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Story 03 side.?????????????

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ピッ、ピッ、ピッ、ピッ――――。



規則正しく一定に反応する心電図が、あたしの「生命」を証明する唯一である。

夢現の中で微かに聞こえるその電子音は、どこかビデオゲームのSEに似ていた。



物語は嘘であるから美しいのだ、と。

あどけない笑顔で彼女は言っていたのだっけ。



だが、それももう今は関係のない話だ。



海の中はとても心地が良くて、全部がどうでも良くなった。



そこには嘘も本当もない。

物語も現実もない。



あたしは揺蕩うただの海月だ。
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