愛してるなら、噛みついて。(改稿中)

高殿アカリ

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第5章

5-4

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耳朶を甘噛みされ、雪の大きくなった股間が大吾の臀部を行き来する。

くるりと身体を反転させられ、大吾は窓に両手をつき、尻を突き出す。

「……はぁ」

甘ったるい雪の吐息が耳にかかったと思うと、そのまま彼のそれが大吾の奥まで突き刺さった。

「っやぁ!」

女のようなあえかな嬌声が口から溢れ、慌てて唇を噛み締めた。
ここ最近では、そんなこと気にすらしなかったのに。

顔も知らない誠の声が耳に届く。

『本当にお前はそれで幸せなのか?』

その慈愛に満ちた声色が、より一層大吾の羞恥を煽る。
きゅうと雪のものを締め付け、彼のカタチが自分の中で明瞭になっていく。

幸せかどうかも分からず、気持ちのいいことだけを求めている獣のような自分がいる。
今だって、人間らしさなんてすっかり忘れて、享楽に耽っている。

喘いで、求めて、乱れて、欲して。

一体、俺は何になりたいんだろう?
大吾は泣きながら、絶頂を迎えた。

そんな自分が嫌で嫌で堪らなかった。
だから、思わず零れた言葉に本人は何一つ疑問を抱かなかった。

それは大吾の中ではごく自然なことだったからだ。

果てる瞬間、あの声が呪いのように響いた。

『本当にお前はそれで幸せなのか?』

「……あっ、ま、ことっ!」

しかし、その小さな小さな呟きは、大吾を愛する一人の男の耳まで届いてしまった。

雪の顔を見ることなく、果てた大吾が呼んだのは、どういうわけか他の男の名前だった。

そう気がついた瞬間、雪の頭に血がのぼった。



「……ねぇ、大吾……誠って一体誰のこと?」

ぴくぴくと口の端を震わせながら、雪は大吾の喉に手を伸ばした。
そのまま、愛おしい彼の喉仏を潰しながら、雪は腰を振り続けた。

すると、萎えていた雪のものも一瞬のうちに固さと大きさを取り戻すのだから、現金なことである。

「……かはっ」

雪に喉を閉められながら、犯される大吾。
その滑稽な姿に雪は興奮した。

いっそ、このまま死んでしまえばいい。

雪はそう思った。

このまま、死んで。
永遠に僕のものであればいい。

僕を見ていない大吾なんて、それはもう大吾じゃない。
目の前のこいつは偽物だ。

狂気的な雪の笑顔を前に、大吾は次第に意識が遠のいていくのを感じていた。

果たして俺は幸せなのか?
そもそも、俺の幸せって一体なんだ?

快楽と苦しみの中、大吾は雪を見つめた。
静かな目で。ただ一途に。

もう、誠の声は聞こえなかった。

「……ゆ、き」

ぽつりと名前を呼ぶと、悲しそうに恨めしそうに揺らぐ瞳があった。

薄れていく意識の中、最後に大吾は思った。

雪は、それで幸せなのか?
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