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2 クール
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大宇宙からみると、はるか辺境の地にあるベルン星系。
とは言え、寂れているかというとそうでもない。近くに鉱星があり、その星の広い土地が生産施設に向いているため工場が多いのだ。
それに、小惑星帯や浮遊物地帯など適度に難易度の高い宙域があり訓練に適しているためか、連合宇宙軍士官予備学校、略して士官訓練センターも設けられている。辺境にしては人が集まる宙域である。
レイがリュウを連れてベルン星系の中心・惑星ベルンに来てから、もう8年になる。
その惑星ベルンの宙港のひとつがテトラである。大勢の客を運ぶ大型の宇宙艦や定期貨物船などの発着する大宙港とは違い、プライベート宙港に毛の生えたようなテトラの隅に、レイの宇宙船『クリスタル号』はあった。定員10名程度の小さな宇宙船だ。
今のところクルーはたったの二人。操縦士のレイと機関士のランディである。
本来ならキャプテン、操縦士、宙航士、機関士、整備士など宇宙船を動かすにはそれなりの人員が必要だが、二人しかいないから、操縦はもちろん、宙航図を読んだりコンピュータを扱ったりという運航に関する操作から、宙港との煩雑なやり取り、そしてもし巻き込まれたなら戦闘にいたるまで、
どちらかがこなさなければならない。いや、二人ともがか。
星間を渡って遠くまで行く場合には体力も必要である。二人だと眠るのもままならないのでクルーを増やせとランディはうるさいが、レイは信用できないやつと組んで事故るくらいなら、キツいほうがましだと一向に取りあわない。
「いやなら俺一人でも構わない」というレイの言葉を、ランディは笑いとばすことができずにいる。
普通ならこの規模の宇宙船を一人で動かすことなど、とても無理なのだ。二人でもこなしきれないほどの仕事があるのだが、こいつなら一人でもやってのけるのではないかと思わせる力をレイは秘めていた。
一緒に働くうちに、ランディは何度もレイの操船技術や危機回避能力に、驚かされてきた。
最近はレイのどこがどう凄いかを分析するのをランディはあきらめた。
『ある種の天才だな』という一言で自分の心を納得させてしまったのだ。組んでいて、これほど頼りになる相手はいない。レイと一緒なら何とかなるという絶大な信頼を持っている。
だからランディは、文句を付けながらも、キツい仕事を引き受けてくるレイと一緒に、危険な宙域へも飛び出していくのである。
「よおっ!」
くたくたになった黒い革のスーツを無造作に着崩したランディが手をあげる。長身のがっしりした躯体。男らしい男である。浅黒い肌にクルーカットの短い黒髪、ブラウンの瞳が温かい。
「ごめん、待たせた?」
「慣れちまったよ、あんたの遅刻には。離陸のややこしい手続きは済ませておいたぜ。さっさとやっつけちまおう」
乱暴な挨拶を背に、レイがするりと操縦席に滑り込んだ。
左手が推進系統の操縦桿にかけられ、右手がコンソールのパネル上を複雑に走り始める。
踊るような指先、前に、そして逆方向へと推進噴射をかけてスムーズに船を動かす。そして、宙港から十分に離れた場所に出るとメインエンジンに点火して加速をかけるのだ。
宇宙船の発進による加速は慣れたものにとっても不快であるはずなのに…、レイの離陸は、いつもランディを感心させる。
レイにとって宇宙船の操縦は、息をするのと同じくらい自然なことだったのだ。
「相変わらず、あんたの離陸はスムーズだな。いやな加速や重力なんてまるで感じさせやしない。乗ったことはないが、豪華宇宙客船以上じゃないか。こんなんに慣れちまったら、星間連絡船なんかにゃ、怖ろしくて乗れないぜ」
レイが顔をほころばせて恥ずかしそうに笑った。
操船の腕を誉められるのにいつまでたっても慣れないのである。
はにかむ横顔は、美貌の女優にだって負けない美しさだ。
「お誉めいただいて恐縮だけど、もう、自動操縦に切り替えるよ」
「そうしてくれ。今回は難しい場所はなさそうだしな」
スクリーンに表示されたルートを確認しながら、ランディが応える。
「ん、そうだね」
「にしても、あんたほどの腕なら、どんな宇宙船の操縦士にでもなれるだろうに。もしかしたら、連合宇宙軍のトップパイロットだって夢じゃない。こんな辺境で、危険なクーリエやってるよりずっと似合うのにな。もしあんたが宇宙軍で犯罪者の取り締まりなんかやったら、どんなに速い海賊船でも逃げ切れないぜ」
離着陸のたびに、持ち出される会話である。レイはいつものように肩をすくめた。
「ま、傭兵よりはクーリエの方が、まだ納得できるけどな」
続く言葉もお決まりだ。レイとランディは惑星ベルンの傭兵部隊で知り合ったのである。
「俺たちのいた部隊は乱暴で悪評高かったのに、それでもあんたに敵うやつなんて一人もいなかった。ギャラだって最高ランクだっただろう?」
