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ラヴェンナ様
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王都にあるルクソール家の邸宅は、人口密度の高い都市内にあるとは思えないほど広々とした敷地を持っていた。さすが王国最上位貴族だ。
屋敷の中は……、何ていうか、ハイセンス? 王宮の方が重厚感はあるんだけど、何か、ルクソール邸は今どきの素敵がつまっている感じだ。当主のルクソール公爵は近年領地から出ていなくて、王都のルクソール家を支配しているのは嫡子のラヴェンナ様。この方、かなりのやり手だ。
ラヴェンナ様は妹の王太子妃様のドレスや調度品をすべて手配されていることで有名だ。これが見事なものばかりで、評判になっている。
似たものを欲しがる貴族が多いことから、彼は事業を興し、様々な流行を作って短期間で自分の商会を急成長させている。そのお金はラヴェンナ様のポケットマネーになるそうで、動かせる貨幣としては、領地のご当主よりラヴェンナ様の方が持っていそうなくらいだ。
公爵邸を歩く私は、ラヴェンナ様の商会の系列のお店で購入したパステルカラーのライトグリーンのドレスを着用していた。愛人候補って名目で行く場合、決まった服装のルールはない。でも、相手を考えると、これから私の着るものはルクソール家のお店で揃えたほうが良いと思う。
ただ、これが全く似合ってないんだよなぁ。
一応流行の最先端で、可愛らしい女の子が着たらとても合いそうなんだけど、骨格のがっしりとした私のゴリラ感を際立たせてくれる。それに、体格だけじゃなくて、私の赤い髪、血のような赤というか、綺麗な色じゃないんだよね。グリーン系は補色になって髪を黒っぽく見せてくれるから好きなんだけど、パステルグリーンは何か間違えた気がする。
時刻は昼下がり、ラヴェンナ様の執務室に通された。彼の今日の仕事はだいたい終わったとうかがっている。
部屋に入ると、ラヴェンナ様は私を見て一瞬複雑そうな表情をして、それからすぐににこやかに笑って迎え入れてくださった。
その一瞬の表情がめっちゃ怖いんですけど……。
表情が変わったのはその1回だけで、後はとってもマイルドな感じで応対してくださった。
でも、王太子殿下とは違う怖さがあるよなぁ。何考えてらっしゃるんだろう。
「では、ちょっと外出しましょうか。初デートですね」
ニコニコしてお誘いくださる。どうなっちゃうんだろう。
屋敷の中は……、何ていうか、ハイセンス? 王宮の方が重厚感はあるんだけど、何か、ルクソール邸は今どきの素敵がつまっている感じだ。当主のルクソール公爵は近年領地から出ていなくて、王都のルクソール家を支配しているのは嫡子のラヴェンナ様。この方、かなりのやり手だ。
ラヴェンナ様は妹の王太子妃様のドレスや調度品をすべて手配されていることで有名だ。これが見事なものばかりで、評判になっている。
似たものを欲しがる貴族が多いことから、彼は事業を興し、様々な流行を作って短期間で自分の商会を急成長させている。そのお金はラヴェンナ様のポケットマネーになるそうで、動かせる貨幣としては、領地のご当主よりラヴェンナ様の方が持っていそうなくらいだ。
公爵邸を歩く私は、ラヴェンナ様の商会の系列のお店で購入したパステルカラーのライトグリーンのドレスを着用していた。愛人候補って名目で行く場合、決まった服装のルールはない。でも、相手を考えると、これから私の着るものはルクソール家のお店で揃えたほうが良いと思う。
ただ、これが全く似合ってないんだよなぁ。
一応流行の最先端で、可愛らしい女の子が着たらとても合いそうなんだけど、骨格のがっしりとした私のゴリラ感を際立たせてくれる。それに、体格だけじゃなくて、私の赤い髪、血のような赤というか、綺麗な色じゃないんだよね。グリーン系は補色になって髪を黒っぽく見せてくれるから好きなんだけど、パステルグリーンは何か間違えた気がする。
時刻は昼下がり、ラヴェンナ様の執務室に通された。彼の今日の仕事はだいたい終わったとうかがっている。
部屋に入ると、ラヴェンナ様は私を見て一瞬複雑そうな表情をして、それからすぐににこやかに笑って迎え入れてくださった。
その一瞬の表情がめっちゃ怖いんですけど……。
表情が変わったのはその1回だけで、後はとってもマイルドな感じで応対してくださった。
でも、王太子殿下とは違う怖さがあるよなぁ。何考えてらっしゃるんだろう。
「では、ちょっと外出しましょうか。初デートですね」
ニコニコしてお誘いくださる。どうなっちゃうんだろう。
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