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ネコ娘、しらす丼を食べる
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ジスゴロスの街に帰って、アタイたちは手に入れた2つのクーラーボックスをどうするか話し合った。
ギルド併設の喫茶スペース。提供されるのは、薄いコーヒーと水みたいなオレンジジュース。おかげさまで、たくさんあるテーブルに人影は少ない。
「クーラーボックスは、ダンジョンが閉じて、もう手に入らない。時間が経つほど値上がりするだろうね」
「でも、アタイたちで長期間、保管とかできないだろ」
3人ともズボラ女だ。
「面倒なこと考えずに、さっさと売るべきっスね」
ササミが早々に結論づける。だが、メリーは別の考えで、
「1つは売ろう。で、もう1つはアタシらで使わないか?」
「使う?」
「これがありゃ、内陸のジスゴロスにも魚とか持ってこれるだろ」
「ああ~、そりゃいいな!」
空間拡張のついたクーラーボックスがあれば、大量に魚を持って帰って、この街の知り合いとも楽しめる。
「それじゃあ、海辺まで魚を仕入れに行くか。どこの街に……」
パタン……
受付側のドアが開く音がして、ルイスが大きな張り紙を持って出てきた。
ちょっと前にも似たようなことがあったなぁ。
「また緊急依頼?」
ルイスに近づいて張り紙をのぞきこむ。
以前と同じレイアウトで、冒頭に大きく「急募」の文字があった。
「はい。新しいダンジョンが発生しました。場所は、南西部の海岸沿いです。少し距離がありますが、向こうは冒険者の少ない地域なので、ジスゴロスまで依頼が来たようです。お魚をドロップするダンジョンだそうですよ」
「マジ!?」
すごいナイスなタイミング。
クーラーボックスを活躍させるために生まれたみたいなダンジョンだった。
「僕も現地に行くので、一緒に美味しい魚を食べましょう」
「うん。いっぱい魚とるよ!」
ルイスもまたテントで何か販売するのかな。楽しみだな。
夜明け前から魔導バスに乗り、昼過ぎまで揺られると、目的のダンジョンに到着した。
現場では、すでにギルドがテントの設営を終えていた。
「いつも以上に気合が入っているんじゃないか?」
炭火の上に鉄板や網を置いた簡単なコンロがいくつも用意されている。ドロップした魚をその場で焼いて食べられるようだ。
アタイはギルドのテント周りをキョロキョロと見回して、ルイスを探した。
彼はいつも通り食べ物を販売するテントにいた。
「今回は、みなさんが持ってこられたお魚を捌きます」
「そっか。先にダンジョンで食材をとってこないと食べられないのか」
「別の冒険者さんが食べきらなかった分を置いていかれたので、出せますよ」
「それじゃあ、頼む」
ルイスはどんぶりにご飯を盛り、魚を盛り付けてすぐに出してくれた。
「生しらすとサワラ丼です。生しらすは1層の通常ドロップ、サワラは2層のレアです」
ダンジョンの各層で主にドロップするのは、1層が袋入りしらす、2層がアジ、3層がイカ・タコ、4層がエビ・カニ、5層が鯛。これと別に、各階層の一部分の敵だけが落とす魚介類やレアドロップもあって、種類は豊富らしい。
「はぐっ、はぐっ。何スか、これ。ありえん美味さ。酒は、酒は……!?」
ササミがどんぶりに顔を埋めながら何か言っている。
「酒はねーよ。ギルドの規定で、ダンジョン周辺での飲酒は禁止だろ」
「ご……拷問っス――!!!」
米粒をとばしながらササミが絶叫した。
まあ、今回のドロップには確かに酒が要るだろうよ。
「商人が来てるし、街でも魚が流通するだろ。酒は帰ってからのお楽しみだな」
「ぐ……、さっさと仕事おわらせて帰るっス!」
腹ごしらえが済むと、アタイたちはダンジョンに潜った。
ギルド併設の喫茶スペース。提供されるのは、薄いコーヒーと水みたいなオレンジジュース。おかげさまで、たくさんあるテーブルに人影は少ない。
「クーラーボックスは、ダンジョンが閉じて、もう手に入らない。時間が経つほど値上がりするだろうね」
「でも、アタイたちで長期間、保管とかできないだろ」
3人ともズボラ女だ。
「面倒なこと考えずに、さっさと売るべきっスね」
ササミが早々に結論づける。だが、メリーは別の考えで、
「1つは売ろう。で、もう1つはアタシらで使わないか?」
「使う?」
「これがありゃ、内陸のジスゴロスにも魚とか持ってこれるだろ」
「ああ~、そりゃいいな!」
空間拡張のついたクーラーボックスがあれば、大量に魚を持って帰って、この街の知り合いとも楽しめる。
「それじゃあ、海辺まで魚を仕入れに行くか。どこの街に……」
パタン……
受付側のドアが開く音がして、ルイスが大きな張り紙を持って出てきた。
ちょっと前にも似たようなことがあったなぁ。
「また緊急依頼?」
ルイスに近づいて張り紙をのぞきこむ。
以前と同じレイアウトで、冒頭に大きく「急募」の文字があった。
「はい。新しいダンジョンが発生しました。場所は、南西部の海岸沿いです。少し距離がありますが、向こうは冒険者の少ない地域なので、ジスゴロスまで依頼が来たようです。お魚をドロップするダンジョンだそうですよ」
「マジ!?」
すごいナイスなタイミング。
クーラーボックスを活躍させるために生まれたみたいなダンジョンだった。
「僕も現地に行くので、一緒に美味しい魚を食べましょう」
「うん。いっぱい魚とるよ!」
ルイスもまたテントで何か販売するのかな。楽しみだな。
夜明け前から魔導バスに乗り、昼過ぎまで揺られると、目的のダンジョンに到着した。
現場では、すでにギルドがテントの設営を終えていた。
「いつも以上に気合が入っているんじゃないか?」
炭火の上に鉄板や網を置いた簡単なコンロがいくつも用意されている。ドロップした魚をその場で焼いて食べられるようだ。
アタイはギルドのテント周りをキョロキョロと見回して、ルイスを探した。
彼はいつも通り食べ物を販売するテントにいた。
「今回は、みなさんが持ってこられたお魚を捌きます」
「そっか。先にダンジョンで食材をとってこないと食べられないのか」
「別の冒険者さんが食べきらなかった分を置いていかれたので、出せますよ」
「それじゃあ、頼む」
ルイスはどんぶりにご飯を盛り、魚を盛り付けてすぐに出してくれた。
「生しらすとサワラ丼です。生しらすは1層の通常ドロップ、サワラは2層のレアです」
ダンジョンの各層で主にドロップするのは、1層が袋入りしらす、2層がアジ、3層がイカ・タコ、4層がエビ・カニ、5層が鯛。これと別に、各階層の一部分の敵だけが落とす魚介類やレアドロップもあって、種類は豊富らしい。
「はぐっ、はぐっ。何スか、これ。ありえん美味さ。酒は、酒は……!?」
ササミがどんぶりに顔を埋めながら何か言っている。
「酒はねーよ。ギルドの規定で、ダンジョン周辺での飲酒は禁止だろ」
「ご……拷問っス――!!!」
米粒をとばしながらササミが絶叫した。
まあ、今回のドロップには確かに酒が要るだろうよ。
「商人が来てるし、街でも魚が流通するだろ。酒は帰ってからのお楽しみだな」
「ぐ……、さっさと仕事おわらせて帰るっス!」
腹ごしらえが済むと、アタイたちはダンジョンに潜った。
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