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授業の終了を告げるチャイムが鳴ると、生徒たちは昼食のため一斉に散り散りに動き出した。ほとんどの生徒が食堂を利用する中、ベルーラは鞄から持参したランチボックスを取り出す。
ベルーラも、入学した当初は食堂を利用していたが、様々な学年のスクヴェルク兄弟を慕う令嬢たちの敵意に巻き込まれることが多く、それ以来利用するのを避けるようになった。
(さてと、そろそろ行こうかな)
料理長が丹精込めて作ってくれたランチボックスを片手にベルーラは“いつもの場所”へ向かう準備をした。
☆☆☆
「いただきます」
ベルーラは手を合わせ、ひとりランチボックスにお辞儀をした。
校舎から少し離れたこの場所は、かつて図書室として使われていた。
現在は、立派な図書室が新設されたため、ここには古びた書物や資料が積まれた、いわば“物置小屋”のような扱いになっていた。
校内の関係者もほとんど利用しなくなり、掃除の手も長く入っていなかった。しかし、ベルーラが通うようになってからは、彼女自身が少しずつ片付けを進め、今では以前よりずっと過ごしやすい場所になっていた。
(風が気持ちいいな・・・)
空気循環のため、開けた窓から心地よい風が吹き込み、ベルーラの心を落ち着かせた。
キリウとはあの夜会から、顔を合わせることがなくなった。騎士団としての務めに加え、マーヴェル王女が祝宴に赴く際、キリウも同行することが増え、忙しい日々を過ごしているようだった。
あの日、キリウからハンカチを手渡されるまで、自分が涙を流していたことに気がつかなかった。
『ベルーラ・・・愛してる・・・ずっと一緒にいてくれ』
あの言葉を耳にした瞬間、マーヴェル王女の面影がベルーラの心をかすめ、急ブレーキがかかった。
(あれは、私に向けた言葉じゃない・・・)
キリウの記憶が欠けている今、彼の中にあるマーヴェル王女への想いは、誤ってベルーラにすり替わっている・・・その事実は疑いようもなく、胸の奥に重くのしかかった。日に日にキリウへの想いが募る一方、いずれ記憶が戻った時、自分はどうなってしまうんだろう・・・そんな想像をするだけで、心が締めつけられ、息が詰まりそうになる。罪悪感がじわじわと胸を締めつけ、自分でも制御できないまま、無意識に涙が頬を伝っていた。
「記憶が戻ったら・・・きっとキリウ様は心を痛め、後悔するんだろうな・・・」
唇に指を当て、あの夜を思い出すたび、胸の奥が痛くなる。心臓は高鳴り、同時に、言葉にできない苦しさと哀しさが押し寄せた。
「誰が後悔するの?」
「!?」
べルーラが何気なく呟いた独り言に、自分以外の声が返ってきたのに驚かされ、思わず身体を大きくビクつかせた。
「あー、ごめんごめん。そんなビックリするなんて思わなかった」
「オルバ!最近、貴方には驚かされっぱなしなんですけど!」
声の方へ顔を向けると、開いた窓の向こうでオルバがケラケラと笑いながらこちらを覗き込んでいた。ベルーラは思わず眉をひそめ、鋭い視線を向けながら不機嫌そうに言葉をぶつけた。
「教室に行ったらいなかったからいつもの場所かなーと思って来たらビンゴだった」
オルバはひょいっと軽やかに窓枠から室内へ入り込むと、手に持っていた昼食の紙袋を机に置いた。
「ふー、やーっと落ち着ける」
オルバは席に座るや否や、袋から持参したサンドイッチを取り出し一口食べると安堵した表情を浮かべた。
「相変わらずおモテになって大変ですねー」
「茶化さないでよ。これでも周りに気を遣ってるから、結構疲れるんだよ。それよりさ、その・・・兄さんとは、あれからどう?」
聞きにくそうに問いかけるオルバに、ベルーラは本心を隠すようにさりげなく視線を逸らした。
「どうもこうも、この前の夜会で同伴して以来、一度も会ってないわ。最近はお務めも増えてお忙しそうだし、以前のような生活に戻っているんじゃないの?」
淡々と話すベルーラに一瞥をくれたオルバは、一瞬だけ目を細めた。そして、何かを飲み込むように口元を引き結び、困ったような表情を浮かべる。
「ほら、僕、寄宿舎から通ってるだろ? だから侯爵邸に帰るのは、週末とか私用がある時くらいなんだ。・・・で、この前、邸に寄った時にさ、使用人から聞いたんだけど・・・ああ、そっか。ベルは、まだ聞かされてなかったのか・・・しまったな」
オルバの含みのある言い方に、ベルーラは無意識に眉を寄せ、訝しげな表情を浮かべた。
「どういうこと?」
オルバは迷いを帯びた表情を浮かべ、言うべきかどうか一瞬、躊躇った。しかし、やはり伝えた方がいいと心を決め、ベルーラへ視線を向けた。
「実はね・・・」
☆☆☆
「キリウ様ッッ!!!」
我を忘れたベルーラは荒い息をつきながら、スクヴェルク家の使用人や侍女長の制止を振り切ってキリウの部屋へ駆け込んだ。そのまま書斎を突っ切り、奥にある寝室の扉を勢いよく開け放つ。
そこには、ベッドの背もたれに体を預け、手元の資料に視線を落としているキリウの姿だった。突然、勢いよく飛び込んできたベルーラに驚き、彼は口をぽかんと開けたまま動けずにいた。
「ベ、ベル!?いきなりどうしたんだ?」
べルーラは、キリウからの問いかけに応えようとするものの、息が上がって声にならず、そのまま力なく床にへたり込んだ。
ひとまず、ベルーラは何度か深呼吸して乱れた呼吸を整えると、キリウを鋭く睨みつけながら、ゆっくりとベッドのそばへ歩み寄った。
「『どうしたんだ?』、じゃないですよッ!・・・はあ、はあ・・・。でもとりあえず、ちゃんと話せる状態でよかった。オルバがあんな言い方をするから、てっきり」
「オルバが?」
「はあ、はあ・・・ベル、意外と足早かったんだね・・・あ、兄さん起きてたんだ」
キリウは状況を飲み込めず、困惑した表情で二人に視線を向けた。その時、軽く息を切らしたオルバが、開け放たれた扉の枠に肩を預け、片手を軽く上げて挨拶をした。
「オルバから、キリウ様が倒れたって聞いて・・・。もしかして、あの時の落馬が原因で、今になって脳に異常が出たんじゃないかって思って」
目の前で動くキリウの姿を見て、安堵のせいか、ベルーラの瞳にはうっすらと潤み滲んでいた。
「はぁー・・・オルバ、余計なことを。心配すると思って、あえて黙っていたのに。ベル、心配かけてごめん。ちょっとふらついただけだし、あの時の怪我とは関係ないから安心してほしい」
そう言うとキリウは、手元の書類をサイドテーブルに置いた。ベッドから降りるとベルーラの前で片膝を立て、少しでも不安を取り除くため優しく笑みを浮かべた。
「まだ、話の途中だったのに、飛び出しちゃったから最後まで話せなかったんだよ。でも、兄さんにとっては“怪我の功名”だったんじゃない?これを機にちゃんと二人で話し合いなよ」
オルバは、わずかに含みを帯びた視線をキリウに向けた。その視線の意味を察したのか、キリウは無言のまま、わずかに気まずそうな表情を浮かべていた。
「じゃあ、僕は一旦退出するよ」
オルバが部屋から出ようとするも、一旦足を止め振り向いた。
「ベルの早退手続きは、こっちで済ませてあるから安心して。それから、アカデミーに置いてある荷物もモーリス邸に送るよう手配しておいたよ。だから、兄さんとゆっくり過ごしてね♪」
「えっ!?ちょっ」
困惑を隠せないベルーラを横目に、オルバはキリウへ小さく目配せし、静かに部屋を出て行った。二人きりになると、キリウは何かを言いかけて口を開いたものの、すぐに言葉を飲み込み、ひと呼吸置いてから再び口を開いた。
「改めて、弟がすまなかった。俺は本当に元気だから」
「キリウ様・・・ほんとに良かった・・・」
ベルーラは目尻に滲んだ涙を指で拭い、ほっと息をつき、微笑んだ。その姿にキリウは思わず手を伸ばしかけたが、逡巡の末、その手を引っ込め、代わりに微笑を作った。その笑みはどこか儚く、胸の奥に残るざらつきを隠しきれなかった。
