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社の章ー違和感ー
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『何が』。
俺はちさを尻目に一瞥すると、ディスプレイに顔を戻した。検索ボックスに改めて入力しつつ「そんなの決まってるだろ」と言う。
「兄貴達が俺達にう……隠し事をしてるんだよ」
『嘘をついている』と言おうとしたが止めた。コイツがショックを受けるだろうから。
俺は幾つかキーワードを打ちエンターを押す。ずらっと画面に検索結果が表示された。
俺達が生まれた年に起きた事故や事件。その情報は海外も含めると膨大だが、しらみ潰しに調べていくしかない。
――女児失踪事件……地震……連続殺人事件……島の噴火……トンネルの崩落……村の大火事……銀行強盗……詐欺事件……ハッ、ろくな事件がねえな
俺がザッと目を通していると「ねえ社……」とちさが呼ぶ。俺は振り返らずに「何だよ」と返した。
「お兄ちゃんたちがわたしたちに隠し事って……なんで……?」
「だからこうしてその手掛かりを探してんだよ。直接訊いても教えてくれないだろうからな」
ちさの「うー」と苦悩する姿がディスプレイに反射する。
やっぱ困惑してんな。無理もねぇか、こいつブラコンだからな。
――俺は……
マウスを握る手を、強める。
――俺は、違う。
俺はちさを尻目に一瞥すると、ディスプレイに顔を戻した。検索ボックスに改めて入力しつつ「そんなの決まってるだろ」と言う。
「兄貴達が俺達にう……隠し事をしてるんだよ」
『嘘をついている』と言おうとしたが止めた。コイツがショックを受けるだろうから。
俺は幾つかキーワードを打ちエンターを押す。ずらっと画面に検索結果が表示された。
俺達が生まれた年に起きた事故や事件。その情報は海外も含めると膨大だが、しらみ潰しに調べていくしかない。
――女児失踪事件……地震……連続殺人事件……島の噴火……トンネルの崩落……村の大火事……銀行強盗……詐欺事件……ハッ、ろくな事件がねえな
俺がザッと目を通していると「ねえ社……」とちさが呼ぶ。俺は振り返らずに「何だよ」と返した。
「お兄ちゃんたちがわたしたちに隠し事って……なんで……?」
「だからこうしてその手掛かりを探してんだよ。直接訊いても教えてくれないだろうからな」
ちさの「うー」と苦悩する姿がディスプレイに反射する。
やっぱ困惑してんな。無理もねぇか、こいつブラコンだからな。
――俺は……
マウスを握る手を、強める。
――俺は、違う。
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