愛してるなら、噛みついて。(改稿中)

高殿アカリ

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第1章

1-4

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その日、雪が部屋に帰ってきたのは数時間経ったあとだった。
鼻歌交じりに上機嫌な様子の雪が扉を開けた瞬間、大吾が勢いよく飛び出してきた。

ドタドタドタとトイレへと駆け込む彼の後ろ姿を見送って、雪は買ってきたものをベッドの上に並べ始める。

赤い首輪に、枷のついた四本のチェーン、錠剤など何に使うのか想像に難くないものばかりであった。

チェーンをベッドの四隅に取り付け、錠剤や首輪をローテーブルに置いたところで、雪は大吾の様子を見にトイレへと向かった。
扉越しに声をかける。

「大吾くん、大丈夫?」

「誰のせいだと思ってんだよ」

大吾の怒った顔が雪の脳裏に浮かび、くすりと笑いが漏れた。

「何笑ってんだよ」

トイレから出てきた大吾が雪を睨みつけるも、手錠がかけられているせいか、どこか迫力に欠ける。
雪は、自分よりも数センチばかり背の高い大吾の黒髪をくしゃくしゃと撫ぜた。

それから、かかとを上げて下からすくい上げるようなキスをする。
数時間、飲み食いをしていない大吾の唇はカサカサと乾いていた。

砂漠に湧くオアシスのように、自分の唾液が大吾の唇に染み渡ればいいーーーー雪は願いを込めたキスを贈る。

先ほど同様、固まる大吾。
大吾はキスが弱いんだ、と嬉しく思う雪であった。

大吾の下唇に歯型をつけたあと、ちゅっとリップ音を鳴らして雪は口を離した。

「なっ」

思わずといった様子で、唇を手の甲でごしごしとこする大吾。

「かぶれるよ?」

雪は、その手首を優しく握り、唇から離してあげる。
それから、大吾の首筋に鼻をすんと押し当てて、

「もう、僕の匂いしかしないね」

雪の言葉に戸惑う大吾を置き去りに、続ける。

「大吾、喉乾いたんじゃない?」

「あ、あぁ」

雪は大吾の手首をはしっと掴むとまたもやベッドルームに直行した。
それから近くにあったペットボトルから水を口に含み、大吾に直接注ぎ込む。

「んっ」

顔を離そうとする大吾の後頭部をしっかり掴んで押さえつけた。
ただの口移しにしっかりと反応している大吾のモノを、雪は膝で翻弄する。

その快楽にカクンと膝の力が抜けそうになった大吾を雪は壁で支えた。
ドンという衝撃に、大吾はいつの間にか閉じていた目を見開く。

すると、蠱惑的な茶色の瞳が大吾の顔をじっと見つめていた。
大吾は恥ずかしくなって、慌ててぎゅっとまた目を閉じるのだった。

「ふふ」

楽しそうな雪の声が、余計に大吾を辱める。
二人の唇の端からとろりと唾液と水の混じった水滴が流れ落ちていった。
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