Be The Ace! ~転生チートで世界征服!?~ アルファポリス用

荒波

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異世界地球編

15歳 休暇その1

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 休暇中は仕事のことは考えなくていいのが一番いい。
 その解放感は、空を飛ぶことにも似ている。
 仕事という重力から解放されて、バカンスを楽しむ。
 それこそ休暇、というか旅行の楽しみだ。
 休暇のスケジュールが組めないから自分たちで飛んでいくと聞いたときのアウィスの顔はちょっと怖かった。
 それでもちゃんと付いてきてくれるのだから優しいものだ。
 集合すると、全員私服の感覚がすごい。
 イツキは某魔砲少女のコスプレ。
 アウィスは白い和服の上下。
 ウェスは青と緑の着物の様な服。
 アモルは魅力的というか露出度の高い服。
 フランマは赤いシャツに白いズボン。
 アンビティオは白いヒラヒラの付いたドレス。
 トントは白いブラウスに黒いタイトスカートだった。
 トントはイツキが抱えて運んだ。
 下向きだと腕が疲れてくるので、時々背面飛びをしていった。
 その動作にわーきゃーと騒ぐトントをイツキはかわいらしく思えた。
 最初に到着したのはダーウィン。
 高級なホテルのスイートにみんなで入る。
 スイートは1部屋の中に何部屋もあるから7人でも大丈夫だ。
 お昼は高そうなレストラン。
 実際高かったが、その分美味しい。
 インドに居た時はお米ばっかりだったので、こういう点は嬉しいポイントだ。
 海を眺めながら散策すると、おしゃれなカフェがある。
 頼むのはコーヒーじゃなくて紅茶だが、ゆったりした午後のティータイムとなった。
 夕食はホテルのレストランでいただく。
 ここも高いだけあってとても美味しかった。
 特にお肉がおいしかった。

(海の近くなのに!)

 夕食が終わったらみんなでお風呂だ。

「あれ、イツキ成長してない?胸が大きくなったような気がするんだけど」

(なんですと!?)

 自分では気づいていなかったがイツキは背も伸び身体つきも女性っぽくなっていた。
 まあ、誤差の範囲内と言えば範囲内だが……。

(喜んでいいやら悲しんでいいやら……)

 元男としては複雑なところだ。
 ちょっと膨らんだ胸を揉ませろとアウィスが迫ってきたり、嫌だとイツキが断固拒否したりしていたが、無事にお風呂も終わり、バスローブに身を包んで就寝の時間となった。
 大きなベットは4人乗っても大丈夫。
 ということで、イツキとフランマ、アンビティオ、トントの4人が一緒に寝ることになった。
 他の3人は別室だ。

 寝ているとトントから質問が来た。

「小隊長さん、小隊長さんはなんでそんなにうまく飛べるんですか?」
「子供のころからやってきたからかな」
「子供のころから後ろ向いて飛んでたりしたんですか?」
「似たようなことはしてたかな。その場で回転したり、こうグルっと円を描くように飛んでみたり、懐かしいな」
「懐かしいって言うほど小さい時から飛んでたんですか?」

 フランマさんも乗ってくる。

「最初に飛んだのはゆりかごの中だから、1歳くらい?」
「そんな早くからですか!?」

 まさかの年齢にフランマさんを含め、皆が驚く。

「部屋の中飛び回っておかあさんが苦労してたなあ」
「ウルラさんの苦労が偲ばれます」

 トントがしみじみと言う

(失敬な!)

「でもその後はゆりかごの中からは出ないようにはしてたからね。あまり迷惑はかけてないですよ」
「そもそも、その歳のことを覚えてる方が不思議です」

(転生者でもなければ、さすがに1歳のことを覚えているのは記憶力が良過ぎかもしれない)

 そんなことを訊いてきたトントさんに逆質問。

「そんなトントさんはどんな子供時代だったの?」
「小隊長さんと変わらず、混血だったので疎まれてました。軍に入ったのも一人立ちが早いのが軍だと知ったからです」
「確かに志願者に年齢制限はないからね。家族は仲良くしてくれなかったの?」
「家族は仲良く暮らしてました。人間を娶った祖父もハーフエルフを娶った父も良くしてくれました。でも、周囲の視線に耐えきれなくなって出てきてしまいました」

