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School Days
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朝日が空に顔を出し始める頃、私とゴードンは一台のバイクに乗っていた。
そよ風が心地よく、一日の始まりを知らせている。
目的は住居付近の堀を見て回ることだった。
堀の中に落ちたアンデッドたちを一斉に駆除する週に一度の仕事である。
何一つ隠されていないが、この円形に掘られた溝は対アンデッド用の落とし穴とも言えるだろう。
普段は時計回りと反時計回りの二手に分かれて作業を行っているのだが、今は移動用の乗り物が一台しかないため一緒に行動している。
「あーあ、いつも通りなら時間半減出来たのによぉ」
ゴードンの愚痴を聞きながら、私は多幸感に包まれていた。
彼の側にいられることが幸せだと、どうやら本人ばかりは気付かないみたいだった。
二人きりの箱庭を守るための作業を二人で行っていく。
アンデッドの頭蓋骨に木の槍を刺し抜きながら、私が初めて作った罠のことを思い出していた。
――それは私たちがまだここよりも小さな箱庭で生きていた頃の記憶だ。
王立学園に通い始めた頃、私はよく同級生たちに女の子だと間違われた。
幼かった私はひ弱で、それに目をつけた陰険なガキ大将が私を揶揄ったのが始まりだった。
初めは些細な悪戯だったはずが次第に陰湿さと残酷さを帯びていった。
あまりにも遊びから虐めへスムーズに移行したためか、気がつけば多くの人間が傍観者になり、私を助けてくれる人間は一人もいなかった。
ここでもそうなるのか、と慣れ切った絶望の冷たさに身を委ねようとしたとき、彼が私の目の前に現れたのだ。
それがゴードンとの出会いだった。
「友だちになろう」
そう言った彼はいつも私の側にいて、揶揄ってくる人間を脅してくれた。
それでも、虐めは無くならなかった。
必ず私が一人でいる時を狙ってその行為は行われた。
そして彼と私に階級差がある以上、全く一人にならないということは不可能だったのだ。
あくまでもこれは貴族間の問題である、と虐めている方は信じて疑っていないようであった。
庶民として学園に通うゴードンへの被害を恐れた私は、一人のときでも問題ないという風に振る舞った。
言えなかったのだ。
離れる時、いつも彼は心配そうにこちらの様子を伺う。
「大丈夫か?」と。
私は曖昧に頷き、それを唯一の返答とした。
そんな私の現状に気がついていたのかは定かではないが、ゴードンは私にある誘いをかけた。
「俺たちの秘密基地を作らないか?」
「え?」
「何か嫌なことがあったときに逃げ込める二人だけの秘密基地を作ろう。俺、街のおやっさんに仕込まれてるから力はあるぞ。クレオは学園と同じ貴族街に住んでるからこの辺のことに詳しいだろう?」
「えぇ、まぁ」
「出来るだけ学園に近い場所で誰にも見つけられない場所、知らないか? そこに秘密基地を作ろう」
どうやらゴードンは秘密基地という言葉の響きそのものが大層気に入ったようであった。
そよ風が心地よく、一日の始まりを知らせている。
目的は住居付近の堀を見て回ることだった。
堀の中に落ちたアンデッドたちを一斉に駆除する週に一度の仕事である。
何一つ隠されていないが、この円形に掘られた溝は対アンデッド用の落とし穴とも言えるだろう。
普段は時計回りと反時計回りの二手に分かれて作業を行っているのだが、今は移動用の乗り物が一台しかないため一緒に行動している。
「あーあ、いつも通りなら時間半減出来たのによぉ」
ゴードンの愚痴を聞きながら、私は多幸感に包まれていた。
彼の側にいられることが幸せだと、どうやら本人ばかりは気付かないみたいだった。
二人きりの箱庭を守るための作業を二人で行っていく。
アンデッドの頭蓋骨に木の槍を刺し抜きながら、私が初めて作った罠のことを思い出していた。
――それは私たちがまだここよりも小さな箱庭で生きていた頃の記憶だ。
王立学園に通い始めた頃、私はよく同級生たちに女の子だと間違われた。
幼かった私はひ弱で、それに目をつけた陰険なガキ大将が私を揶揄ったのが始まりだった。
初めは些細な悪戯だったはずが次第に陰湿さと残酷さを帯びていった。
あまりにも遊びから虐めへスムーズに移行したためか、気がつけば多くの人間が傍観者になり、私を助けてくれる人間は一人もいなかった。
ここでもそうなるのか、と慣れ切った絶望の冷たさに身を委ねようとしたとき、彼が私の目の前に現れたのだ。
それがゴードンとの出会いだった。
「友だちになろう」
そう言った彼はいつも私の側にいて、揶揄ってくる人間を脅してくれた。
それでも、虐めは無くならなかった。
必ず私が一人でいる時を狙ってその行為は行われた。
そして彼と私に階級差がある以上、全く一人にならないということは不可能だったのだ。
あくまでもこれは貴族間の問題である、と虐めている方は信じて疑っていないようであった。
庶民として学園に通うゴードンへの被害を恐れた私は、一人のときでも問題ないという風に振る舞った。
言えなかったのだ。
離れる時、いつも彼は心配そうにこちらの様子を伺う。
「大丈夫か?」と。
私は曖昧に頷き、それを唯一の返答とした。
そんな私の現状に気がついていたのかは定かではないが、ゴードンは私にある誘いをかけた。
「俺たちの秘密基地を作らないか?」
「え?」
「何か嫌なことがあったときに逃げ込める二人だけの秘密基地を作ろう。俺、街のおやっさんに仕込まれてるから力はあるぞ。クレオは学園と同じ貴族街に住んでるからこの辺のことに詳しいだろう?」
「えぇ、まぁ」
「出来るだけ学園に近い場所で誰にも見つけられない場所、知らないか? そこに秘密基地を作ろう」
どうやらゴードンは秘密基地という言葉の響きそのものが大層気に入ったようであった。
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