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異世界地球編
13歳~15歳 帰還
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ハイデラバード王国の内乱は激しさを増していった。
兵士たちは村人の行動に逐一気を付け、少しでも何かあると村人を拘束し拷問した。
無辜の民も巻き込まれたため、反王族の感情が高まっていった。
そうして人間対人間の血みどろの戦いが行われた。
内戦の様子は逐一イツキから空軍へ報告をしていた。
1年間にも及ぶ内戦の末、最終的には内乱側の勝利に終わった。
この戦いでハイデラバードの王族は全て死去。
解放した王子様も当然死去した。
(戻らなければ助かったかもしれないのにね)
イツキはそう思った。
そして内乱が終結した後、ハイデラバード王国はハイデラバード共和国を名乗った。
陸軍は疲弊したハイデラバード共和国は王国ではないのだから停戦は無効であり、攻めても構わないと侵攻を主張。
空軍は黙認した。
かくして魔王国はハイデラバード共和国に対して宣戦布告。
陸軍を中心に空軍も参加して、インド半島に本格的に侵攻した。
陸軍はこの時6万の兵を侵攻に参加させ、次々に村を占領していった。
空軍も全軍を参加させ、先兵として敵の兵士を捕獲、殲滅に努めた
そしてインド半島の西側のハイデラバードを包囲し攻略した。
奴隷となった人間の数は1000万を超えたほどだった。
そのほとんどは生活を変えず、陸軍の兵士が見守る中、農業をすることになっている。
また、1万人の獣人の奴隷も解放した。
久々の大戦果に、国中が沸いていたがイツキの心は晴れなかった。
イツキはインダス川の畔にあるハイデラバード王宮を歩きながら考えた。
(どうしてこうなった……予定ではもうちょっとダッカでゆっくりするはずだったのに……しかし上からの命令だったのだから仕方がないことだ。漁夫の利だったこともある。これからどうしたものやら……)
とりあえずイツキはインダス川の東側に砦を複数作り、渡河を容易でなくすことを陸軍に提案、承認してもらった。
工事するのはハルファス将軍だ。
ハイデラバードの王宮から南に6つ、北に34の砦を陸軍のハルファス将軍に作ってもらったイツキはちょっと安心した。
(防衛ラインが伸びるのが嫌だけど、ここ以外にラインの引ける所がないんだよね)
ひとまず、各砦に500名ずつ入れ、残りは奴隷の監視にあたってもらった。
そういった指示をしていると、戦闘攻撃師団に帰還命令が来る。
戦線は落ち着いたから、論功行賞の時間が取れたということだろう。
夜明けとともに出発し、夕暮れ時に魔王城に到着する。
兵舎の自分の部屋は、もう誰かに使われていると思っていたら、ちゃんと掃除をしてきれいな状態になっていた。
ありがたく寝床に着かせてもらった。
翌朝、空軍省の建物に入り自分たちの部屋に入った。
「オプシトゥス小隊長、無事帰還されて感激です」
トントが出迎えてくれた。
何と兵舎の掃除もやってくれていたのはトントだった。
トントの淹れたコーヒーを飲んだら、大臣室へと移動する。
「おお、久しぶりだな。君も成長したな。まあ、掛けてくれ」
ナベリウス大臣にそう言われて応接スペースへと案内される。
「今回呼んだのは他でもない。昇任の話だ」
「昇任ですか?」
「うむ。君のくれた内戦の報告書はハイデラバード共和国の軍事的な能力を説明してくれていた。そのため陸軍は戦争に乗り気だったのだ。カシー山地の占領から離間工作、シムリパルの戦い、インド半島の占領、それらの功績によって桐花大綬章を授与される。同時に少将へ昇任し第1戦闘攻撃団の団長となる」
「ではグレモリー少将はどうされるんです?」
「第1戦闘攻撃団長のグレモリー少将は魔王直属に戻る」
(もともと魔王直属だったのか……)
「他の人の昇任はどうなります?」
「君のところの副官は大佐のまま、他の人は大体昇任だな」
「勲章はどうなります?」