 トントは昔を思って涙しそうになる。

「どうする?確かティモール島だよね。行こうと思えば行けるけど?」
「いえ、手紙もたくさん届けたり送ってもらったりしてますから、気にしないでください」

(まあ、無理やり連れていくわけにもいかないだろう)

「行きたくなったら言ってくださいね。今日みたいに飛んで送りますから」
「その時はお願いします」

(さて、次の標的は……フランマさんにしよう)

「フランマさんは故郷はどの辺りでどんな暮らしをしてたんですか?」
「私ですか?故郷はルソン島のレガスピって町の近くの山に住んでました。でっかい三角形のきれいな山なんですよ」
「レガスピは行ったことがあります。確かにきれいな三角でした」

(ちょっと赤い富士山みたいだったもんな)

「そこで、魚を取って生活してました。町の人とは魚と野菜を交換してもらったりしてました」
「どんな魚の取り方してたの?海に飛び込むわけじゃないよね?」

 どこかの鳥みたいに、空中から勢いを付けて水に潜って魚を取るわけじゃないだろう。

「5,6人で網を持って、海に着いたら円陣を作るんです。そうしたら1人がロープを引っ張って逆にした巾着袋みたいにするんですそのまま引き揚げると網の中に魚がどっさりというわけです」
「とりあえず釣りじゃないのはわかった」
「そんなに分かり辛かったですか?」

 フランマはちょっと不満そうだ。

「簡単に言うと網でぐるっと囲って引き揚げるんでしょう?大丈夫です。ここには徴兵で?」
「はい。空軍には何人か残ってますよ。別の部隊ですけど」
「残れるってことは優秀だったって証拠だよ。アンビティオさんは?どこ出身?どんな暮らしをしてたの?」
「はい。私はヴィティレブ島という島で育ちました」
「ごめんなさい。どの辺りの島ですか?」
「魔王国本土から見て東北東に位置する島です」

(いわゆるオセアニアのどこかなのだろう)

「続けて」
「はい。父がココナッツの農家をやっていたので生活は裕福な方でした。農業だけでなくココナッツのオイルやボディタオルを作っていたおかげで暮らしは豊かでした」

(だから私服はヒラヒラドレスだったのか!?)

「じゃあ、徴兵される時は大変だったでしょ」
「はい。父が兵士に殴りかかろうとするほどでした。でも、イツキ様に会えたことは幸運でした。魔王様に感謝しています」
「小隊長としてそんなに何かしたかな?」
「いえ、海軍航空隊時代に勉強会に参加させていただいてました」

(あの中にアンビティオさんいたのか)

「あ、私も居ましたよ。勉強会。」

(フランマさんまで!?)

「勉強会があったおかげで飛行技術や攻撃魔法の能力向上になったのです。その分訓練のレベルも上がりましたが、脱落したのは勉強会に参加していないものばかりでした」
「そうそう、あれがなかったら私は落第してたよ。ありがとう小隊長」

 そんなことになっていたなんてイツキは知らなかった。

(確かに訓練レベルの上がり方は異常だったが、そんな背景があったとは終ぞ知らなかった)

「それは喜んでいいものなのかな?」
「当然です。そのおかげで私たちは人間を蹴散らせるほどになったのですから」
「そうです。今無事でいるのは小隊長のおかげですよ」

(なんだか褒め殺しされている気がする)

 アンビティオやフランマの反応にむずがゆくなったイツキは話題を変更する。

「皆は相手とかは居ないの?」
「ではまず小隊長さんから」

 トントからリバースで返された。

(あ、UNOなんかこの世界で作ってもいいかも)

「わたしは男と結婚するなんて想像できないししたくないです」

 そうはっきり答えるとアンビティオさんが顔を赤らめた。

「私、イツキ様でしたら操を捧げてもいいですよ」
「いいから!そう言う配慮入らないから!」

 全力でお断りしておいた。

(でも魔法って物理の力超える不思議パワーだから女同士でも子供作れたりするんじゃないのか……)

 そんなことを思いつくが、小隊メンバーで試すわけにはいかない。

(だが、試してみるのもいいだろう。人間の奴隷とかでね)

 そんな思いを胸にその夜は過ぎ去っていった。
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