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第4話 カインが愚痴る
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「俺はな、王都で最強と言われる『ドラゴンブレス』に居たんだ」
「へー凄いじゃない、私でも名前を聞いた事がある様なクランだよ」
「そこで、サポート班のリーダーをクランの結成当時からやっていた」
「うん。カインの実力なら納得だね」
「まぁ、クランの隊長をしているギースが同郷の幼馴染だったからって言うのもあって、そのおまけみたいなもんだけどな」
「そうなんだ……」
「俺は足手まといにならない様に、必死でサポート職を極めるために頑張ったさ。クラン結成前のパーティ単位で動いてた時から、メインの戦闘職の剣士『ギース』タンクの『ハルク』攻撃魔法の使い手『ミルキー』回復からバフまで幅広くこなす『フィル』そして俺料理人の『カイン』だ。とてもバランスの取れた良いパーティだった」
「強そうだね」
「まぁそれだけのメンバーが居たから順調に依頼をこなしてランクを上げ、Sランクパーティになったドラゴンブレスはクランを創設したんだ。量より質で、徹底的に才能のある奴らをスカウトして行った。そうして今の5パーティー20人の戦闘職と6人のサポート職が集まったのが、今のクラン『ドラゴンブレス』なんだ」
「なんで、カインは首になったの?」
「LV差かな。基本パーティを組んで狩りをするだろ? パーティの上限は5人だから、クランを組んでからの俺はいつもソロだった。食材収集と斥候してる時に邪魔になった魔物以外は倒さなかったから迷惑かけるしな」
「えー? そんなのおかしく無い? それじゃぁカインだけLVが上がらなくて差が付いちゃったって事?」
「そうだと思う。この世界のサポートスキルの仕様は知ってるよな?」
「LV10を超えると、LV差が倍開けば回復魔法や、バフ系のスキルの恩恵が得られないって言うルールだよね?」
「先月『ドラゴンブレス』のメンバーでSランクダンジョンを踏破したんだが、その最後のボス戦を迎える時に気づいたんだ。バフは同一パーティでなくても掛けられるだろ?」
「うん」
「だから、俺は普段フィルのMP消費の節約でバフは無しで行動してたんだけど、流石にSランクダンジョンのボスが相手じゃ危ないから、俺にバフを掛けてくれようとしたんだよ」
「へーちゃんと仲間してるじゃん」
「だが……無理だった。俺にはバフが届かなかったんだよ。『ボスと戦うのにバフ無しでは一緒に連れて行く事は出来ない』とギースが俺に告げたよ。俺は悔しいがそれを受け入れた。そしてギースの率いる『ドラゴンブレス』は僅か5分程の戦闘時間で、Sランクダンジョンのボスを倒した」
「Sランクダンジョンのボスが5分って相当凄くない?」
「凄いんだよ。そんな凄いクランが『ドラゴンブレス』なんだよ。俺なんかじゃバフもかけて貰えない程度の雑魚なんだよ」
「それでもカインは、あんなに強いって『ドラゴンブレス』の凄さが伝わる話だよね」
「大体、あのSランクダンジョンを攻略した日は、おかしな事が続いたんだよな。いつもの様に先乗りで雑魚敵をやっつけながら先行してたら、俺では気づけなかった転移トラップが発動して、でっかいトカゲが現れやがってな。そいつはトカゲのくせに人の言葉を喋りやがるんだぜ。気味悪いだろ? 俺は余りにも気味悪いから、そいつを倒したんだよな。すると今度は一層に転移トラップが発動して、俺はギース達に追いつくために必死でダンジョンを駆け抜けたんだ。そうまでして追いついたのに、フィルのバフは受ける事が出来ず、ボス戦にも参加できなかった」
「ねぇ……カイン。 ちょっといいかな?」
「どうした、チュール」
「カインのレベルっていくつ?」
「俺は鑑定は持って無いし、ギルドで鑑定を受けると金が掛かるから一度も調べた事ないぞ」
「えーとね…… ギースやフィルのレベルは知ってる?」
「確か110くらいだとか言ってたな。あ、そうか、俺にバフが掛からなかったって事は俺は最大でも55を超えて無いって事だな。チュールは頭いいな」
「本当に…… ギースがSランクダンジョンのボス倒したのかな?」
「それは間違いないさ、ドロップのすっげえ宝を大量に持ち帰ってたしな」
