愛に生きる。

高殿アカリ

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第一章 日常

5★

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「っ、やぁ――」
 周の手から逃れようと愛生が周の胸に手をついて離れようとすると、離された唇から銀糸がつぅーっと繋がって落ちていく。
 頬を赤らめた愛生が恨めし気に周を見ている。そんな姿が愛おしくて、周はくすりとほほ笑んだ。
 ぐいっと力強く愛生の身体を引き寄せ、抱きしめる。耳元に唇を寄せて、囁いた。
「逃げないで、愛生」
 そのまま周は愛生の耳に舌を入れる。
「~~っ!!」
 驚いた愛生の気配を感じるが、耳に夢中な周はどこ吹く風だ。目の前の愛生から醸し出されている甘い蜜を全てしゃぶりつくすだけ。
 ちゅぽちゅぽと濡らして、いれて、もてあそんで。
 足に力の入らなくなった愛生を周は自身の膝上に座らせる。
「き、きたねぇから……やめて」
 恥ずかしそうに周の愛撫を耐えている姿にどれほどの劣情を誘われるのか、目の前の男はわかっているのだろうか?
 がぶっと愛生の耳を甘噛みして。
「やーだ」
 年下の特権とばかりに拗ねた声を出せば、ほら――。優しい愛生はぐっと自分が我慢することを選ぶ。
 そのいじらしい姿が狂おしいほどに好きで、好きで、好きで。
 ゆっくりと時間をかけて耳輪を嘗め回した。
「……っ!」
「ねぇ、もう愛生も、さ。限界なんじゃない……?」
 周の唾液が纏わりついてべとべとになった耳に息をふきかければ、愛生の瞳が悦楽に揺れる。
 腰に回していた手を腹まですっと撫でてやると、愛生の身体がかすかに震えた。
(――ねぇ、愛生。それは期待?)
 くすくすと笑いながら、周は手をゆっくりと上にあげていく。腹部から胸部へ、そして薄いTシャツ越しに何かぷっくりと起ち上がった小さな突起に辿り着く。
「や、やめ……」
(余裕のない愛生の声が好きだ。俺しか見ていない、愛生が好きだ)
 仄かに昏い笑顔を見せて、周は服の上からそこをさすってやる。
「どうして? こんなにかわいーのに」
 すりすり、さりさり。すりすり。
 右胸の乳首だけ重点的にこすっていると、反対側に比べてそこだけさらに固く大きくなっていく。
「やらしーんだ、愛生は」
 目を細めて笑う周を愛生のとろんとした目が見上げている。
「あ、まねぇ」
「んー?」
 すりすり。さりさり。
「そればっかり、やめ、ろ……」
「うーん、どうしようかなぁ」
 楽しそうにそう言った周は、一度だけぴんっとそこを弾く。
「っあ!」
 愛生の口から声が漏れる。
「こっち側、寂しいって――?」
 ふっと笑った周は彼の左側の突起に顔を近づけて、服の上から吸い付いた。
「んあ!」
 右側の突起を弾き、左側の突起を舐めてやると、愛生が顔を仰け反らせているのが分かった。散々焦らされた身体は些細な快楽さえ逃さないように、さぞ敏感になっていることだろう。
「服の上なのに、感じちゃうんだ。淫乱だね、愛生は」
「ち、ちげっ」
 半泣きになりながら弁明しようとする姿が可愛い、好き。
「反論するほど余裕があるんだね?」
 周は笑みを深めると、ついぞ愛生のTシャツをはぎ取る。少し焼けてもなお白い肌の上に、うっすらと割れた腹筋が周の目を楽しませる。
 そして、その少し上には先程まで周にいいようにいじめられていた突起が赤く色づいて熟れている。
 息が上がった愛生の口はだらしなく開かれ、正常な意識は保っているものの、少しだけとろけ始めた瞳で見上げてくる。
  ごくり、と唾を飲み込んで周は愛生を射るように見つめ返した。
「おいしそー」
 ぺろっと舌なめずりをして、周は愛生の胸に飾られた突起に再び口づけを落とすのだった。
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