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第41話 帝国の動き
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「マクレガー大佐。お前らはそれでよくおめおめと逃げ帰れたもんだな」
「ギルバート将軍。あの状態で我らにはどうする事も出来ませんでした。あの場で一緒に全滅をしなかったことを、罪だと仰るなら甘んじて受け入れましょう。ただ、部下は私の命令に従っただけです。大きく減らしてしまった遠征軍を立て直すためにも必要です。責任は私一人にあります」
「帝国諸侯1万の貴族家が今回の遠征には、次期当主を派遣していた。そして、戻って来たものは、マクレガーの指揮下に居た1000名の下級貴族家の跡取りと、本体の詰め所から遠く離れた場所に陣を構えていた、中央貴族家との縁が薄かった者たちが1000名程だ。中央貴族家との繋がりが深かった上位貴族の跡取りは8000名がその地に骨を埋める事となった。兵を含めればその10倍8万もの数だ」
「はい。それも伺いました」
「本体に従軍していた者は、助かった者たちも殆ど何が起こったのか解らぬと言っておる。いきなり炎と雷と氷が渦巻いて襲ってきて、逃げる事が精いっぱいだったと」
「将軍。私はこの目でその存在を見ました」
「なんと! 何だったのだ敵は? 王国の新兵器か?」
「ヒュドラでございます」
「SSランクの災厄級と呼ばれる魔物のヒュドラか? では戦で負けたのではなく魔物に襲われて領土を取られたというのか?」
「私自身、ヒュドラを見たのは初めてですが、話に聞くような3つ首のドラゴンがそれぞれの口から恐ろしい勢いの、魔法攻撃を放っておりました」
「真か、あの場所でドラゴンが出たなど過去に一度も無かった筈だが、どこから現れたのだ? それよりも戦で負けたわけでも無く領地の割譲など、あってはならん事だ何としてでもあの地を取り返さねば」
「私が見たのは黄金のドラゴンで羽はありましたが、地に足を付けて首だけを動かし攻撃をしていました。かなりの大きさのドラゴンですので、あの場を離れるのに飛んで移動したなら、人目にとまった筈ですが、我らが撤退する際に村人たちに確認したところ、誰もその姿は見ていないと言う事でした。」
「黄金色だと? 200年ほど前にヒュドラが現れた話は、私も聞き及んでいるがそれは赤黒い身体に10m程の背丈であったと記されておる」
「今回のヒュドラは、背丈は精々5m程でした」
「問題は、どこへ消えたのかだな。あの土地の守り神であったとかの可能性もあるのかもしれぬな」
「どちらにしても、ヒュドラが存在している以上あの土地への侵攻は危険であると判断すべきです」
「しかし…… 魔物か。我らの管轄とは違うな。冒険者ギルドに指名依頼を出しヒュドラの討伐を求めよう。それであれば帝国軍では無いから、王国に編入されたあの土地で活動をしても、王国に文句は言わせぬ」
「指名依頼は誰に出されるのですか?」
「それほどの敵だ。Sランク冒険者4名をギルド協会本部から集めて貰い、共同受注して貰うべきだろうな」
「それは…… こちらの言う事を果たして聞くでしょうか? 彼らはそれぞれが相当に癖のある者だとも聞き及んでいます」
「他に手はない。マクレガーはヒュドラ討伐がなされれば、今回生き残った者を集め、王国からあの領地を取り戻すのだ。それが成功すれば今回の逃亡に関しては不問とする。出来なければ死ぬしかなかろう。後継者を亡くした貴族家がそれ以外では納得しない」
「寛大な処置をありがとうございます。しかし…… 諸侯軍は呼びかけに応じるでしょうか?」
「今回生き残った者達は、一律、立場的に非常に厳しい状況だ。受けなければこの国の貴族として生き残る事は出来ないだろう」
「解りました。それでは通達はお任せしてよろしいでしょうか? 私は王国のあの土地での支配状況などを調べ、迅速に奪還作戦を行うための潜入調査に入ります」
「解った」
◇◆◇◆
(ギルド協会本部 ギルドマスター ボルビック)
「ヒュドラですか? ギルバート将軍」
「ああ、間違いない情報だ。帝国軍8万を一夜にして壊滅させたのは、黄金のヒュドラで間違いない、その討伐を冒険者ギルドに対して指名依頼で頼みたい。Sランク4名にだ」
「報酬は帝国が出されるんでしょうか? あの土地は現在王国の所有になったと伺っておりますが」
「戦争により負けたのであれば、土地の割譲もしょうがない事であるが、魔物の襲撃によって敗れた土地を王国に明け渡す理由は存在しない。ヒュドラの退治が成功すれば即刻取り戻す。そして今回の依頼料は参加で金貨1000枚、依頼完了で更に4000枚を払おう。勿論4名それぞれにだ」
「凄い額ですな。早急に連絡は取りますが、現時点では招集を確約は出来ません。それぞれに返事を聞き、連絡を差し上げます」
参ったな、あいつらが手を組んで仕事をこなすなんて事があるだろうか?