「私は大勲位菊花章頸飾を。フェニックス中将、マルコシアス中将、グレモリー少将、ウヴァル少将、アスタロト少将は大勲位菊花大綬章を。空中輸送師団団長のガープ中将、警戒管制隊隊長のカイム少将と君が桐花大綬章となる。他にも第1空中輸送団のセーレ少将と君の副官、第12戦闘攻撃群長も旭日大綬章を受章することになる。隊長達は旭日重光章だな」
「そうですか」
(勲章の大盤振る舞いだね)
「ところで、当てが外れた今の気分はどうだい?カシー山地で守りを固める予定だったのがインド半島を横断した感想は?」
「川沿いに防衛線として砦を築きましたが、端から端まで40日かかります。集中して攻められると困るでしょう。そうならないためにもシベリア方面へ出兵して人間の目先を変える必要があると思います」
「そう言うのならそうなのだろうな」
「今後の空軍の動きはどうなります?」
「警戒管制隊の小隊を本土周辺とハイデラバード周辺とバンコク周辺に展開させることになっている。空中輸送師団もハイデラバードとバンコクへの補給でてんてこ舞い。戦闘攻撃師団は有事の備えでしばらくはここで待機だ」
「そうなんですね。ゆっくりさせてもらいますよ」
(休暇も溜まっているだろうし、旅行に行くのもいいかも)
「ところで、鉄道が延伸することを知っているかな?」
いきなり鉄道の話になってイツキは戸惑った。
「いえ、初めて聞きましたが、それが何か?」
「今、魔王城の前まで来ている鉄道がダーウィンまで延びた。この後、シンガポールからバンコク、ダッカやハイデラバードへと伸ばすつもりだそうだ」
(何とまた壮大な計画を……)
「それができれば輸送は高速化しますね」
「だろう、陸軍省としては早く欲しいらしく、鉄道省をせっついているらしい」
「鉄道省も大変ですね」
「だが恩恵は計り知れない。うちの空中輸送師団も空くだろうし、早めに何とかしてもらいたいものだ」
(確かに速めに何とかしてもらいたい。そういえば、チャイティーヨー山やカオヤイはどうなったんだろう?)
「確かに。話は変わりますが、バンコク周辺やエーヤワディー川の周辺はどうなったのですか?」
「順調に稲作されているらしい。収穫された米が魔王国本土にも届いているよ。あまりの量の多さにびっくりして、国内にいた米農家は失業の危機だそうだ。まあ、野菜を育てることになるんだろうな」
「人間の侵入はいかがでしょう?」
「北から侵入してくるのがいるそうで、それを捕まえているらしい。人数はそれほどでもないというところだな」
「統治は安定していそうでよかったです」
「だが、問題は誰の領地とするかだ。インドシナ半島については以前の獣人の国王に返すにしては手を加えすぎている。国王を公爵などにして領地とするのが理想的かもな。インドはどうなるかわからん。人間の領地だったしな。魔王様の直轄領になるかもしれないし誰かに与えるかもしれない。これを決めるのは魔王様だから何とも言えないがな」
そんな話をして大臣室を後にした。
部屋に戻るとトントさんの淹れたコーヒーを飲む。
やっぱり美味しかった。
「そういえばトントさんは昇任したの?」
「はい。上等空兵になりまして、次は空兵長の内示をいただいてます」
「順調に上に上がっていってるようでよかった。会えない間ちょっと心配してたんだ」
「それはこちらのセリフです。前線で戦ってらっしゃったんですから、こっちが心配しましたよ」
「心配してくれてありがとう」
「いえいえ」
そんな会話をしていると、勲章の受章式の時間になる。
陸軍、海軍、空軍と別れて受章式をするため、今度はアモルと一緒に大臣室に行く。
大勲位菊花章頸飾を受章するナベリウス大臣を筆頭に、大勲位菊花大綬章を受章するフェニックス中将、マルコシアス中将、グレモリー少将、ウヴァル少将、アスタロト少将。桐花大綬章を受章する空中輸送師団団長のガープ中将、警戒管制隊隊長のカイム少将とわたし。旭日大綬章を受章する第1空中輸送団のセーレ少将とアモル、第12戦闘攻撃群長のウェンテル・アルゲントゥム=ウィーウム。旭日重光章を受章する戦闘攻撃隊長達16名、総勢28名で玉座の間に向かった。
