキル至上主義のキーブレス王国では、死刑宣告にも等しい鑑定結果であった。他の王子たちは、Cランク以上のギフトキーを所持していることもあり、ジュナとピアーチェスはひどい差別を受けることになる。
お互いに近い境遇ということもあり、身を寄せ合うようになる2人。すぐに仲良くなった2人だったが、ある日、別の兄弟から命を狙われる事件が起き、窮地に立たされたジュナは、隠された能力《他人からスキルを奪う能力》が覚醒する。
この事件をきっかけに、ジュナは考えを改めた。この国で自分と姉が生きていくには、クズな王族たちからスキルを奪って裏から国を支配するしかない、と。
これは、スキル至上主義の王国で、自分たちが生き延びるために闇組織を結成し、裏から王国を支配していく物語。
【他サイトでの掲載状況】
本作は、カクヨム様、小説家になろう様、ノベルアップ+様でも掲載しています。
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
『レベルMAXの引退生活』 〜追放先でダラダラしていたら、いつの間にか世界最強の聖域になっていました〜
小林 れい
ファンタジー
「働いたら負け」と言って追放された最強聖女、成層圏で究極のニート生活を極める 〜神々がパシリで、寝顔が世界平和の象徴です〜
「お願いだから、私を一生寝かせておいて」
前世でブラック企業の社畜として命を削ったヒロイン・ユラリア。異世界に転生し、国を救う「聖女」として崇められるも、彼女の願いはただ一つ――「もう一歩も動きたくない」。
しかし、婚約者の第一王子からは「働かない聖女など不要だ!」と無情な婚約破棄と国外追放を言い渡されてしまう。 「え、いいんですか? 本当に休んでいいんですね!?」
喜びに震えながら、ユラリアは人類未踏の死の荒野へと引きこもる。だが、彼女の「怠惰」を極めるための魔力は、いつしか世界の理(ことわり)さえも書き換えていった。
神龍王を巨大な「日除け」に。
料理の神を「おやつ担当の給食係」に。
妖精王を「全自動美容マシーン」に。
「面倒くさい」を原動力に開発された魔導家電や、異世界の娯楽(ゲーム)。挙句の果てには、地上を離れ、邸宅ごと空へと浮かび上がる!
地上の元婚約者が、聖女を失った王国の没落に泣きつこうとも、成層圏に住む彼女には豆粒ほどにも見えない。 神々さえもパシリにする史上最強のニート聖女が、夢の中でも二度寝を楽しむ、贅沢すぎる究極の休日が今、始まる!
たとえば勇者パーティを追放された少年が宿屋の未亡人達に恋するような物語
石のやっさん
ファンタジー
主人公のリヒトは勇者パーティを追放されるが別に気にも留めていなかった。
ハーレムパーティ状態だったので元から時期が来たら自分から出て行く予定だったし、三人の幼馴染は確かに可愛いが、リヒトにとって恋愛対象にどうしても見られなかったからだ。
だから、ただ見せつけられても困るだけだった。
何故ならリヒトの好きなタイプの女性は…大人の女性だったから。
この作品の主人公は転生者ですが、精神的に大人なだけでチートは知識も含んでありません。
勿論ヒロインもチートはありません。
他のライトノベルや漫画じゃ主人公にはなれない、背景に居るような主人公やヒロインが、楽しく暮すような話です。
1~2話は何時もの使いまわし。
リクエスト作品です。
今回は他作品もありますので亀更新になるかも知れません。
※ つい調子にのって4作同時に書き始めてしまいました。
政治家の娘が悪役令嬢転生 ~前パパの教えで異世界政治をぶっ壊させていただきますわ~
巫叶月良成
ファンタジー
政治家の娘として生まれ、父から様々なことを学んだ少女が異世界の悪徳政治をぶった切る!?
////////////////////////////////////////////////////
悪役令嬢に転生させられた琴音は政治家の娘。
しかしテンプレも何もわからないまま放り出された悪役令嬢の世界で、しかもすでに婚約破棄から令嬢が暗殺された後のお話。
琴音は前世の父親の教えをもとに、口先と策謀で相手を騙し、男を篭絡しながら自分を陥れた相手に復讐し、歪んだ王国の政治ゲームを支配しようという一大謀略劇!
※魔法とかゲーム的要素はありません。恋愛要素、バトル要素も薄め……?
※注意:作者が悪役令嬢知識ほぼゼロで書いてます。こんなの悪役令嬢ものじゃねぇという内容かもしれませんが、ご留意ください。
※あくまでこの物語はフィクションです。政治家が全部そういう思考回路とかいうわけではないのでこちらもご留意を。
隔日くらいに更新出来たらいいな、の更新です。のんびりお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる