公爵家の養女

透明

文字の大きさ
11 / 36
第一章

騒動

しおりを挟む
 

 リヒトと一緒に会場へと戻って来ると、丁度エミリアへプレゼントを渡すタイミングだったらしく、来場者は皆、エミリアへとプレゼントを渡し祝いの言葉を述べている。



 「あ、リーナ帰って来た! どこ行ってたんだよー」



 リーナを見つけたシュタインは、何処か不貞腐れた面持ちでリーナを迎え入れる。

 そんなシュタインの隣に立つエーデルも、リーナと一緒にいるリヒトを見て「リヒトと一緒にいたのか?」と問いかけて来る。



 「本当だ。二人って知り合いだったっけ?」



 頭の後ろで手を組み、不思議そうな表情を浮かべるシュタイン。

 そう言えば、音楽祭で助けてくれたのがリヒトだったと言う事を、二人には話していなかったなと、二人に説明する。

 リーナの話を聞いた、二人の反応は対照的だった。

 

 「えぇ!? そうだったの?」

 「まぁ、だろうな」



 驚くシュタインとは裏腹に、エーデルは驚いている様子はなく、むしろ納得している様子だった。

 そんなエーデルに「え、兄貴知ってたの?」と更に驚くシュタイン。


 
 「まぁ、普通に漆黒の髪に俺と同じくらいの年齢で、成人の男三人を瞬殺できるってなったら、大体予想つくしな。毎年、妹を音楽祭に連れて行ってるって言ってたし」



 平然と言うエーデルにリーナは「気づいてたなら教えてよ」と眉を下げる。

 リヒトも眉を下げ呆れた様に「無駄だよ、リーナ。エーデルはその辺適当な所があるから」と笑う。



 「そう言えば、お前の事を探してる令嬢がいたけど、会った? 確か、黄色のドレスの……」
 
 「あぁ……会ったよ」



 そう話す二人の横で、リーナは、そう言えばリヒトもエーデルと同じ士官学校に通っていて同級生だったっけ、と思い出す。

 エーデルが首席で卒業したのに対し、リヒトは次席だったとか。


 二人が通っていた士官学校は、身分関係なく入学する事ができた。

 だが入学するには、難関な試験を合格しなければならない。


 けれど、難関な試験を合格できたら、民間人も入学できるって言うのが良いわよね、と考えるリーナ。

 実際、才能が開花し、騎士の爵位を貰った民間の出の騎士がいる。


 それくらい、アサーナトスにとって軍事力は大切なものなのだ。



 「はぁ? 兄貴、まじで言ってる? あの令嬢黄色いドレスなんか着てなかったじゃん!」



 突如、シュタインの呆れた大きな声が、リーナの耳に入ってき何事かとシュタインたちの事を見る。

 どうやら、先程リヒトに告白をしていた令嬢が、エーデルとシュタインにリヒトの場所を尋ねたようなのだが、その令嬢のドレスの色をエーデルは異なった色で記憶していたらしい。



 「オレンジのドレスだったって。なぁ? リヒト兄」

 「あぁ。オレンジだった」



 二人の話を聞き、確かにオレンジの小花柄が散りばめられた、暖かい雰囲気のドレスだったと頷くリーナ。

 「ほら、やばいって兄貴!」と言うシュタインに、心底どうでも良さそうに「どっちだっていいだろ」と返すエーデル。


 そんなエーデルをあり得ないとでも言いたそうに、シュタインは「兄貴ってこう言うところあんだよなー」と言う。



 「人に興味ないって言うか、妙に冷めてるって言うか。人の名前と顔も覚えるの苦手だよな?」



 この前だって、一人の令嬢がエーデルに挨拶して来た時に、初めましてとか言って相手の女の子がショックを受けていたんだと、そんな事が何度もあり、あまりにも可哀想だと訴えるように言うシュタイン。

 ずっと話を聞いていたリヒトも頷くと「確かに。何度か見たことある」と言う。


 リヒトに同意され、シュタインは「でしょ!?」と更にエーデルへの不満をぶつける。



 「女の子たちの顔も名前も覚えないし、些細な変化にも気づかないから、褒めたりもしない。甘い言葉も囁かない。のくせ、俺よりモテるのが腹立たしい!」



 後半はシュタインの妬みが入っている気がするが、シュタインの言うことは事実だ。

 エーデルは他人に対して興味がなく、人の顔と名前を覚えるのが苦手なのだ。

 なので、社交の場では苦労をしているのだが、その冷静さと年齢の割には落ち着いた話し方に立ち居振る舞い、教養の良さでなんとか乗り切っている。


 だが、全部に対して記憶が悪いのではなく、その他のものに対しては記憶力が良いので、ただ単に人に興味がないのだろう。


 確かに、エーデルは簡単に人を褒めたりはしないと頷くリヒト。

 そんな中、リーナは二人の話を聞き、些細な変化にも気づかない? と不思議に思う。

 先程、リーナが令嬢たちに話しかけるのを不安に思っていた時、エーデルはそれに気づいて背中を押してくれた。

 それに、髪型やドレスだって褒めてくれる。

 そう首を傾げるリーナの横で、シュタインはずっとエーデルに対し恨みを言い続け、終いにはその恨みはリヒトまでにも向けられる。


 そんなシュタインにエーデルは「モテないだけでギャーギャー騒いでるからモテないんだよ」と極めて真っ当な事を言う。

 エーデルの言葉が心にナイフのように突き刺さったシュタインは、胸を抑え意気消沈してしまう。

 他人から見た、ヴァンディリアの人間は、気高く品があり、貴族の中の貴族だなんて言われているが、至って普通な人間なのだと、最近リーナは身に染みて感じている。



 「酷い! 言葉の暴力だ! 皆んな顔に騙されているんだ!」



 シュタインは全く上手くない泣き真似をしたかと思えば、その場から走って行ってしまう。

 何なんだと呆れた様子のエーデルの隣で、リーナとリヒトは苦笑いを浮かべている。


 その時、突如騒がしくなったかと思えば、どうやらシャスマン子息がエミリアにプレゼントを渡したらしく、エミリアが目を輝かせ喜び、そんなエミリアを令嬢たちが頰を赤くし「良かったですわね、公女様!」と騒いでいた。