このオルドラ帝国にある、世界冒険者ギルド協会の本部に登録のあるS級認定冒険者は。
『破壊の剣神』ジュウベエ アケボノ国
『大賢者』 シュタットガルド オルドラ帝国
『悪魔使い』 レオネア ベッケン通商連合国
『神の使徒』 メーガン サンクト聖教国
だが、実際はもう一名、グリード王国においてSランク認定されている、カインと言う者もいるが、公表もしていないし、今回の指名にも入っていないので、それは問題無かろう。
大体、錚々たる二つ名を持つメンバーの中で比べてもカインの職業は『料理人』でしかない。
何故そんなサポート職をSランクに認定したのか、王都のマスターであるヴィンセント卿の考えも理解できない。
Sランクダンジョンの踏破をして、勇者の称号を贈られたとか言うギースの方がまともな気がするけどな?
あの4人のSランク冒険者ですら、Sランクダンジョンの攻略が達成されていないのは、奴らがつるむ事が嫌いだからに他ならない。
流石にソロでの攻略は危険だと思い、取り組んでなかったのだ。
もしあいつらがパーティを組めば、もっと早期にSランクダンジョンの攻略はなされていただろう。
あいつらも明らかに自分より格下と思っていたであろう、ギースによって史上初のSランクダンジョン攻略と言う事実を突きつけられて、少しは協力して難易度の高いクエストを攻略しようと言う考えでも持てば良いんだが……
閑話休題
それぞれの国の、ギルド本部へと緊急指名依頼で集合を要請したが、果たして集まるのか?
一応、指名依頼に対しては断る場合にも、理由を言わなければならない決まりはあるが、あいつらは決まり事など気にもしないからな。
「めんどくさいから辞める」とでも言われてしまえば、困るのはギルドだからだ。
しかし、SSランク指定のヒュドラか……
帝都を襲ってきたりしたら、洒落にならないな。
今はあの4人のSランク冒険者が依頼を受けてくれる事を願うのみだ。
「ギルバート将軍。あの状態で我らにはどうする事も出来ませんでした。あの場で一緒に全滅をしなかったことを、罪だと仰るなら甘んじて受け入れましょう。ただ、部下は私の命令に従っただけです。大きく減らしてしまった遠征軍を立て直すためにも必要です。責任は私一人にあります」
「帝国諸侯1万の貴族家が今回の遠征には、次期当主を派遣していた。そして、戻って来たものは、マクレガーの指揮下に居た1000名の下級貴族家の跡取りと、本体の詰め所から遠く離れた場所に陣を構えていた、中央貴族家との縁が薄かった者たちが1000名程だ。中央貴族家との繋がりが深かった上位貴族の跡取りは8000名がその地に骨を埋める事となった。兵を含めればその10倍8万もの数だ」
「はい。それも伺いました」
「本体に従軍していた者は、助かった者たちも殆ど何が起こったのか解らぬと言っておる。いきなり炎と雷と氷が渦巻いて襲ってきて、逃げる事が精いっぱいだったと」
「将軍。私はこの目でその存在を見ました」
「なんと! 何だったのだ敵は? 王国の新兵器か?」
「ヒュドラでございます」
「SSランクの災厄級と呼ばれる魔物のヒュドラか? では戦で負けたのではなく魔物に襲われて領土を取られたというのか?」
「私自身、ヒュドラを見たのは初めてですが、話に聞くような3つ首のドラゴンがそれぞれの口から恐ろしい勢いの、魔法攻撃を放っておりました」
「真か、あの場所でドラゴンが出たなど過去に一度も無かった筈だが、どこから現れたのだ? それよりも戦で負けたわけでも無く領地の割譲など、あってはならん事だ何としてでもあの地を取り返さねば」
「私が見たのは黄金のドラゴンで羽はありましたが、地に足を付けて首だけを動かし攻撃をしていました。かなりの大きさのドラゴンですので、あの場を離れるのに飛んで移動したなら、人目にとまった筈ですが、我らが撤退する際に村人たちに確認したところ、誰もその姿は見ていないと言う事でした。」
「黄金色だと? 200年ほど前にヒュドラが現れた話は、私も聞き及んでいるがそれは赤黒い身体に10m程の背丈であったと記されておる」
「今回のヒュドラは、背丈は精々5m程でした」
「問題は、どこへ消えたのかだな。あの土地の守り神であったとかの可能性もあるのかもしれぬな」
