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第62話 ベーコンとパンチェッタ
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カール村から見れば、目の良い者であれば全長50mのΩは視認出来ただろう。
ただし、そう言う飛行船と言う存在が空を飛んでいる事があると思っていればだ。
常識にそう言う存在がない以上、10㎞も離れた空に豆粒程度に見える飛空船を視覚に捉える事はやはり難しいと思う。
まぁもしギースが古代遺跡から出て来て、上空を見上げれば流石に気づいただろうが……
艦首から黄金のヒュドラが三つの首を出し、黄金の羽根を羽ばたかせながら飛び立つ様子は凄まじい迫力があった筈だ。
カインたちは船内に居るので、客観的に見る事は叶わないのだが……
ゆっくり目の速度で進行しながら、俺はオメガの船内で料理を作り始めた。
このキッチンは魔導具のコンロに、スチームコンベクションオーブン迄備わっていて、燻製室も大きなサイズの物が作り付けで備わっている。
更に凄いのは、魔導具の熟成庫なる物の存在だ。
例えばベーコンを作りたい時など塩を擦り込んだ肉を二週間程寝かせる作業があるので、拠点を決めて逗留していないと中々手が出せなかった。
それをこの魔導熟成庫を使えば、二時間程で十分塩が馴染み旨味成分が引き出された状態に出来る。
後は燻製庫で好みの香りのチップで燻すだけだ。
香りの付け方は繊細な判断が必要なので、時短は行わない方が良いと思う。
今日は先日メーガンに分けて貰った、オークジェネラルのバラ肉を使ったベーコン作りを行っている。
量が多いので半分はパンチェッタにしておく。
生ベーコンといった感じの見た目だけど、燻煙を当てないので乾燥塩漬け肉と言う感じだ。
まずはベーコンから。
オークジェネラルのバラ肉の水分をしっかりと拭き取り、フォークで満遍なくつついて、味がしみ込みやすくして置く。
このお肉をソミュール液と呼ばれる塩水につける。
直接塩を擦り込むよりも、味がマイルドになるから、俺はソミュール液派だな。
この液は俺は塩分20%砂糖10%で合わせる。
香辛料を加えるピックル液を使う人も多いが、素材が優れている場合はソミュール液の方が合うと思ってる。
これに4日間ほど漬け込むが、魔導熟成庫を使うなら30分ほどで十分だ。
マジ便利!
塩抜きを行うけど、これも魔導熟成庫なら真水に付けて10分ほどで十分だ。
通常はこの後1時間程ボイルをするんだけど、俺はボイルはしない。
80度以上の温度に上げてしまうと、食感は硬めになるし肉のうまみも抜けてしまうと感じるからだ。
その替りに、コンベクションオーブンを使い60度に設定して、12時間かけてじっくりと火を通す。
余分な水分をしっかりと拭き取り、通常なら丸一日乾燥させるんだけど、魔導熟成庫で15分程で十分だ。
ここまで行けば後は最後の仕上げ!
そう燻製だ。
俺は桜のチップに10%程のミカンのチップを混ぜる。
更にお茶の葉を一つまみ加える。
これで4時間程燻製する、この時も俺は温燻と呼ばれる温度帯の60度の温度で燻す。
ほぼ一日仕事になるが、途中はβとγに温度管理だけをしっかりと頼んで、のんびりできたので良しとしよう。
同時進行で作るパンチェッタは、肉にフォークを突き刺す所までは同じだ。
その後は、ソミュール液では無く塩を直接擦り込む。
肉の重さに対して3%程度の量が丁度いい。
ローズマリーとローリエ、タイムを俺は粉末にして使う。
後は粗びきの黒コショーこれをしっかりと表面に擦り込み、吸水性の高い布か紙に包む。
通常なら1日一回は給水紙を取り換えながら、一週間程寝かすのだが、魔導熟成庫のお陰で、30分に一度給水紙を取り換えながら3時間程で、完璧な仕上がりを見せた。
切り口もちょっとだけねっとりした蝋燭の蝋の様に艶がある。
オークジェネラルの旨味成分が凝縮した、素晴らしい仕上がりだ。
切り出したものを、みんなに試食して貰った。
「どうだ? 美味いだろ」
「すげえぁこのパンチェッタ。ワインがどんだけあっても足らないぞ」
「僕もこんなに美味しいのは初めてだよ。ハーブの香りが素敵だね」
「この間のトンカツにも全然劣らない素晴らしいパンチェッタですね」
「わしはこのパンチェッタを使った、パスタが食べたいぞ」
この爺さんの放ったパスタの一言で、フィル達もすっかりパスタな気分になった様で、カルボナーラを作って出してやった。
「すっごーい。超美味しいよ」
「卵の黄身とチーズのバランスがこのパンチェッタにめちゃ合うね」
「幸せな味です」
普段は「うん」だけで済ますうちの子たちも、Sランク達の蘊蓄交じりな感想に感化されて、少し表現が豊かだった。
俺は言葉なんかなくたって、顔を見れば満足度が伝わるからそれで充分なんだけどな!
「明日の朝にはベーコンも完成するから楽しみにしとけよ?」
「「「うん」」」
やっぱり返事はシンプルな方が、解り易いな。
「カイン。そろそろ私の生まれた町。ニャーズの上空」
「了解だ。レオネア街から見えにくい位置に着水してくれ」
「了解だよ!」
カルボナーラをみんなで食べた後くらいの時間に、丁度ギャリオン王国の港町ニャーズの街の上空へと辿り着いた。
そのまま降りると大騒ぎになりそうなので、沖合に着水し船内に積んであったカッターボートに乗って、ニャーズの砂浜へと上陸した。
「この街ではあんまり問題が起きて欲しく無いけどな」と呟くと、フィルに突っ込まれた。
「カインお兄ちゃん。それってフラグ発言って言うやつだと思うよ!」
マジ勘弁だぜ……
ただし、そう言う飛行船と言う存在が空を飛んでいる事があると思っていればだ。
常識にそう言う存在がない以上、10㎞も離れた空に豆粒程度に見える飛空船を視覚に捉える事はやはり難しいと思う。
まぁもしギースが古代遺跡から出て来て、上空を見上げれば流石に気づいただろうが……
艦首から黄金のヒュドラが三つの首を出し、黄金の羽根を羽ばたかせながら飛び立つ様子は凄まじい迫力があった筈だ。
カインたちは船内に居るので、客観的に見る事は叶わないのだが……
ゆっくり目の速度で進行しながら、俺はオメガの船内で料理を作り始めた。
このキッチンは魔導具のコンロに、スチームコンベクションオーブン迄備わっていて、燻製室も大きなサイズの物が作り付けで備わっている。
更に凄いのは、魔導具の熟成庫なる物の存在だ。
例えばベーコンを作りたい時など塩を擦り込んだ肉を二週間程寝かせる作業があるので、拠点を決めて逗留していないと中々手が出せなかった。
それをこの魔導熟成庫を使えば、二時間程で十分塩が馴染み旨味成分が引き出された状態に出来る。
後は燻製庫で好みの香りのチップで燻すだけだ。
香りの付け方は繊細な判断が必要なので、時短は行わない方が良いと思う。
今日は先日メーガンに分けて貰った、オークジェネラルのバラ肉を使ったベーコン作りを行っている。
量が多いので半分はパンチェッタにしておく。
生ベーコンといった感じの見た目だけど、燻煙を当てないので乾燥塩漬け肉と言う感じだ。
まずはベーコンから。
オークジェネラルのバラ肉の水分をしっかりと拭き取り、フォークで満遍なくつついて、味がしみ込みやすくして置く。
このお肉をソミュール液と呼ばれる塩水につける。
直接塩を擦り込むよりも、味がマイルドになるから、俺はソミュール液派だな。
この液は俺は塩分20%砂糖10%で合わせる。
香辛料を加えるピックル液を使う人も多いが、素材が優れている場合はソミュール液の方が合うと思ってる。
これに4日間ほど漬け込むが、魔導熟成庫を使うなら30分ほどで十分だ。
マジ便利!