 流石は自信家のシャスマン子息と言おうか、どのプレゼントよりも大きな箱で、子ども1人なら入れそうなくらいだ。


 そんな様子を見ながらエーデルが「良いのか? あれ」とリヒトに問う。

 どう言う事だろうと、リーナはエーデルを見る。


 リヒトはエーデルの言葉の意味を理解しているのか「良いも何も、俺の言う事には聞き耳持たずでね。俺じゃどうしようもできないよ」と諦めたように答える。



 「この前もあのシャスマン家の坊ちゃんが、別の令嬢を家に招いたらしいんだけど、その事を話しても無理だったよ。彼が本当に愛しているのは私なのって」



 痛むのか額を押さえるリヒトに「恋は盲目って言うからな」と何故か納得している様子のエーデル。

 2人のやり取りを聞き、リーナはシャスマン子息の女癖の悪さの話かと納得する。


 まだ成人もしていない年だというのに、今の段階からそんな調子では、この先改心することはないのだろう。


 正直言って、彼の女癖が悪かろうがどうでも良い。

 だが、エミリアが慕っている相手とあり、無視はできない。


 話を聞く感じ、リヒトは何度もエミリアにシャスマン子息の事を話しているようだが、エミリアは全く聞く耳を持っていない様子。

 まぁ、恋は盲目と言うしね……と、エーデルと全く同じ事を考えているリーナ。


 リーナからしても、エミリアが女癖が悪いシャスマン子息なんかに、傷つけられるのは許し難い事。

 リーナは先程、シャスマン子息に家に来ないかと誘われた事を話し、彼だけは辞めるよう説得しようと心に決める。







 「え、エミリア……!」



 エーデル、リヒト含めた少年たちは、グランべセルの練武場を見に行っており、会場には令嬢たちと大人たちしかいない。

 グランべセルの練武場どころか、グランべセルの敷地内に足を踏み入る事ができるのは、決められた人間しかいない。


 そんなグランべセルの練武場を、今日は特別に見学ができると聞き、少年たちはこんな機会は滅多にない! と嬉しそうに見に行ったのだ。

 その隙にリーナは、エミリアにシャスマン子息の事を話そうと、エミリアに「少し、二人で話をしたいのだけれど……」と他の者には聞こえない声で、エミリアを誘う。


 エミリアは「話?」と首を傾げながらも、承諾してくれ、話をするため席を外そうとした時だった。



 「た、大変です旦那様……! リヒト様とエーデル様が……!!」



 慌てた様子で、屋敷内に入って行ったはずの、グランべセルの執事長のクラリスが会場へとやって来たかと思えば、リヒトとエーデルがシャスマン子息とその他の子息たちが、何やら揉めていると言うのだ。

 互いに殴り合っていると聞き、ヴァンディリア、グランべセル両公爵は「エーデルが?」「リヒトが?」と驚いている様子。


 リーナとエミリアも顔を見合わせると、急いで練武場へと向かう公爵たちの後を追う。



 「――エーデル!!」



 練武場へと慌てた様子でやって来たリーナたち。そこには、地面に尻餅をつき、泣きっ面を浮かべているシャスマン子息含めた二人の少年の前で、騎士たちに囲まれたエーデルとリヒトが苛立った様子で立っていた。

 周りの少年たちは、騒然としており、殺伐とした空気が流れている。


 ヴァンディリア公爵とグランべセル公爵が、一体何があったのかと尋ねた時、怪我をしたシャスマン子息らの親もやって来、腫れ上がった息子の顔を見て、いったい何があったのかと騒ぎ立てる。



 「いくら、公爵家のご子息とはいえ、無力な子たちに手を上げるとは……この事にどうお考えですか? 公爵様方……!」



 鼻息荒く両公爵に問いただすシャスマン伯爵。

 ヴァンディリア公爵は冷静に「一体何があったのか説明してくれ」と騎士たちに尋ねる。


 騎士の一人が「シャスマンご子息らが、ヴァンディリアご令嬢の――」と言いかけた時、エーデルの「むかついたから殴ったんだ」と言う声がそれを遮る。
 


 「弱いくせにヘラヘラとしていたからむかついたんです。」



 平然とした様子で言うエーデルに驚きながら、グランべセル公爵は「リヒト、お前は何故だ?」と問う。

 リヒトもエーデル同様平然とした様子で「エーデルと同じです」と答える。


 その瞬間、シャスマン伯爵らが「何て横暴な……!」と怪訝の表情を浮かべる中「違うだろ! 兄貴!!」と言うシュタインが間に入る。

 そしてシャスマン子息らを睨みつけ指を刺し「こいつらがリーナの事を悪く言ったから、兄貴たちが殴ったんじゃん!!」と言う。



 「シュタイン!!」



 そう苛立ったようなエーデルの声が鳴り響く。

 シュタインはハッとしたように、リーナを見る。


 その様子を見て、リーナは悟った。


 リーナに断られたシャスマン子息たちが、リーナの悪口を言い、それに怒ったエーデルとリヒトが彼らに手を挙げたのだろう。

 その事をエーデルとリヒトが言わなかったのは、悪口を言われていたと知れば、リーナが傷つくかも知れないと思ったからだろう。



 「リー、ナ……?」



 そう凄く驚いたようなエーデルの声が聞こえて来る。

 そんなエーデルの横では、リヒトも驚いた表情を浮かべている。


 何故だろう。

 そう思った時、自身の頰を温かい何かが伝っていくのがわかる。



 (あれ……どうして泣いているんだろう……)



 何故、いきなり泣いてしまったのか、自分でも分からない。

 暴力はいけない事だとは分かっている。

 けれど、エーデルが自身のために怒ってくれた。

 ただ、その事に嬉しくなったのだ。



 「リーナ……! 泣かないでおくれ……!」



 そう、ヴァンディリア公爵がリーナの前にしゃがみ、頭を撫でる。

 エーデルたちは悪口を言われたと知り、リーナが泣いてしまったと思い、シュタインが「お、俺まずいこと言ったかな……?」と顔を青ざめさせ、エーデルはシャスマン子息の胸ぐらを掴み、騎士たちに止められる。