「そうなんだ。で? カインはSランクダンジョンから帰る時にはみんなと一緒に帰ったの?」
「あいつらはボス部屋の脱出魔法陣から戻ったから、俺は一人で歩いて戻ったさ」
「Sランクダンジョンの最下層から?」
「ああそうだ。お陰で高い魔導具を大量に消費しちまったし、踏んだり蹴ったりだった」
「敵を倒してドロップとか集めなかったの?」
「食材集めの必要も無かったから、無駄な戦闘はしないさ」
「それって、カインはSランクダンジョンでもソロで最下層迄辿り着けるって事?」
「大量の魔導具を消費しながらだぞ? 全然凄くない」
「でも『ドラゴンブレス』の他のメンバーで一人で最下層迄辿り着ける人とか居るの?」
「出来るんじゃないのか? 俺よりレベル高いんだし」
「えーと…… 今までそのダンジョンをクリアしたクランって沢山あるの?」
「いや。Sランクのダンジョン踏破は、世界初の快挙だ。だから、ギースのメインパーティの4人は貴族に陞爵してそれぞれ称号も受けた」
「なのに、カインは首?」
「あーギースは俺を気遣って、『バフや回復も届かせる事が出来ないんじゃ、いつか俺を死なせてしまう。そんな姿を見たくないんだ』って涙ながらに、首を宣告した」
『……ウサンクサッ』
「何か言ったかチュール?」
「いや何でもないよ……」
「だから俺は、故郷に戻って好きな料理を作って人の笑顔が見れる生活をするんだ」
「そっか。カインがそれでいいなら、私もそれでいいよ。ギースって人のお陰で、私はカインに出会えたんだから、私もギースに感謝する事にするよ」
「そう言えば、チュールって随分物知りって言うか、話し方とか子供っぽく無いけどいくつなんだ?」
「14歳だよ? 来年で成人」
「マジかよ…… 8歳くらいだと思ってたぞ」
「カイン失礼。夕ご飯。超美味しいの作ってくれなきゃ許さない」
「フッ俺は何が有ろうと作る飯に手は抜かない。俺が作ればただの卵かけでも、最高のディナーだと言わせて見せるぜ」
「楽しみ」
「まぁ、話聞いて貰ったら、大分気が楽になった。ありがとうなチュール」
私は、カインの実力って実はもっと凄いと思ってるけど、それはカインが自分で気づくべきだと思うし、今はただこの美味しいご飯を作ってくれる人を見守ろうって思った。
「へー凄いじゃない、私でも名前を聞いた事がある様なクランだよ」
「そこで、サポート班のリーダーをクランの結成当時からやっていた」
「うん。カインの実力なら納得だね」
「まぁ、クランの隊長をしているギースが同郷の幼馴染だったからって言うのもあって、そのおまけみたいなもんだけどな」
「そうなんだ……」
「俺は足手まといにならない様に、必死でサポート職を極めるために頑張ったさ。クラン結成前のパーティ単位で動いてた時から、メインの戦闘職の剣士『ギース』タンクの『ハルク』攻撃魔法の使い手『ミルキー』回復からバフまで幅広くこなす『フィル』そして俺料理人の『カイン』だ。とてもバランスの取れた良いパーティだった」
「強そうだね」
「まぁそれだけのメンバーが居たから順調に依頼をこなしてランクを上げ、Sランクパーティになったドラゴンブレスはクランを創設したんだ。量より質で、徹底的に才能のある奴らをスカウトして行った。そうして今の5パーティー20人の戦闘職と6人のサポート職が集まったのが、今のクラン『ドラゴンブレス』なんだ」
「なんで、カインは首になったの?」
「LV差かな。基本パーティを組んで狩りをするだろ? パーティの上限は5人だから、クランを組んでからの俺はいつもソロだった。食材収集と斥候してる時に邪魔になった魔物以外は倒さなかったから迷惑かけるしな」
「えー? そんなのおかしく無い? それじゃぁカインだけLVが上がらなくて差が付いちゃったって事?」
「そうだと思う。この世界のサポートスキルの仕様は知ってるよな?」
「LV10を超えると、LV差が倍開けば回復魔法や、バフ系のスキルの恩恵が得られないって言うルールだよね?」
「先月『ドラゴンブレス』のメンバーでSランクダンジョンを踏破したんだが、その最後のボス戦を迎える時に気づいたんだ。バフは同一パーティでなくても掛けられるだろ?」
「うん」
「だから、俺は普段フィルのMP消費の節約でバフは無しで行動してたんだけど、流石にSランクダンジョンのボスが相手じゃ危ないから、俺にバフを掛けてくれようとしたんだよ」