ベルーラも、入学した当初は食堂を利用していたが、様々な学年のスクヴェルク兄弟を慕う令嬢たちの敵意に巻き込まれることが多く、それ以来利用するのを避けるようになった。
(さてと、そろそろ行こうかな)
料理長が丹精込めて作ってくれたランチボックスを片手にベルーラは“いつもの場所”へ向かう準備をした。
☆☆☆
「いただきます」
ベルーラは手を合わせ、ひとりランチボックスにお辞儀をした。
校舎から少し離れたこの場所は、かつて図書室として使われていた。
現在は、立派な図書室が新設されたため、ここには古びた書物や資料が積まれた、いわば“物置小屋”のような扱いになっていた。
校内の関係者もほとんど利用しなくなり、掃除の手も長く入っていなかった。しかし、ベルーラが通うようになってからは、彼女自身が少しずつ片付けを進め、今では以前よりずっと過ごしやすい場所になっていた。
(風が気持ちいいな・・・)
空気循環のため、開けた窓から心地よい風が吹き込み、ベルーラの心を落ち着かせた。
キリウとはあの夜会から、顔を合わせることがなくなった。騎士団としての務めに加え、マーヴェル王女が祝宴に赴く際、キリウも同行することが増え、忙しい日々を過ごしているようだった。
あの日、キリウからハンカチを手渡されるまで、自分が涙を流していたことに気がつかなかった。
『ベルーラ・・・愛してる・・・ずっと一緒にいてくれ』
あの言葉を耳にした瞬間、マーヴェル王女の面影がベルーラの心をかすめ、急ブレーキがかかった。
(あれは、私に向けた言葉じゃない・・・)
キリウの記憶が欠けている今、彼の中にあるマーヴェル王女への想いは、誤ってベルーラにすり替わっている・・・その事実は疑いようもなく、胸の奥に重くのしかかった。日に日にキリウへの想いが募る一方、いずれ記憶が戻った時、自分はどうなってしまうんだろう・・・そんな想像をするだけで、心が締めつけられ、息が詰まりそうになる。罪悪感がじわじわと胸を締めつけ、自分でも制御できないまま、無意識に涙が頬を伝っていた。
「記憶が戻ったら・・・きっとキリウ様は心を痛め、後悔するんだろうな・・・」
唇に指を当て、あの夜を思い出すたび、胸の奥が痛くなる。心臓は高鳴り、同時に、言葉にできない苦しさと哀しさが押し寄せた。
「誰が後悔するの?」
「!?」
べルーラが何気なく呟いた独り言に、自分以外の声が返ってきたのに驚かされ、思わず身体を大きくビクつかせた。
「あー、ごめんごめん。そんなビックリするなんて思わなかった」
「オルバ!最近、貴方には驚かされっぱなしなんですけど!」
声の方へ顔を向けると、開いた窓の向こうでオルバがケラケラと笑いながらこちらを覗き込んでいた。ベルーラは思わず眉をひそめ、鋭い視線を向けながら不機嫌そうに言葉をぶつけた。
「教室に行ったらいなかったからいつもの場所かなーと思って来たらビンゴだった」
オルバはひょいっと軽やかに窓枠から室内へ入り込むと、手に持っていた昼食の紙袋を机に置いた。
「ふー、やーっと落ち着ける」
オルバは席に座るや否や、袋から持参したサンドイッチを取り出し一口食べると安堵した表情を浮かべた。
「相変わらずおモテになって大変ですねー」
「茶化さないでよ。これでも周りに気を遣ってるから、結構疲れるんだよ。それよりさ、その・・・兄さんとは、あれからどう?」
聞きにくそうに問いかけるオルバに、ベルーラは本心を隠すようにさりげなく視線を逸らした。
「どうもこうも、この前の夜会で同伴して以来、一度も会ってないわ。最近はお務めも増えてお忙しそうだし、以前のような生活に戻っているんじゃないの?」
淡々と話すベルーラに一瞥をくれたオルバは、一瞬だけ目を細めた。そして、何かを飲み込むように口元を引き結び、困ったような表情を浮かべる。
