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ちさの章ーわたしの家族を紹介しますー
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しおりを挟む「じゃーみんな、今日も一日おつ!」
侑お兄ちゃんでもカイお兄ちゃんでもなく、慶弥お兄ちゃんが乾杯の音頭をとります。
食卓の席についた皆は何の疑問もなく従いました。社を除いて。 慶弥お兄ちゃんは「社ぉ~」と悲しそうな声を上げましたが、社は無視して唐揚げに噛みつきます。自由な奴です。
「侑兄さん、お疲れ様でした。今日はお仕事どうでした?」
「ああ、いつも通りだよ」
侑お兄ちゃんは、二駅向こうのちょっと大きな市にある法律事務所で働いています。
カイお兄ちゃんの慰労に、侑お兄ちゃんが唐揚げをつまみながら頷きました。そうして、わたしたち一人一人の顔を見て問います。
「皆は変わりなかったか?」
「ない」「は、はい何も」「全く問題なかった」と、秘密を抱えている社・カイお兄ちゃん・慶弥お兄ちゃんがすぐさま答えます。
かえって怪しいよ皆……。
案の定、あまりのテンポのよさに侑お兄ちゃんは眉をひそめます。ぐるりと見渡し、偶然わたしと目が合いました。「ちさ」と名指しされます。……どきっ。
「本当に、何もなかったか?」
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