 そんなエーデルをリーナは止め、何とか騒動は収まったのだった。



 「――エーデル、リヒト」



 皆が帰る準備をしている中、馬車の近くで公爵たちと話していたエーデルとリヒトに声をかけるリーナ。

 あの後、騎士たちや見ていた他の少年たちに事の詳細を聞き、リーナに断られたシャスマン子息がその腹いせに、リーナの事や出身について他の少年たちと悪く言い、それに怒ったエーデルがシャスマン子息の胸ぐらを掴んだらしい。

 そんなエーデルにシャスマン子息は「殴れるものなら殴ってみろ」と挑発し、エーデルは殴ったそう。


 隣にいたリヒトは巻き込まれる形で、少年たちを殴ったそうだ。

 その事を聞いたヴァンディリア公爵は、彼らの謝罪は受け入れなかった。

 すなわちそれは、彼らはこれ以上、社交界では浮いた存在になると言う事。
 

 二人はリーナの事を見ると、エーデルが「……大丈夫か?」と問いかけて来る。


 エーデルは聡く冷静で、無闇に暴力を振るったりしない。

 そんなエーデルに手を挙げさせてしまった事が申し訳なく、リーナは「ごめんね、エーデル。リヒトも」と申し訳なさそうにする。



 「何でお前が謝るんだ。あいつに殴りかかったのは、俺らが勝手にやったことだ。お前が責任を感じる必要はない」



 そう平然と言うエーデルに、リヒトも頷く。

 それでもやはり、エーデルとリヒトが悪く言われてしまうのではと心配なリーナは「でも……」と心配な表情を浮かべる。


 そんなリーナの頭に手を置くと、エーデルは優しく笑い「お前は何も気にしなくて良いんだよ」と言う。

 隣では同じようにリヒトが優しく頷く。


 それはまるで、リーナが考えている事を読み取り、心配しなくても大丈夫と言っているようで。

 リーナはやはり申し訳なくなった。



 「リーナ!」



 エーデルたちと話をしていると、リーナの名前を呼ぶ声がする。

 振り返るとエミリアとシュタインがおり、リーナは「エミリア……」と何処か申し訳なさそうにその名を呼ぶ。


 シャスマン子息はエミリアの意中の相手だ。

 そんな相手と、自身のせいでエーデルとリヒトが揉めてしまった事は、エミリアも聞いていた。

 エミリアに申し訳ない事をしてしまったし、エミリアに嫌われてしまっただろう。


 それにせっかくの誕生日パーティーを台無しにしてしまった。

 せっかく仲良くしてくれたのに、申し訳なさでいっぱいのリーナは何も声をかける事ができない。

 嫌われてしまっただろう。

 リーナがドレスの裾をギュッと掴んだ時だった。



 「ごめんね、リーナ。嫌な思いしたよね」



 エミリアが申し訳なさそうな表情を浮かべ、リーナに謝ったのだ。

 いきなりの謝罪に、困惑するリーナに、エミリアは続ける。



 「女癖が悪いのは知っていたけど、あそこまでクズだとは思わなくて……あ、思い出しただけで腹が立って来たわ。」



 そう一人ぶつぶつと言うエミリアに、リーナは「私に怒って、ないの……?」と聞くと、エミリアは「怒ってるわけないじゃない……! あいつには怒ってるけど!」と言い、エミリアは次から次へとシャスマン子息への愚痴が出て来る。