「ほら、僕、寄宿舎から通ってるだろ? だから侯爵邸に帰るのは、週末とか私用がある時くらいなんだ。・・・で、この前、邸に寄った時にさ、使用人から聞いたんだけど・・・ああ、そっか。ベルは、まだ聞かされてなかったのか・・・しまったな」
オルバの含みのある言い方に、ベルーラは無意識に眉を寄せ、訝しげな表情を浮かべた。
「どういうこと?」
オルバは迷いを帯びた表情を浮かべ、言うべきかどうか一瞬、躊躇った。しかし、やはり伝えた方がいいと心を決め、ベルーラへ視線を向けた。
「実はね・・・」
☆☆☆
「キリウ様ッッ!!!」
我を忘れたベルーラは荒い息をつきながら、スクヴェルク家の使用人や侍女長の制止を振り切ってキリウの部屋へ駆け込んだ。そのまま書斎を突っ切り、奥にある寝室の扉を勢いよく開け放つ。
そこには、ベッドの背もたれに体を預け、手元の資料に視線を落としているキリウの姿だった。突然、勢いよく飛び込んできたベルーラに驚き、彼は口をぽかんと開けたまま動けずにいた。
「ベ、ベル!?いきなりどうしたんだ?」
べルーラは、キリウからの問いかけに応えようとするものの、息が上がって声にならず、そのまま力なく床にへたり込んだ。
ひとまず、ベルーラは何度か深呼吸して乱れた呼吸を整えると、キリウを鋭く睨みつけながら、ゆっくりとベッドのそばへ歩み寄った。
「『どうしたんだ?』、じゃないですよッ!・・・はあ、はあ・・・。でもとりあえず、ちゃんと話せる状態でよかった。オルバがあんな言い方をするから、てっきり」
「オルバが?」
「はあ、はあ・・・ベル、意外と足早かったんだね・・・あ、兄さん起きてたんだ」
キリウは状況を飲み込めず、困惑した表情で二人に視線を向けた。その時、軽く息を切らしたオルバが、開け放たれた扉の枠に肩を預け、片手を軽く上げて挨拶をした。
「オルバから、キリウ様が倒れたって聞いて・・・。もしかして、あの時の落馬が原因で、今になって脳に異常が出たんじゃないかって思って」
目の前で動くキリウの姿を見て、安堵のせいか、ベルーラの瞳にはうっすらと潤み滲んでいた。
「はぁー・・・オルバ、余計なことを。心配すると思って、あえて黙っていたのに。ベル、心配かけてごめん。ちょっとふらついただけだし、あの時の怪我とは関係ないから安心してほしい」
そう言うとキリウは、手元の書類をサイドテーブルに置いた。ベッドから降りるとベルーラの前で片膝を立て、少しでも不安を取り除くため優しく笑みを浮かべた。
「まだ、話の途中だったのに、飛び出しちゃったから最後まで話せなかったんだよ。でも、兄さんにとっては“怪我の功名”だったんじゃない?これを機にちゃんと二人で話し合いなよ」
オルバは、わずかに含みを帯びた視線をキリウに向けた。その視線の意味を察したのか、キリウは無言のまま、わずかに気まずそうな表情を浮かべていた。
「じゃあ、僕は一旦退出するよ」
オルバが部屋から出ようとするも、一旦足を止め振り向いた。
「ベルの早退手続きは、こっちで済ませてあるから安心して。それから、アカデミーに置いてある荷物もモーリス邸に送るよう手配しておいたよ。だから、兄さんとゆっくり過ごしてね♪」
「えっ!?ちょっ」
困惑を隠せないベルーラを横目に、オルバはキリウへ小さく目配せし、静かに部屋を出て行った。二人きりになると、キリウは何かを言いかけて口を開いたものの、すぐに言葉を飲み込み、ひと呼吸置いてから再び口を開いた。
「改めて、弟がすまなかった。俺は本当に元気だから」
「キリウ様・・・ほんとに良かった・・・」
ベルーラは目尻に滲んだ涙を指で拭い、ほっと息をつき、微笑んだ。その姿にキリウは思わず手を伸ばしかけたが、逡巡の末、その手を引っ込め、代わりに微笑を作った。その笑みはどこか儚く、胸の奥に残るざらつきを隠しきれなかった。
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