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社の章ー秘密の欠片ー
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侑兄、カイ兄、慶弥の自宅跡を回る。最後にちさの家に来た時、ちさはカイ兄の手を握ったままその場所を見つめていた。いつもと変わらない無表情だったが、色んな思いを巡らせている。そんな目をしていた。
「ちさ。お前の父親の夏目さんは役場の職員だった。爽やかなイケメンで頭のいい人でな」
「イケメン……すてき……」
ちさの反応に、侑兄は笑う。
「母親の依那さんも凄い美人だったぞ。モデルみたいだった」
「モデル……わたしも美人になれるかな……」
「なれるさ。今でも充分可愛いからな」
そうかぁ? ヌボーッとしてるだけじゃねぇか。ちさを褒める侑兄に疑問を抱いていた俺はそこで気付く。「なあ」と慶弥に向かって言った。
「それでテメェがちさに言った『もう死なせねぇ』ってのは何なんだよ。てか、鎖の付いた鎌の説明は?」
過去に火事で身内を亡くしているからだとしても――納得できなくもないが、ちょっと違和感がある。
つかそうだよ、一番の疑問がまだだ。慶弥が地面から出したっていう鎌。それが一番何なんだ。
慶弥は顔を強張らせると口を開きかけ、そして閉じた。そのまま俺から目を背ける。不思議に思っていると「社、それはな」と侑兄が代弁した。
「ちさ。お前の父親の夏目さんは役場の職員だった。爽やかなイケメンで頭のいい人でな」
「イケメン……すてき……」
ちさの反応に、侑兄は笑う。
「母親の依那さんも凄い美人だったぞ。モデルみたいだった」
「モデル……わたしも美人になれるかな……」
「なれるさ。今でも充分可愛いからな」
そうかぁ? ヌボーッとしてるだけじゃねぇか。ちさを褒める侑兄に疑問を抱いていた俺はそこで気付く。「なあ」と慶弥に向かって言った。
「それでテメェがちさに言った『もう死なせねぇ』ってのは何なんだよ。てか、鎖の付いた鎌の説明は?」
過去に火事で身内を亡くしているからだとしても――納得できなくもないが、ちょっと違和感がある。
つかそうだよ、一番の疑問がまだだ。慶弥が地面から出したっていう鎌。それが一番何なんだ。
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