一番モテないヒロインに転生しましたが、なぜかモテてます

Teko

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高等部2年生

アリアとデート(エウロ編)1/2

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エウロ視点の話です。


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ついにアリアとデートの日がやって来たっ!!

この約束を取りつけるまで、本当に時間が掛かった。

過去に何度も何度も誘おうとした。
ところが、誘おうとすると途端に『出掛けよう』の5文字が言えなくなり、日常会話で終わってしまう。

男友達なら気軽に誘えるのに、アリアは誘えない。
男友達とは気軽に話せるのに、アリアは緊張する。


……はぁ、俺って情けない性格だったんだな。
緊張せずにアリアと話せた頃が懐かしい。

でも、アリアと話す時が一番楽しいし、テンションも上がる。
それは昔から変わらない。


しかも、今日の俺は一味も二味も違う!
事前にイメージトレーニングを何度も重ねた。

目標も3つ立てた!

1)初めてのデートで、チャンスがあれば(あわよくば)手を繋ぎたい。
2)テスタコーポでの告白は“演出”ではない事は伝えたが、きちんとアリアに気持ちを伝えたい。
3)(できれば)次のデートの約束をする。


俺は高等部1年生の時にマイヤと婚約を解消した。
小さい頃から婚約者がいた事もあってか、誰かから告白された事はない。

それでも分かりやすいアプローチをされた事はあった。
だけど、そもそも女性と話すのが得意じゃない俺は逃げるように避けてきた。

……だからだろうか。
アリアに告白するのはともかく、いつ返事をもらうのが妥当なのか分からない。
告白をした後、どうすればいいのか分からない。


アリアはきっと俺の事を幼なじみ、友人と思っている。

直接聞いた事はないが、嫌いではないはずだ。
どちらかというと好きなはずだ。

だけど、それは恋愛とかではない友人としての感情だろう。
……自分で思った事とはいえ、切ないな。

あまり考えたくないが、今日で振られる可能性もあるんだよな?
つまり、俺の恋愛は今日で始まり、今日で終わ……る?

……いや、いくらなんでも早すぎる!
これから俺の事を意識して、好きになってくれる可能性だってある! ……のか?

ライバル達は男の俺から見ても、顔も、中身もかっこいい。
勝ち目があるのか不安はあるが……きっと、勝算はあるはずだ!!


──よしっ!!

気合を入れ直すと、待ち合わせ時間よりも少し早めに寮を出る。

それにしても……マイヤが兄様を好きになった事には驚いた。
マイヤにはずっと悪い事をしたと思っていたから、驚いたけど嬉しかったな。

アリアから話を聞いてすぐ、サウロ兄様には『マイヤが助けてもらったお礼をしたいそうです。一緒に食事でもどうですか? と言っていました』と手紙を出しておいた。

さらに『マイヤが気にしていたので、会った方がいいと思います』と、兄様が断りにくい文章も追加しておいた。

兄様の性格は分かっている。
きっと兄様は、マイヤと一緒に出掛けるだろう。

上手くいくかは分からないけど、少しでも手助けできるといいな。

朝から色々な事を考えていた所為か、予定よりも30分早く待ち合わせ場所へと着いてしまった。

……どうしよう。落ち着かない。
そわそわしながら待っていると、遠くからアリアが歩いてくる姿が目に入った。


──来た!!

気づけば、アリアに向かって笑顔で手を振っている。
どうやら自分で思っていた以上に、今日を楽しみにしていたらしい。

目の前に立ったアリアと挨拶がてら言葉を交わす。

「ご、ごめんね。エウロ待った?」
「い、いや。全く、全然、待ってない! むしろ俺が早く着いたんだ!」

俺、かなり緊張してるな……。
そのまま2人で“ヴェント”に乗り込むと、ふいにアリアが口を開いた。

「エウロ……ネヴェサさんと話してみてどうだった?」

ネヴェサさん? 急にどうしたんだ??
……自分としてはわりと仲良くなったと思ってたんだけど、なぜか急に避けられるようになったんだよなぁ。

もしかすると、俺が何か失礼なことを言ってしまったのかもしれない。

どう説明すればいいのか迷い、アリアにはひとまずネヴェサさんからは協力を仰げない事を伝える。
話を聞いたアリアはそれ以上追及する事もなく、何事も無かったように話題を変えてくれた。

俺が単純だからか?
こういうさりげない優しさを知るたびに好きになっちゃうんだよなぁ。



それからしばらくして、俺たちは“イーブル”の広場に到着した。

決して広いとは言えないエリアに、沢山のお店がひしめき合っている。
すごい店の数だ。

「すごいな。お祭じゃなく……毎週末、この規模で開いてるんだろう?」
「うん、すごいよね」

同意するアリアの目もキラキラと輝いている。

アリアが嬉しそうだと、俺も嬉しい。
こういう気持ちも『なんかいいな』って思ってしまう。

そこで思い出したのは、今日やりたい事の1つとして掲げていた『手を繋ぐ』というミッション。

どのタイミングで、手を繋ぐべきか……。
腕を組みながら考え込んでいると、ふと《風の魔法》の本が目に入った。

「あっ、《風の魔法》についての本が置いてる。少し、このお店見てもいいか?」
「うん! 私は隣のお店を見てるね」

一旦別れて、それぞれが見たいもの見に行く。
《風の魔法》の本をいくつか手に取り、気になる物を選定しつつ、頭の隅では『どうやって手を繋ごうか』という考えが消えない。

いきなり手を握る?
……握った瞬間に手を離されたら、ショックで倒れそうだ。

それに許可を得ずに勝手に手を繋ぐのはよくないよな。
うん、よくない。

それなら『アリア、手を繋がないか?』と直接聞くべきか?
聞いてみて『嫌だ』と言われてもショックだ。

それにアリアを困らせるのもなぁ。

悩みつつ本を購入した後、右隣の店を見る。
アリアがいない……と思ったら、2つ隣の店にいた。

「──アリア!」

声を掛けると、アリアの表情が少しボーっとしているような……?
いや、見間違いか?

店を離れ、2人で広場を回りながらも、ずっと手を繋ぐタイミングをうかがう。
世の中の男性は、好きな人とどうやって手を繋いでるんだ?

参考がてら、周りを見渡してみる。

なんとなくだけど、腕を組んで歩いている人たちが多いのか。
でもなぁ……俺がアリアの腕を組む? のはおかしいよな。

どちらにしても、アリアに腕を組んでもらう……には、本人に言わないといけない。

その時、偶然(本当に偶然だ)アリアと手が触れ合った。

「ご、ごめんな」

勢いあまって手を離したけど、今のタイミングしかないんじゃないか!?

決意を固めると、思い切ってアリアの手をぎゅっと握る。

「……嫌だったら、離すから」

自分の顔と手が、どんどん熱くなっていくのが分かる。
恥ずかしさから、アリアの顔がまともに見れない。

アリアは手を離す事もせず、嫌がっている様子もない。

というか……いつもより距離が近い?
アリアの様子が、どこかおかしい気がする。

会話は普通だ、よな?
んー、気のせいか?

お昼を食べた後、広場で買った本をお互いに見せ合う。
うん、やっぱり距離が近い気がする。

いや、待てよ?
アリアが好きすぎて、無意識に俺の方から近づいていってるんじゃないのか!?

慌てて隣を見ると、アリアと目が合う。
距離が近い。


こ、この雰囲気は──!!

段々と、お互いが引き合うように自然と顔が近づいていく。
ところが──


「──エ、エウロくん!!」

と、すぐにネヴェサさんが登場し、アリアに催眠がかけられている事実を知る事になった。
その後、色々と話をした結果、ネヴェサさんはアリアに謝罪し去って行った。
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