身体から始まる契約結婚

高殿アカリ

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夢のひととき

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それからの一週間は正に夢みたいな出来事が続いた。

毎朝、目が覚めると隣には航がいる。
その端正な顔立ちを堪能している間に食事が部屋に運ばれ、私たちはテラスで優雅なブランチを楽しむ。

眼下にはコバルトに輝く海が広がっていた。

あらかたモンテカルロの観光名所を遊び尽くしたあとは、二人きりでぼんやりと海を眺める時間が多かった。

「今日は何をしよう?」
「俺は何でもいい。伊織がしたいことに付き合おう」

「今日もそう言うのね。私一人で決めなきゃいけないのは少し負担だわ」
「ふむ、そうか。なら、今日は俺が君に贈るプレゼントを買いに行きたい。一緒に来てくれるか?」

「センスが悪かったら受け取らないからね」
「俺はNATORIホテルグループの代表だぞ? センスなんてものは生まれた瞬間から有り余るほど持ってるんだよ」

彼の側は自分でも驚くほどに居心地が良かった。
出逢って間もないのに不思議な話だ。
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