「へーちゃんと仲間してるじゃん」
「だが……無理だった。俺にはバフが届かなかったんだよ。『ボスと戦うのにバフ無しでは一緒に連れて行く事は出来ない』とギースが俺に告げたよ。俺は悔しいがそれを受け入れた。そしてギースの率いる『ドラゴンブレス』は僅か5分程の戦闘時間で、Sランクダンジョンのボスを倒した」
「Sランクダンジョンのボスが5分って相当凄くない?」
「凄いんだよ。そんな凄いクランが『ドラゴンブレス』なんだよ。俺なんかじゃバフもかけて貰えない程度の雑魚なんだよ」
「それでもカインは、あんなに強いって『ドラゴンブレス』の凄さが伝わる話だよね」
「大体、あのSランクダンジョンを攻略した日は、おかしな事が続いたんだよな。いつもの様に先乗りで雑魚敵をやっつけながら先行してたら、俺では気づけなかった転移トラップが発動して、でっかいトカゲが現れやがってな。そいつはトカゲのくせに人の言葉を喋りやがるんだぜ。気味悪いだろ? 俺は余りにも気味悪いから、そいつを倒したんだよな。すると今度は一層に転移トラップが発動して、俺はギース達に追いつくために必死でダンジョンを駆け抜けたんだ。そうまでして追いついたのに、フィルのバフは受ける事が出来ず、ボス戦にも参加できなかった」
「ねぇ……カイン。 ちょっといいかな?」
「どうした、チュール」
「カインのレベルっていくつ?」
「俺は鑑定は持って無いし、ギルドで鑑定を受けると金が掛かるから一度も調べた事ないぞ」
「えーとね…… ギースやフィルのレベルは知ってる?」
「確か110くらいだとか言ってたな。あ、そうか、俺にバフが掛からなかったって事は俺は最大でも55を超えて無いって事だな。チュールは頭いいな」
「本当に…… ギースがSランクダンジョンのボス倒したのかな?」
「それは間違いないさ、ドロップのすっげえ宝を大量に持ち帰ってたしな」
「そうなんだ。で? カインはSランクダンジョンから帰る時にはみんなと一緒に帰ったの?」
「あいつらはボス部屋の脱出魔法陣から戻ったから、俺は一人で歩いて戻ったさ」
「Sランクダンジョンの最下層から?」
「ああそうだ。お陰で高い魔導具を大量に消費しちまったし、踏んだり蹴ったりだった」
「敵を倒してドロップとか集めなかったの?」
「食材集めの必要も無かったから、無駄な戦闘はしないさ」
「それって、カインはSランクダンジョンでもソロで最下層迄辿り着けるって事?」
「大量の魔導具を消費しながらだぞ? 全然凄くない」
「でも『ドラゴンブレス』の他のメンバーで一人で最下層迄辿り着ける人とか居るの?」
「出来るんじゃないのか? 俺よりレベル高いんだし」
「えーと…… 今までそのダンジョンをクリアしたクランって沢山あるの?」
「いや。Sランクのダンジョン踏破は、世界初の快挙だ。だから、ギースのメインパーティの4人は貴族に陞爵してそれぞれ称号も受けた」
「なのに、カインは首?」
「あーギースは俺を気遣って、『バフや回復も届かせる事が出来ないんじゃ、いつか俺を死なせてしまう。そんな姿を見たくないんだ』って涙ながらに、首を宣告した」
『……ウサンクサッ』
「何か言ったかチュール?」
「いや何でもないよ……」
「だから俺は、故郷に戻って好きな料理を作って人の笑顔が見れる生活をするんだ」
「そっか。カインがそれでいいなら、私もそれでいいよ。ギースって人のお陰で、私はカインに出会えたんだから、私もギースに感謝する事にするよ」
「そう言えば、チュールって随分物知りって言うか、話し方とか子供っぽく無いけどいくつなんだ?」
「14歳だよ? 来年で成人」
「マジかよ…… 8歳くらいだと思ってたぞ」
「カイン失礼。夕ご飯。超美味しいの作ってくれなきゃ許さない」
「フッ俺は何が有ろうと作る飯に手は抜かない。俺が作ればただの卵かけでも、最高のディナーだと言わせて見せるぜ」
「楽しみ」
「まぁ、話聞いて貰ったら、大分気が楽になった。ありがとうなチュール」
私は、カインの実力って実はもっと凄いと思ってるけど、それはカインが自分で気づくべきだと思うし、今はただこの美味しいご飯を作ってくれる人を見守ろうって思った。
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