塩抜きを行うけど、これも魔導熟成庫なら真水に付けて10分ほどで十分だ。
通常はこの後1時間程ボイルをするんだけど、俺はボイルはしない。
80度以上の温度に上げてしまうと、食感は硬めになるし肉のうまみも抜けてしまうと感じるからだ。
その替りに、コンベクションオーブンを使い60度に設定して、12時間かけてじっくりと火を通す。
余分な水分をしっかりと拭き取り、通常なら丸一日乾燥させるんだけど、魔導熟成庫で15分程で十分だ。
ここまで行けば後は最後の仕上げ!
そう燻製だ。
俺は桜のチップに10%程のミカンのチップを混ぜる。
更にお茶の葉を一つまみ加える。
これで4時間程燻製する、この時も俺は温燻と呼ばれる温度帯の60度の温度で燻す。
ほぼ一日仕事になるが、途中はβとγに温度管理だけをしっかりと頼んで、のんびりできたので良しとしよう。
同時進行で作るパンチェッタは、肉にフォークを突き刺す所までは同じだ。
その後は、ソミュール液では無く塩を直接擦り込む。
肉の重さに対して3%程度の量が丁度いい。
ローズマリーとローリエ、タイムを俺は粉末にして使う。
後は粗びきの黒コショーこれをしっかりと表面に擦り込み、吸水性の高い布か紙に包む。
通常なら1日一回は給水紙を取り換えながら、一週間程寝かすのだが、魔導熟成庫のお陰で、30分に一度給水紙を取り換えながら3時間程で、完璧な仕上がりを見せた。
切り口もちょっとだけねっとりした蝋燭の蝋の様に艶がある。
オークジェネラルの旨味成分が凝縮した、素晴らしい仕上がりだ。
切り出したものを、みんなに試食して貰った。
「どうだ? 美味いだろ」
「すげえぁこのパンチェッタ。ワインがどんだけあっても足らないぞ」
「僕もこんなに美味しいのは初めてだよ。ハーブの香りが素敵だね」
「この間のトンカツにも全然劣らない素晴らしいパンチェッタですね」
「わしはこのパンチェッタを使った、パスタが食べたいぞ」
この爺さんの放ったパスタの一言で、フィル達もすっかりパスタな気分になった様で、カルボナーラを作って出してやった。
「すっごーい。超美味しいよ」
「卵の黄身とチーズのバランスがこのパンチェッタにめちゃ合うね」
「幸せな味です」
普段は「うん」だけで済ますうちの子たちも、Sランク達の蘊蓄交じりな感想に感化されて、少し表現が豊かだった。
俺は言葉なんかなくたって、顔を見れば満足度が伝わるからそれで充分なんだけどな!
「明日の朝にはベーコンも完成するから楽しみにしとけよ?」
「「「うん」」」
やっぱり返事はシンプルな方が、解り易いな。
「カイン。そろそろ私の生まれた町。ニャーズの上空」
「了解だ。レオネア街から見えにくい位置に着水してくれ」
「了解だよ!」
カルボナーラをみんなで食べた後くらいの時間に、丁度ギャリオン王国の港町ニャーズの街の上空へと辿り着いた。
そのまま降りると大騒ぎになりそうなので、沖合に着水し船内に積んであったカッターボートに乗って、ニャーズの砂浜へと上陸した。
「この街ではあんまり問題が起きて欲しく無いけどな」と呟くと、フィルに突っ込まれた。
「カインお兄ちゃん。それってフラグ発言って言うやつだと思うよ!」
マジ勘弁だぜ……
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