公爵家の養女

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第一章

自己紹介

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 「どうした?」



 何段にも重なった大きな誕生日ケーキを皆で囲む中、何やら先ほどから辺りをキョロキョロと見渡しているリーナを不思議そうに見るエーデル。

 リーナは「ううん……!」と答えるも、明らかに辺りを気にしている様子。


 その時、エミリアが誕生日ケーキを切り、拍手が巻き起こる。

 それと同時にリーナは「エーデル私、ちょっと向こうで休憩して来るね」と伝えると、エーデルが止める暇もなくその場から離れて行ったのだ。



 「こっちの方に行ったと思ったんだけど……」



 中庭から、少し離れた場所へと誰かを探しに来たリーナだが、見失ってしまったのか、足を止め辺りを見渡す。 

 その時、遠くの方で女性たちの声が聞こえてき、あっちにいるかもしれないと、リーナが足を進めようとした時だった。



 「ヴァンディリア公爵令嬢」



 そうリーナの事を呼び止める声が聞こえて来る。

 その声に驚き振り返ると、そこにはリーナより少し背の高く、これと言って顔に印象がない同い年くらいの少年が笑み浮かべ立っていた。


 そんな少年にリーナは、何処かで見たことがあるようなと思っていると、少年は口を開く。



 「いきなり申し訳ございません。初めまして、シャスマン伯爵の息子、フィン・シャスマンです。」



 フィン・シャスマン。

 その名前を聞き、リーナは彼がエミリアの意中の相手であるのと同時に、ある日の彼が思い出される。


 リーナが社交界デビューをしてから一番初めに聞いた噂。

 それは、シャスマン家の長男は女癖が悪く、酒癖も悪いどうしようもない奴だと言うこと。


 リーナは遠くで一度、彼を見たことがあっただけで、人は見かけによらないのね。としか思っていなかったし、あまり間に受けていなかった。

 そのため、今の今まで名前も顔も覚えていなかったのだ。


 と言うか、ほとんどが大人になってから会った事がある人ばかりで、子どもの時に会っても誰が誰だか分からない。


 とにかく、回帰して来てからも特に関わったわけではないし、彼に声をかけられる理由がわからないリーナは「初め、まして……?」と曖昧な返事をする。



 「私に何か用ですか? シャスマン子息」



 早くその場から離れ、声がする方へと彼を探しに行きたいリーナは、早く会話を終わらせようと、そう尋ねると、シャスマン子息は何故か得意げに言うのだった。



 「僕はあまり、人をうちに招かない主義なんだけどね。君は僕が見て来た中でもとても美しい女性だ。だから、君を特別に招待をしたいと思ったんだ。」



 何故か上から目線でリーナを自宅に招こうとする彼に、リーナは「はぁ……」と訳がわからないと言いたげだ。

 だがその事に気づいていないのか、シャスマン子息は「是非、我が家に遊びに来ないか?」と再度リーナを誘う。


 (初対面で女性を家に誘うなんて何事? それに、彼はエミリアが好きなんじゃないの?)



 いろんな疑問が頭をよぎるが、リーナは公爵、それも帝国の剣と呼ばれるヴァンディリア家で彼は伯爵家。

 それなのに何故、敬語を使わず、馴れ馴れしく話しかけて来るのか。


 養女だから、女だから、色々と理由があるのだろう。こう言ったマナーのなっていない人間は嫌と言うほど見て来た。

 その美しい顔に笑みを浮かべると、シャスマン子息は頬を赤らめる。

 それも束の間。

 リーナははっきりと「お断りしますわ」と告げたのだ。


 まさか、断れるとは夢にも思っていなかったのか、彼は目玉が飛び出してしまうのではないかと思うくらい驚く。



 「なな、何故だ!?」

 「まだ私と子息は知り合ったばかりではありませんか。同性ならまだしも、異性をいきなり家に招くなど紳士としてあるまじき行為です」

 「それに、私はヴァンディリア公爵家の娘で貴方は伯爵家の息子。その事を承知した上で、その様な言葉遣いを使われているのなら、一度、礼法を学び直した方がよろしいと思いますわ」