 「フラれたからって、ねちねち悪口を言うなんて、本当醜い男! 何であんな奴のこと好きだったのかしら!」

 「身分でどうこう言う奴って嫌いなのよね!」



 そう怒るエミリアを見て、リーナは思い出す。

 確か、エミリアはグランベル公爵が再婚した女性との子どもだった。

 その再婚相手の女性が、身分が低く、グランべセルの人間なら継ぐはずの漆黒の髪に黄金の瞳をエミリアは継がなかった。


 その事で、エミリアの母は浮気を疑われたり、エミリアが少しでも失敗すると、母親の出が悪いからだと馬鹿にされていたと聞いた。


 エミリアはリーナの手を掴むと「完全に目が覚めたし、もうあんな奴と会わないし話さない。だから、私たちはこれからも仲良くしましょう?」と力強く言う。

 嫌われてしまったと思っていたため、まさかそう言ってもらえるとは思っておらず、これからも仲良くしようと言われリーナは嬉しくなり「もちろん……!」と力強く頷く。



 そんなエミリアを見たエーデルが「あんなに盲目的だったのに、意外とあっさりしてんのな」と言うと、リヒトは「あぁ、まぁ良かったよ」と苦笑する。


 結果的にエミリアをシャスマン子息と離すことができ、リーナとリヒトはほっと胸を撫で下ろしたのだった。



 「また、手紙出すからね! 今度は二人で遊びましょう!」



 帰宅するため、ヴァンディリアの馬車に乗り込もうとするリーナに、エミリアがそう言うと、リーナは嬉しそうに「私も! 手紙書くね!」と返す。

 公爵同士も挨拶を交わし、エーデルとシュタインも挨拶をし、馬車に乗り込む。


 リーナはもう一度、手を振ろうと馬車の中から外を見ると、リヒトと目が合い、リヒトはリーナに向け「またね」と口をパクパクさせリーナは頷く。

 エミリアとリヒトに次会える日の楽しみを胸に、リーナを乗せた馬車は公爵家へと向かう。
 

 トラブルがあったものの、何とかエミリアの誕生日パーティーを終えることができ、再びリーナは、公爵邸での日々を過ごしていたのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

五歳の時から、側にいた

田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。 それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。 グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。 前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。

公爵令嬢クラリスの矜持

福嶋莉佳
恋愛
王太子に「完璧すぎて息が詰まる」と婚約破棄された公爵令嬢クラリス。 だがその瞬間、第二王子ルシアンが彼女の手を取る。 嘲笑渦巻く宮廷で、クラリスは“自分に相応しい未来”を選び抜いていく物語。

ヒロインはモブの父親を攻略したみたいですけど認められません。

haru.
恋愛
「貴様との婚約は破棄だ!!!私はここにいる愛するルーチェと婚約を結ぶ!」 怒鳴り声を撒き散らす王子様や側近達、無表情でそれを見つめる婚約者の令嬢そして、王子様の側には涙目の令嬢。 これは王家の主催の夜会での騒動・・・ 周囲の者達は何が起きているのか、わからずに行く末を見守る・・・そんな中、夜会の会場の隅で・・・ (うわぁ~、これが乙女ゲームのクライマックス?!)と浮かれている令嬢がいた。 「違いますっ!!!! 私には他に愛する人がいます。王子様とは婚約は出来ません!」 今まで涙目で王子様の隣で大人しくしていた令嬢が突然叫び声をあげて、王子様から離れた。 会場にいた全員が、(今さら何を言ってるんだ、こいつ・・・)と思っていたその時、 「殿下っ!!! 今の言葉は誠でございますっ!ルーチェは私と婚姻いたします。どうかお許しください!」 会場にいた者達を掻き分けながら、やって来た男が叫び、令嬢を抱き締めた! (何か凄い展開になってきたな~)と眺めていたら・・・ (ん?・・・何か見覚えのある顔・・・あ、あれ?うそでしょ・・・な、なんでそこにいるの?お父様ぁぁぁぁ。) これは乙女ゲームから誰も気づかない内にヒロインがフェードアウトしていて、自分の父親が攻略されてしまった令嬢(モブ)の物語である。 (・・・・・・えっ。自分の父親が娘と同い年の女の子を娶るの?・・・え?え?ごめんなさい。悪いけど・・・本当申し訳ないけど・・・認められるかぁぁぁぁ!) 本編・ー番外編ーヴィオレット*隣国編*共に完結致しました。

どうやら婚約者の隣は私のものではなくなってしまったようなので、その場所、全てお譲りします。

皇 翼
恋愛
侯爵令嬢という何でも買ってもらえてどんな教育でも施してもらえる恵まれた立場、王太子という立場に恥じない、童話の王子様のように顔の整った婚約者。そして自分自身は最高の教育を施され、侯爵令嬢としてどこに出されても恥ずかしくない教養を身につけていて、顔が綺麗な両親に似たのだろう容姿は綺麗な方だと思う。 完璧……そう、完璧だと思っていた。自身の婚約者が、中庭で公爵令嬢とキスをしているのを見てしまうまでは――。