兵士たちは村人の行動に逐一気を付け、少しでも何かあると村人を拘束し拷問した。
無辜の民も巻き込まれたため、反王族の感情が高まっていった。
そうして人間対人間の血みどろの戦いが行われた。
内戦の様子は逐一イツキから空軍へ報告をしていた。
1年間にも及ぶ内戦の末、最終的には内乱側の勝利に終わった。
この戦いでハイデラバードの王族は全て死去。
解放した王子様も当然死去した。
(戻らなければ助かったかもしれないのにね)
イツキはそう思った。
そして内乱が終結した後、ハイデラバード王国はハイデラバード共和国を名乗った。
陸軍は疲弊したハイデラバード共和国は王国ではないのだから停戦は無効であり、攻めても構わないと侵攻を主張。
空軍は黙認した。
かくして魔王国はハイデラバード共和国に対して宣戦布告。
陸軍を中心に空軍も参加して、インド半島に本格的に侵攻した。
陸軍はこの時6万の兵を侵攻に参加させ、次々に村を占領していった。
空軍も全軍を参加させ、先兵として敵の兵士を捕獲、殲滅に努めた
そしてインド半島の西側のハイデラバードを包囲し攻略した。
奴隷となった人間の数は1000万を超えたほどだった。
そのほとんどは生活を変えず、陸軍の兵士が見守る中、農業をすることになっている。
また、1万人の獣人の奴隷も解放した。
久々の大戦果に、国中が沸いていたがイツキの心は晴れなかった。
イツキはインダス川の畔にあるハイデラバード王宮を歩きながら考えた。
(どうしてこうなった……予定ではもうちょっとダッカでゆっくりするはずだったのに……しかし上からの命令だったのだから仕方がないことだ。漁夫の利だったこともある。これからどうしたものやら……)
とりあえずイツキはインダス川の東側に砦を複数作り、渡河を容易でなくすことを陸軍に提案、承認してもらった。
工事するのはハルファス将軍だ。
ハイデラバードの王宮から南に6つ、北に34の砦を陸軍のハルファス将軍に作ってもらったイツキはちょっと安心した。
(防衛ラインが伸びるのが嫌だけど、ここ以外にラインの引ける所がないんだよね)
ひとまず、各砦に500名ずつ入れ、残りは奴隷の監視にあたってもらった。
そういった指示をしていると、戦闘攻撃師団に帰還命令が来る。
戦線は落ち着いたから、論功行賞の時間が取れたということだろう。
夜明けとともに出発し、夕暮れ時に魔王城に到着する。
兵舎の自分の部屋は、もう誰かに使われていると思っていたら、ちゃんと掃除をしてきれいな状態になっていた。
ありがたく寝床に着かせてもらった。
翌朝、空軍省の建物に入り自分たちの部屋に入った。
「オプシトゥス小隊長、無事帰還されて感激です」
トントが出迎えてくれた。
何と兵舎の掃除もやってくれていたのはトントだった。
トントの淹れたコーヒーを飲んだら、大臣室へと移動する。
「おお、久しぶりだな。君も成長したな。まあ、掛けてくれ」
ナベリウス大臣にそう言われて応接スペースへと案内される。
「今回呼んだのは他でもない。昇任の話だ」
「昇任ですか?」
「うむ。君のくれた内戦の報告書はハイデラバード共和国の軍事的な能力を説明してくれていた。そのため陸軍は戦争に乗り気だったのだ。カシー山地の占領から離間工作、シムリパルの戦い、インド半島の占領、それらの功績によって桐花大綬章を授与される。同時に少将へ昇任し第1戦闘攻撃団の団長となる」
「ではグレモリー少将はどうされるんです?」
「第1戦闘攻撃団長のグレモリー少将は魔王直属に戻る」
(もともと魔王直属だったのか……)
「他の人の昇任はどうなります?」
「君のところの副官は大佐のまま、他の人は大体昇任だな」
「勲章はどうなります?」
「私は大勲位菊花章頸飾を。フェニックス中将、マルコシアス中将、グレモリー少将、ウヴァル少将、アスタロト少将は大勲位菊花大綬章を。空中輸送師団団長のガープ中将、警戒管制隊隊長のカイム少将と君が桐花大綬章となる。他にも第1空中輸送団のセーレ少将と君の副官、第12戦闘攻撃群長も旭日大綬章を受章することになる。隊長達は旭日重光章だな」