 シャスマン子息が口を挟む隙もなく、そう注意をすると、リーナは「用があるのでこれで」と告げ、その場を後にする。

 残されたシャスマンは「養女のくせに生意気な……!」といなくなったリーナに向かい怒りを露わにするのだった。



 「はぁ……」



 シャスマン子息から離れたリーナは疲れ、一つため息をつく。

 回帰前は、リーナに対して攻撃的な態度をとって来る者が何人もいたため、言い返す事には慣れていたが、久しぶりだったので疲れてしまった。


 まだ、敵意がなかっただけ可愛いものかと思いながら、先ほど声がした方を歩いて行く。



 「グランべセル公子……!」



 声のした方はこっちだったわね、と思いながら歩いていた時、突如、何処か恥じる様な女性の声が聞こえてき、思わずリーナは足を止める。

 そして、向こうから姿が見えぬ様、建物の影に隠れるのだった。


 声のした方には、グランべセルの公子と令嬢が一人、向かい合い立っており、令嬢は頬を赤らめながらグランべセル公子に「あの……ずっと、公子の事が好きで……」と人がいるのにも気づかず思いを告げる。

 まさか、告白の場面に鉢合わせるなんて思っていなかったリーナは、驚きのあまり、自身の口を押さえ息を潜める。


 聞いてはまずいと思ったものの、驚きすぎて、その場を離れると言う思考に至らなかったリーナは、告白が終わるまでじっと息を殺すのだった。

 結果、その令嬢は公子に振られた。

 「俺には他にずっと好きな人がいるんです」そう公子がはっきりと言うと、令嬢は泣くのを我慢した様な声で、聞いてくれたことのお礼を告げると、その場を去っていった。


 何とも甘酸っぱいやり取りが行われている側で、ずっと息を凝らしていたリーナは、やっと息が出来るとめいいっぱい息を吸い込む。

 息ぐらい吸ってもバレないのに、文字通り息を凝らしていた彼女は、先ほどの公子の言葉を思い出す。



 『俺には他にずっと好きな人がいるんです』



 そして、回帰前に交わした、彼との最後の会話を思い出しては、やはりあの時の言葉は、自身のことを慰めようとして出た言葉だったのかと頷く。

 リーナと彼が出会ったのは、つい先日の事だから、彼が言う〝ずっと好きな人がいる〟と言うのには当てはまらない。

 一体、彼の好きな人はどんな人なのだろう。

 何故か、胸の辺りがちくりと痛む気がするが、気のせいだろうと、その場から離れようとした時だった。



 「ヴァンディリア公女」



 先程まで少し離れたところに居たグランべセル公子が、何故か直ぐそばにいたのだ。

 いきなり現れた彼にリーナは思わず大きな声で驚く。


 いつの間にこんな近くにいたのか。

 と言うか、さっきのやり取りを聞いていた事がバレてしまった。

 リーナは慌てて「た、たまたま通りかかったの……! 決して立ち聞きをしようとかそう言う意図は……!」と弁明する。

 そんなリーナに可笑しそうに「まだ何も言っていませんよ」と答える公子。



 「まぁ、ヴァンディリア公女がいる事は気づいていましたが」

 「えっ。じゃ、じゃあさっきの令嬢も気づいて……?」

 「いえ。止めようとしたのを遮られたので、気づいていなかったと思います」



 気づいていなかったのなら良かったと、ほっと胸を撫で下ろすリーナ。

 そんなリーナに公子は「それより、俺が言ったことも聞こえていたんですよね?」と問いかける。

 その質問の意図が分からず「え?」と顔を上げるリーナを、ニコッと笑みを浮かべ見る公子。


 公子が答えたと言うのはずっと好きな人がいる。と言うことだろうか。

 とにかく、聞こえていたのは事実なので「え、えぇ」と頷く。

 するとまた、公子は「どう思いました?」と意図が全く分からない問いを投げかけて来る。


 どう思いましたとは一体どう言うことだろうか。

 正直、公子に好きな人がいるんだとしか思わなかった。

 けれどそれをそのまま答えてしまっていいのか。

 リーナは頭の中でグルグル考えるも、何と言っていいのか分からず困っていると、公子はふっと吹き出す様に笑いだす。

 

 「すみません、変なことを聞いて。忘れてください」

 「い、いえ……」



 もしかして揶揄われたのかと思うが、リーナが知る彼はそう言ったことをする人ではなかったと思う。

 そんなリーナに公子は「それより、こんな所に一人で何をしていたんですか?」と問いかける。

 リーナは「あ」と公子のことを見ては、自身がこんな所までやって来た理由を思い出す。



 「……もしかして、あまりパーティーは楽しまれませんでしたか?」



 そう心配そうに問いかけて来る公子に、リーナは「え? ち、違います……!」と慌てて訂正する。

 そして少し前のめりになり言う。

 
 
