54 / 71
社の章ー秘密の欠片ー
5
しおりを挟む
止めるちさを振り払って、俺は朝起きてきた慶弥の眼前にちさの絵を掲げた。寝惚け眼の慶弥は欠伸をした状態でフリーズする。そして「こ、これ……」と滝のような汗をかいた。
「五年前の登山での出来事。覚えてるよな慶弥」
「け、けけ慶弥お兄ちゃんて言え!」
「答えろ」
話を逸らそうとする慶弥に俺は命じる。「やめよう社……」と、ちさが俺の服の袖を引っ張ってくるが聞き捨てた。
いい加減俺はムカついてんだ。この家は何かおかしい。兄貴たちは一体何を秘密にしてるんだ?
「どうしたんだお前達」
声を聞き付けたんだろうか、侑兄が居間から姿を見せた。後ろにはカイ兄も居る。
この際ちょうどいい。俺は侑兄達にもちさの絵を見せた。侑兄は瞠目してカイ兄は息を飲む。「慶弥、お前」と侑兄が慶弥を睨んだ。
「わりぃ、侑兄……前に不可抗力で」
「ちさがコレを見た。慶弥がコレを地面から出したって言ってる。『もう死なせねぇ』とも言ったらしい。どういう意味だよ侑兄」
慶弥の言葉を継いで俺は侑兄を責めた。侑兄は渋い顔をすると、腕を組んで目を閉じる。
暫時、時が流れた。カイ兄も慶弥も、どうしたらいいか分からないといった具合にオロオロしている。ついでにちさも。
「五年前の登山での出来事。覚えてるよな慶弥」
「け、けけ慶弥お兄ちゃんて言え!」
「答えろ」
話を逸らそうとする慶弥に俺は命じる。「やめよう社……」と、ちさが俺の服の袖を引っ張ってくるが聞き捨てた。
いい加減俺はムカついてんだ。この家は何かおかしい。兄貴たちは一体何を秘密にしてるんだ?
「どうしたんだお前達」
声を聞き付けたんだろうか、侑兄が居間から姿を見せた。後ろにはカイ兄も居る。
この際ちょうどいい。俺は侑兄達にもちさの絵を見せた。侑兄は瞠目してカイ兄は息を飲む。「慶弥、お前」と侑兄が慶弥を睨んだ。
「わりぃ、侑兄……前に不可抗力で」
「ちさがコレを見た。慶弥がコレを地面から出したって言ってる。『もう死なせねぇ』とも言ったらしい。どういう意味だよ侑兄」
慶弥の言葉を継いで俺は侑兄を責めた。侑兄は渋い顔をすると、腕を組んで目を閉じる。
暫時、時が流れた。カイ兄も慶弥も、どうしたらいいか分からないといった具合にオロオロしている。ついでにちさも。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる