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第83話 爺ちゃん……
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俺達はゴーレムを片付け終わると、帝都ギルドへと顔を出した。
「メーガン様。ありがとうございました帝都の危機は何とか乗り切る事が出来ました」
「ボルビック? 本当にそう思ってる? 帝国が大変なのは今からだと思うわよ」
「やはり…… 荒れますか?」
「間違いなくね、過去の歴史に照らし合わせても、国中が次の覇権を目指して大荒れになる筈よ。避難を求める人たちを取り纏めて誘導して上げれる様にしなさい」
「解りました。当面この帝国領のギルドが世界ギルド連合の本部機能を果たす事も困難になると思いますので、何かありましたら王国ギルドをご活用下さりますようにお願いします」
「解りました。冒険者ギルドが政治的な活動に利用されない様によろしく頼むわね」
「解りました。メーガン様たちはどちらへ?」
「取り敢えずは、坊やを探しに行くわ。古代遺跡に向かったのね?」
「はい」
俺達は、オメガに乗り込むと古代遺跡へと向かった。
遺跡の場所に到着すると、そこにあったはずの遺跡は完全に崩壊して埋もれていた。
「シュタット爺、滅茶苦茶やりたがったな……」
「これは掘り起こすの大変だね」
「俺が掘り返すから、ある程度土砂がたまったら、レオネアのベルゼブブだっけ? に頼んでいいか?」
「了解」
それから三日間をかけて遺跡を掘り続けた。
「見つからねぇな」
「カイン。ここには地下にマグマの池などもあったのでしょ?」
「ああ。そうだ」
「そうだとすれば、この埋もれた状態で放置すると、火山となり大爆発を起こす可能性も高いわ。そうなればカール村にも危険が及ぶ可能性もあるわ」
「それは困るな」
「せめてマグマの池が露出する状態まで掘る必要はあるわね」
「解った。頑張るよ」
「しかし…… カイン。お前の生活魔法はどんな性能なんだ。殆ど山と言っても良いこの状態を穴だらけにしちまうとか、絶対におかしいだろ」
「出来る物はしょうがない」
「……」
「チュールの生活魔法も段々強力になってるよね。これは何が影響してるの?」
レオネアの質問に答えたのは、フィルだった。
「それは、恐らくカインお兄ちゃんのご飯の影響ですね」
「本来では、あり得ない効果を生み出せる何らかの要素が、カインお兄ちゃんの食事にはあります。『ドラゴンブレス』があれだけの成果を誇って来れたのも、きっとカインお兄ちゃんの食事のお陰だったって、今なら言い切る事が出来ます」
「そうか…… まぁそうだろうな。俺達が会ったギースには剣と鎧以外に何一つ優れた部分が見いだせなかったからな」
「みんな…… 見つかった…… シュタット爺ちゃんの遺体だ……」
解っていた事とは言え、こうやって遺体を目の前にすると…… 悲しさは押し寄せる。
「杖を預かるわ」
メーガンがシュタットガルドのメイン装備である、ミスリルとオリハルコンで作られた杖を魔法の鞄に収納した。
「この杖はね坊やの前に使っていたのは私がまだ駆け出し冒険者だった頃に大賢者と呼ばれた方だったわ。坊やは230年ぶりに現れたこの杖の主だったの。次の賢者が現れるのはいつになるかしらね……」
「ねぇメーガン。メーガンは一体何年生きられるの?」
「私はまだ子供を産んでいませんから、寿命は訪れないと思います」
「それは悲しくないのかな? 僕だったら何百年も生きて仲間がどんどん先に死んじゃうのをきっと耐えられないよ」
「レオネア。きっとあなたのいう事の方が正しいと思います。でも私は優れた技を持つ者の意思を、次の世代に繋ぐ事を楽しいとも思っています」
「そうなんだ…… 」
「そう言えば、帝都ギルドのボルビックが言っていました。坊やに娘さんが居るそうです」
「えええ? マジ? そんなの初めて聞いたよ」
「坊やの葬儀と埋葬は娘さんに決めて頂こうと思いますが、それで構いませんか?」
みんなの意見も一致したので、この遺跡からは撤退をする事にした。
オメガに乗り込むと上空から、シグマによる一斉攻撃を行い、その一帯はマグマの池が露出する場所となった。
しかし一行は、この時この場所から逃げ出していく三人の影を見落としていた。
「メーガン様。ありがとうございました帝都の危機は何とか乗り切る事が出来ました」
「ボルビック? 本当にそう思ってる? 帝国が大変なのは今からだと思うわよ」
「やはり…… 荒れますか?」
「間違いなくね、過去の歴史に照らし合わせても、国中が次の覇権を目指して大荒れになる筈よ。避難を求める人たちを取り纏めて誘導して上げれる様にしなさい」
「解りました。当面この帝国領のギルドが世界ギルド連合の本部機能を果たす事も困難になると思いますので、何かありましたら王国ギルドをご活用下さりますようにお願いします」
「解りました。冒険者ギルドが政治的な活動に利用されない様によろしく頼むわね」
「解りました。メーガン様たちはどちらへ?」
「取り敢えずは、坊やを探しに行くわ。古代遺跡に向かったのね?」
「はい」
俺達は、オメガに乗り込むと古代遺跡へと向かった。
遺跡の場所に到着すると、そこにあったはずの遺跡は完全に崩壊して埋もれていた。
「シュタット爺、滅茶苦茶やりたがったな……」
「これは掘り起こすの大変だね」
「俺が掘り返すから、ある程度土砂がたまったら、レオネアのベルゼブブだっけ? に頼んでいいか?」
「了解」
それから三日間をかけて遺跡を掘り続けた。
「見つからねぇな」
「カイン。ここには地下にマグマの池などもあったのでしょ?」
「ああ。そうだ」
「そうだとすれば、この埋もれた状態で放置すると、火山となり大爆発を起こす可能性も高いわ。そうなればカール村にも危険が及ぶ可能性もあるわ」
「それは困るな」
「せめてマグマの池が露出する状態まで掘る必要はあるわね」
「解った。頑張るよ」
「しかし…… カイン。お前の生活魔法はどんな性能なんだ。殆ど山と言っても良いこの状態を穴だらけにしちまうとか、絶対におかしいだろ」
「出来る物はしょうがない」
「……」
「チュールの生活魔法も段々強力になってるよね。これは何が影響してるの?」
レオネアの質問に答えたのは、フィルだった。
「それは、恐らくカインお兄ちゃんのご飯の影響ですね」
「本来では、あり得ない効果を生み出せる何らかの要素が、カインお兄ちゃんの食事にはあります。『ドラゴンブレス』があれだけの成果を誇って来れたのも、きっとカインお兄ちゃんの食事のお陰だったって、今なら言い切る事が出来ます」
「そうか…… まぁそうだろうな。俺達が会ったギースには剣と鎧以外に何一つ優れた部分が見いだせなかったからな」
「みんな…… 見つかった…… シュタット爺ちゃんの遺体だ……」
解っていた事とは言え、こうやって遺体を目の前にすると…… 悲しさは押し寄せる。
「杖を預かるわ」
メーガンがシュタットガルドのメイン装備である、ミスリルとオリハルコンで作られた杖を魔法の鞄に収納した。
「この杖はね坊やの前に使っていたのは私がまだ駆け出し冒険者だった頃に大賢者と呼ばれた方だったわ。坊やは230年ぶりに現れたこの杖の主だったの。次の賢者が現れるのはいつになるかしらね……」
「ねぇメーガン。メーガンは一体何年生きられるの?」
「私はまだ子供を産んでいませんから、寿命は訪れないと思います」
「それは悲しくないのかな? 僕だったら何百年も生きて仲間がどんどん先に死んじゃうのをきっと耐えられないよ」
「レオネア。きっとあなたのいう事の方が正しいと思います。でも私は優れた技を持つ者の意思を、次の世代に繋ぐ事を楽しいとも思っています」
「そうなんだ…… 」
「そう言えば、帝都ギルドのボルビックが言っていました。坊やに娘さんが居るそうです」
「えええ? マジ? そんなの初めて聞いたよ」
「坊やの葬儀と埋葬は娘さんに決めて頂こうと思いますが、それで構いませんか?」
みんなの意見も一致したので、この遺跡からは撤退をする事にした。
オメガに乗り込むと上空から、シグマによる一斉攻撃を行い、その一帯はマグマの池が露出する場所となった。
しかし一行は、この時この場所から逃げ出していく三人の影を見落としていた。
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