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第3章
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しおりを挟む夕方、休憩に入った雪は、大吾に連絡をしようと、おもむろにケータイを取り出した。
朝の大吾の様子が気にかかっていたのだ。
すると、そこに大吾からメッセージが入っていた。
内容は、夜に会いたいというものだった。
場所は遊園地近くの繁華街だという。
雪は少し不思議に思いながらも了承した。
大吾に会いたいと言われ、素直に嬉しかったからだ。
夜、ネオンの煌めく繁華街の中、指定の場所にやってきた雪が目にしたのは、大吾が誰かとキスしている場面だった。
「……大吾く、ん?」
その誰かは、雪よりも小さな背格好をしていることから女性であると判断出来た。
雪は今にも駆け寄ろうとしていた足を止め、挙げかけていた右手を下げた。
ただ目の前にある光景が理解できない。
その間にも、二人のキスは濃厚になっていき、
「んぁっ」
女の甘ったるい声が気持ち悪い。
こみ上げてきた吐き気に、思わず雪は口に手を当てた。
大吾の手が女の腰に回され、臀部を揉みしだいている。
そんなものを雪は見たくなどなかった。
しかし、彼らは盛りのついた獣のようにその行為は終わる気配すらなかった。
永遠にも思えるほどの長いキスが終わる頃には、雪の股間はテントを張っていた。
雪とて死んでも感じたくなどなかった。
しかし、大吾の頬が染まっていく様子や、雪に流し目を送る彼の意地悪な表情に、雪はどうしようもなく興奮してしまったのだ。
「うっ……」
昂ったそれをどう収めようかと雪が思案している内に、二人は腕を絡ませながらどこかへと歩いていく。
雪は少し不格好な歩き姿で、慌ててその後を追った。
ラブホ街へ向かいながら、大吾は雪がちゃんとついてきているか確認していた。
そして、雪が前屈みになりながらも、遅れまいと後をついてきているのを確認するやその喜びに大吾のそれも反応を示す。
堀江とのキスでは一ミリたりとも動かなかったそれが、雪の必死な様子を見るだけでむくりと立ち上がるのだから現金なものである。
「まぁ、心配症だからついてくることは分かってたけどな」
大吾はぽそりとそう零した。
「え?」
「いや、何でもねぇ」
くすくすと笑いながら堀江の腰を抱いて、大吾はラブホテルへと入っていった。
部屋に入る際、鍵はかけずに。
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