愛なんか消えてしまえと願う私は悪くないと思う

ましろ
恋愛
「赤ちゃんができたの」 母の言葉に目眩がした。 我が家の両親は恋愛結婚。身分差から駆け落ち同然で一緒になった二人は未だにその愛は消えず、燃え上がり続けているのだからある意味凄いわ。 でもね? どうしてそんなにも子どもを作ってしまうの⁉ 私を入れて子どもは七人。お父さんの給料ではお手伝いさんなんか雇えるわけもなく、おっとりしたお嬢様気質の抜けないお母さんだけで家事育児などできるはずもなく。 そうなると働き手は長女の私だ。 ずっと小さな頃から弟妹のお世話と家事に明け暮れ、それなのにまだ産むと言うの? 「……ねえ、お母さんにとって子どもって何?」 「うふふ。それはね、愛の結晶よ」 愛。愛って何? 私はあなたの愛のために働き詰めなのですけど? 自分達の手に余るなら、そんなモノなど捨ててしまえっ! ❦R-15は保険です。 連載中のものが止まったままのくせに!とは言わないで(泣) 現在、作業中のものがなかなか終わらなくて息抜きのための不定期連載です。

『あなたを捨てたのは、私です』 〜冷酷公爵を追い出した元恋人ですが、隠し子ごと溺愛されています〜

ria_alphapolis
恋愛
「あなたを捨てたのは、私です」 そう告げて、公爵である彼を追い出した日から数年。 私は一人で、彼との子どもを育てていた。 愛していた。 だからこそ、彼の未来とこの子を守るために、 “嫌われ役”になることを選んだ――その真実を、彼は知らない。 再会した彼は、冷酷公爵と噂されるほど別人のようだった。 けれど、私と子どもを見るその瞳だけは、昔と変わらない。 「今度こそ、離さない」 父親だと気づいた瞬間から始まる、後悔と執着。 拒み続ける私と、手放す気のない彼。 そして、何も知らないはずの子どもが抱える“秘密”。 これは、 愛していたからこそ別れを選んだ女と、 捨てられたと思い続けてきた男が、 “家族になるまで”の物語。

「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」と言われたので別れたのですが、呪われた上に子供まで出来てて一大事です!?

綾織季蝶
恋愛
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」そう告げられたのは孤児から魔法省の自然管理科の大臣にまで上り詰めたカナリア・スタインベック。 相手はとある貴族のご令嬢。 確かに公爵の彼とは釣り合うだろう、そう諦めきった心で承諾してしまう。 別れる際に大臣も辞め、実家の誰も寄り付かない禁断の森に身を潜めたが…。 何故か呪われた上に子供まで出来てしまった事が発覚して…!?

【完結】捨てられた皇子の探し人 ~偽物公女は「大嫌い」と言われても殿下の幸せを願います~

ゆきのひ
恋愛
二度目の人生は、前世で慕われていた皇子から、憎悪される運命でした…。 騎士の家系に生まれたリュシー。実家の没落により、生きるために皇宮のメイドとなる。そんなリュシーが命じられたのは、廃屋同然の離宮でひっそりと暮らすセレスティアン皇子の世話係。 母を亡くして後ろ盾もなく、皇帝に冷遇されている幼い皇子に心を寄せたリュシーは、皇子が少しでも快適に暮らしていけるよう奮闘し、その姿に皇子はしだいに心開いていく。 そんな皇子との穏やかな日々に幸せを感じていたリュシーだが、ある日、毒を盛られて命を落とした……はずが、目を開けると、公爵令嬢として公爵家のベッドに横たわっていた。けれどその令嬢は、リュシーの死に因縁のある公爵の一人娘……。 望まぬ形で二度目の生を享けたリュシーと、その死に復讐を誓った皇子が、本当に望んでいた幸せを手に入れるまでのお話。 ※本作は「小説家になろう」さん、「カクヨム」さんにも投稿しています。 ※表紙画像はAIで作成したものです

処理中です...