「そうですか」
(勲章の大盤振る舞いだね)
「ところで、当てが外れた今の気分はどうだい?カシー山地で守りを固める予定だったのがインド半島を横断した感想は?」
「川沿いに防衛線として砦を築きましたが、端から端まで40日かかります。集中して攻められると困るでしょう。そうならないためにもシベリア方面へ出兵して人間の目先を変える必要があると思います」
「そう言うのならそうなのだろうな」
「今後の空軍の動きはどうなります?」
「警戒管制隊の小隊を本土周辺とハイデラバード周辺とバンコク周辺に展開させることになっている。空中輸送師団もハイデラバードとバンコクへの補給でてんてこ舞い。戦闘攻撃師団は有事の備えでしばらくはここで待機だ」
「そうなんですね。ゆっくりさせてもらいますよ」
(休暇も溜まっているだろうし、旅行に行くのもいいかも)
「ところで、鉄道が延伸することを知っているかな?」
いきなり鉄道の話になってイツキは戸惑った。
「いえ、初めて聞きましたが、それが何か?」
「今、魔王城の前まで来ている鉄道がダーウィンまで延びた。この後、シンガポールからバンコク、ダッカやハイデラバードへと伸ばすつもりだそうだ」
(何とまた壮大な計画を……)
「それができれば輸送は高速化しますね」
「だろう、陸軍省としては早く欲しいらしく、鉄道省をせっついているらしい」
「鉄道省も大変ですね」
「だが恩恵は計り知れない。うちの空中輸送師団も空くだろうし、早めに何とかしてもらいたいものだ」
(確かに速めに何とかしてもらいたい。そういえば、チャイティーヨー山やカオヤイはどうなったんだろう?)
「確かに。話は変わりますが、バンコク周辺やエーヤワディー川の周辺はどうなったのですか?」
「順調に稲作されているらしい。収穫された米が魔王国本土にも届いているよ。あまりの量の多さにびっくりして、国内にいた米農家は失業の危機だそうだ。まあ、野菜を育てることになるんだろうな」
「人間の侵入はいかがでしょう?」
「北から侵入してくるのがいるそうで、それを捕まえているらしい。人数はそれほどでもないというところだな」
「統治は安定していそうでよかったです」
「だが、問題は誰の領地とするかだ。インドシナ半島については以前の獣人の国王に返すにしては手を加えすぎている。国王を公爵などにして領地とするのが理想的かもな。インドはどうなるかわからん。人間の領地だったしな。魔王様の直轄領になるかもしれないし誰かに与えるかもしれない。これを決めるのは魔王様だから何とも言えないがな」
そんな話をして大臣室を後にした。
部屋に戻るとトントさんの淹れたコーヒーを飲む。
やっぱり美味しかった。
「そういえばトントさんは昇任したの?」
「はい。上等空兵になりまして、次は空兵長の内示をいただいてます」
「順調に上に上がっていってるようでよかった。会えない間ちょっと心配してたんだ」
「それはこちらのセリフです。前線で戦ってらっしゃったんですから、こっちが心配しましたよ」
「心配してくれてありがとう」
「いえいえ」
そんな会話をしていると、勲章の受章式の時間になる。
陸軍、海軍、空軍と別れて受章式をするため、今度はアモルと一緒に大臣室に行く。
大勲位菊花章頸飾を受章するナベリウス大臣を筆頭に、大勲位菊花大綬章を受章するフェニックス中将、マルコシアス中将、グレモリー少将、ウヴァル少将、アスタロト少将。桐花大綬章を受章する空中輸送師団団長のガープ中将、警戒管制隊隊長のカイム少将とわたし。旭日大綬章を受章する第1空中輸送団のセーレ少将とアモル、第12戦闘攻撃群長のウェンテル・アルゲントゥム=ウィーウム。旭日重光章を受章する戦闘攻撃隊長達16名、総勢28名で玉座の間に向かった。
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