「どちらにしても、ヒュドラが存在している以上あの土地への侵攻は危険であると判断すべきです」
「しかし…… 魔物か。我らの管轄とは違うな。冒険者ギルドに指名依頼を出しヒュドラの討伐を求めよう。それであれば帝国軍では無いから、王国に編入されたあの土地で活動をしても、王国に文句は言わせぬ」
「指名依頼は誰に出されるのですか?」
「それほどの敵だ。Sランク冒険者4名をギルド協会本部から集めて貰い、共同受注して貰うべきだろうな」
「それは…… こちらの言う事を果たして聞くでしょうか? 彼らはそれぞれが相当に癖のある者だとも聞き及んでいます」
「他に手はない。マクレガーはヒュドラ討伐がなされれば、今回生き残った者を集め、王国からあの領地を取り戻すのだ。それが成功すれば今回の逃亡に関しては不問とする。出来なければ死ぬしかなかろう。後継者を亡くした貴族家がそれ以外では納得しない」
「寛大な処置をありがとうございます。しかし…… 諸侯軍は呼びかけに応じるでしょうか?」
「今回生き残った者達は、一律、立場的に非常に厳しい状況だ。受けなければこの国の貴族として生き残る事は出来ないだろう」
「解りました。それでは通達はお任せしてよろしいでしょうか? 私は王国のあの土地での支配状況などを調べ、迅速に奪還作戦を行うための潜入調査に入ります」
「解った」
◇◆◇◆
(ギルド協会本部 ギルドマスター ボルビック)
「ヒュドラですか? ギルバート将軍」
「ああ、間違いない情報だ。帝国軍8万を一夜にして壊滅させたのは、黄金のヒュドラで間違いない、その討伐を冒険者ギルドに対して指名依頼で頼みたい。Sランク4名にだ」
「報酬は帝国が出されるんでしょうか? あの土地は現在王国の所有になったと伺っておりますが」
「戦争により負けたのであれば、土地の割譲もしょうがない事であるが、魔物の襲撃によって敗れた土地を王国に明け渡す理由は存在しない。ヒュドラの退治が成功すれば即刻取り戻す。そして今回の依頼料は参加で金貨1000枚、依頼完了で更に4000枚を払おう。勿論4名それぞれにだ」
「凄い額ですな。早急に連絡は取りますが、現時点では招集を確約は出来ません。それぞれに返事を聞き、連絡を差し上げます」
参ったな、あいつらが手を組んで仕事をこなすなんて事があるだろうか?
このオルドラ帝国にある、世界冒険者ギルド協会の本部に登録のあるS級認定冒険者は。
『破壊の剣神』ジュウベエ アケボノ国
『大賢者』 シュタットガルド オルドラ帝国
『悪魔使い』 レオネア ベッケン通商連合国
『神の使徒』 メーガン サンクト聖教国
だが、実際はもう一名、グリード王国においてSランク認定されている、カインと言う者もいるが、公表もしていないし、今回の指名にも入っていないので、それは問題無かろう。
大体、錚々たる二つ名を持つメンバーの中で比べてもカインの職業は『料理人』でしかない。
何故そんなサポート職をSランクに認定したのか、王都のマスターであるヴィンセント卿の考えも理解できない。
Sランクダンジョンの踏破をして、勇者の称号を贈られたとか言うギースの方がまともな気がするけどな?
あの4人のSランク冒険者ですら、Sランクダンジョンの攻略が達成されていないのは、奴らがつるむ事が嫌いだからに他ならない。
流石にソロでの攻略は危険だと思い、取り組んでなかったのだ。
もしあいつらがパーティを組めば、もっと早期にSランクダンジョンの攻略はなされていただろう。
あいつらも明らかに自分より格下と思っていたであろう、ギースによって史上初のSランクダンジョン攻略と言う事実を突きつけられて、少しは協力して難易度の高いクエストを攻略しようと言う考えでも持てば良いんだが……
閑話休題
それぞれの国の、ギルド本部へと緊急指名依頼で集合を要請したが、果たして集まるのか?
一応、指名依頼に対しては断る場合にも、理由を言わなければならない決まりはあるが、あいつらは決まり事など気にもしないからな。
「めんどくさいから辞める」とでも言われてしまえば、困るのはギルドだからだ。
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