 「公子がこっちの方へと行くのが見えたので……!」

 「え……」



 何故か驚いている公子を不思議に思いながらも、リーナは「この前の、音楽祭の日のお礼をちゃんと言いたくて」と言うと、公子は「音楽祭……?」と呟く。

 そして理解したのか「あぁ……そう言う……」と納得したかの様に呟いては、口元に拳を当て視線を逸らす。



 「改めまして。リーナ・フォン・ヴァンディリアです。先日は助けて頂きありがとうございます。」



 改めてお礼を告げるリーナに、公子も胸に手を当てお辞儀をすると「リヒト・フォン・グランべセルです。お礼ならこの間も言っていただいたので結構ですよ」と柔らかく笑う。



 「そんな……何かちゃんとお礼をさせてください」

 「今日、ヴァンディリア公女にお会いできた事だけで十分です」



 そう綺麗な顔で笑うリヒトに、リーナは流石、紳士と言う言葉を具現化したと言われているだけあるなと考える。

 そして、助けてもらったのにお礼も無しなのは、ヴァンディリアの名に恥じると、再度お礼をさせてくれと頼む。

 するとリヒトは「では、俺の事を名前で呼んでください。敬語も要りません」と提案するのだった。



 「え? そんな事で良いのですか?」

 「はい」



 物凄く期待の眼差しをリーナに向けるリヒトに、こんな事で本当にお礼になるのかと思いながらも、リーナは「で、では……リヒト?」と少し恥ずかしくなりながら呼ぶ。

 名前で呼んでもらったリヒトは「嬉しいです」と笑みを浮かべている。


 そんなリヒトにリーナは自身に対しても、敬語も敬称も要らないと言う。



 「いいのですか?」

 「もちろん! 私だけフランクに話しているのも変でしょ?」



 リーナは「呼んでみて」と期待の眼差しをリヒトに向ける。

 リヒトはゆっくりと口を開くと「リーナ」と真っ直ぐリーナを見て呼ぶ。

 その声はとても暖かく、優しく、まるで大切な物に向け話しかける様で、リーナは「な、何だか照れてしまうわね」と視線を逸らし、赤くなっているであろう顔を隠す。

 

 「――そう言えば、あの時絡まれていたのは私だって分かっていたの?」



 パーティーの会場へと戻る途中、リーナはふと疑問に思った事をリヒトに尋ねる。

 あの時リヒトは、リーナに向かい『またお会いすると思うので、自己紹介はその時に』と言っていた。

 と言う事は、あの時リーナは名乗っていないし、リヒトは初めからリーナだと分かっていた事になる。


 リヒトは「初めは誰かが絡まれているとしか分からなかったけど、一目見ただけで直ぐ分かったよ」と頷く。

 そんなリヒトに再度疑問が生まれるリーナ。



 「……凄く失礼な事を聞くけど、私たち会った事があったかしら?」



 リーナの方は、リヒトと会った記憶がなく、申し訳なさそうに尋ねると、リヒトは眉を下げ「7年前くらいに一度だけね」と笑う。
 
 「ご、ごめんなさい……! 私、忘れて……!」と慌てて謝るリーナに、リヒトは言う。



 「まだ幼かったし、挨拶を交わした程度だから仕方ないよ。それに、その時リーナはヴァンディリアにやって来て直ぐだったそうだし」



 リヒトの話を聞き、リーナは「あ……」と思い出す。

 その時のパーティー以来、リーナは外に出なくなってしまい、ショックと悲しみから忘れていたけど、確かに、まだ今より幼いリヒトらしき少年と話をした気がする。


 その日の出来事を思い出せそうだが、断片的にしか思い出せない。



 「もう一度、リーナに会えてこうして話せて凄く嬉しいよ」



 俯いていた顔をあげ、隣を見るとリヒトは優しく笑いこちらを見ており、リーナは、こんなによく笑う人だったんだ。と回帰前に会っていたリヒトのことを思い出しては、大人になって会った彼はいつも辛そうにしていたなと思い出すのだった。
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