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社の章ー違和感ー
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俺は兄貴達が――大人が大嫌いだ。ニュースを見ても一目瞭然だ。
平気で他人を貶めるし騙すし、金に汚く保身ばかりだし、弱者を食い物にする犯罪行為ばっかするし。
大人を好きになれ、尊敬しろって方が無理。キモい。
――それに
俺は口を引き結ぶ。タレ目だと揶揄されがちな目に力を込めた。
――子供を置いて、勝手に死ぬし
長い息を吐いて、天井を見つめる。ちさはまだ後ろで唸っていた。
俺が違和感を抱いたのは5歳の時。当時、友人だった奴に家族写真を見せられた時だ。そいつは祖母を亡くしたばかりだったけど、泣きながら笑顔でこう言った。
『ほら、おばあちゃん映ってるだろ? だからボクは、いつでも会えるんだ。寂しくないんだ』
――俺とちさは、写真ですら肉親に会えない
「クソッ……ガキをナメんなよ……侑兄、カイ兄、慶弥……!」
俺は大きな舌打ちをして、画面に顔を戻す。一つずつ慎重に、項目に目を通していった。
平気で他人を貶めるし騙すし、金に汚く保身ばかりだし、弱者を食い物にする犯罪行為ばっかするし。
大人を好きになれ、尊敬しろって方が無理。キモい。
――それに
俺は口を引き結ぶ。タレ目だと揶揄されがちな目に力を込めた。
――子供を置いて、勝手に死ぬし
長い息を吐いて、天井を見つめる。ちさはまだ後ろで唸っていた。
俺が違和感を抱いたのは5歳の時。当時、友人だった奴に家族写真を見せられた時だ。そいつは祖母を亡くしたばかりだったけど、泣きながら笑顔でこう言った。
『ほら、おばあちゃん映ってるだろ? だからボクは、いつでも会えるんだ。寂しくないんだ』
――俺とちさは、写真ですら肉親に会えない
「クソッ……ガキをナメんなよ……侑兄、カイ兄、慶弥……!」
俺は大きな舌打ちをして、画面に顔を戻す。一つずつ慎重に、項目に目を通していった。
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