「ランディこそ、傭兵としてはもちろん、宙航士としても整備の腕も右に出るものがいないって評判だったじゃない。引き抜いた俺は、傭兵の雇い主たちに恨まれてるみたいだよ。…まあ、あんなこと、いつまでもやってられないよね。俺は手っ取り早く稼ぎたかったから仕方なかったけど」
「わかってるって。弟を育てるために割のいい仕事がほしいとか言ってたもんな。この宇宙船を買うためにも貯めてたんだろ。
でもな、…最初にあんたが傭兵登録に来たときは大騒ぎだったんだぜ。なんでこんな美人がこんな場所にって、ありもしない噂が飛び交った。俺だって、噂の美人をひとめ見ようと用もないのに傭兵のたまり場に顔を出したもんだ。知ってるか?」
いや、とレイが首を振る。
「それが、仕事をさせるとすごい腕だとわかって、みんな二度びっくりさせられた」
「誉め言葉だと受け取っておくよ」
「もちろん誉めてるのさ。冷静沈着、どんな困難でもあっさり切り抜ける。美貌のやり手だってことがわかるまでに時間はかからなかった。
けどな…、親しく付き合わせてもらうまでは、もっと冷たいやつだと思ってたよ。初めて傭兵の仕事で一緒になったろ。あのとき、あんたの冷たいエメラルド・グリーンの目にひたと見つめられて、心底ぶるっちまった。こいつは下手にミスでもやらかすと殺されるぞってな。強くて冷たい光が俺を見下していて…、あんたは一匹狼なんだって思ったよ。恐くて近寄れなかった。
それが、宇宙船に乗らないかと誘われるなんてな、思ってもみなかった。一緒に宇宙を飛ぶまで、あんたの素顔を知らなかった。すごいギャップだったんだぞ」
「それ、どういう意味?」
「時間には遅れるし、不器用だし、ぼおっとしてるし…」
「だらしないって?」
「それもある。あと、リュウが、リュウがってな。言うこと聞いてくれないって悩みを打ち明けられた時はガクッときたぜ。普通、見るからに美貌の男が、俺みたいないい男を前に親父くさいこと口にするか?」
ランディの戯れには乗らずに、レイはひとこと告げる。
「キリッとしてようと思えばできるんだけど、疲れるからね」
「疲れる? そういう問題か?」
「クールな方がお望みなら、俺はいつでも冷酷無比の男になれるよ」
その言葉を証明してみせるように、すっと笑みを消し、整いすぎた美貌にエメラルド・グリーンの瞳を冷たく煌めかせたレイは、壮絶なほど冷徹に見えた。
とは言え、寂れているかというとそうでもない。近くに鉱星があり、その星の広い土地が生産施設に向いているため工場が多いのだ。
それに、小惑星帯や浮遊物地帯など適度に難易度の高い宙域があり訓練に適しているためか、連合宇宙軍士官予備学校、略して士官訓練センターも設けられている。辺境にしては人が集まる宙域である。
レイがリュウを連れてベルン星系の中心・惑星ベルンに来てから、もう8年になる。
その惑星ベルンの宙港のひとつがテトラである。大勢の客を運ぶ大型の宇宙艦や定期貨物船などの発着する大宙港とは違い、プライベート宙港に毛の生えたようなテトラの隅に、レイの宇宙船『クリスタル号』はあった。定員10名程度の小さな宇宙船だ。
今のところクルーはたったの二人。操縦士のレイと機関士のランディである。
本来ならキャプテン、操縦士、宙航士、機関士、整備士など宇宙船を動かすにはそれなりの人員が必要だが、二人しかいないから、操縦はもちろん、宙航図を読んだりコンピュータを扱ったりという運航に関する操作から、宙港との煩雑なやり取り、そしてもし巻き込まれたなら戦闘にいたるまで、
どちらかがこなさなければならない。いや、二人ともがか。
星間を渡って遠くまで行く場合には体力も必要である。二人だと眠るのもままならないのでクルーを増やせとランディはうるさいが、レイは信用できないやつと組んで事故るくらいなら、キツいほうがましだと一向に取りあわない。
「いやなら俺一人でも構わない」というレイの言葉を、ランディは笑いとばすことができずにいる。
普通ならこの規模の宇宙船を一人で動かすことなど、とても無理なのだ。二人でもこなしきれないほどの仕事があるのだが、こいつなら一人でもやってのけるのではないかと思わせる力をレイは秘めていた。
一緒に働くうちに、ランディは何度もレイの操船技術や危機回避能力に、驚かされてきた。
最近はレイのどこがどう凄いかを分析するのをランディはあきらめた。
『ある種の天才だな』という一言で自分の心を納得させてしまったのだ。組んでいて、これほど頼りになる相手はいない。レイと一緒なら何とかなるという絶大な信頼を持っている。
だからランディは、文句を付けながらも、キツい仕事を引き受けてくるレイと一緒に、危険な宙域へも飛び出していくのである。
「よおっ!」
くたくたになった黒い革のスーツを無造作に着崩したランディが手をあげる。長身のがっしりした躯体。男らしい男である。浅黒い肌にクルーカットの短い黒髪、ブラウンの瞳が温かい。
「ごめん、待たせた?」
「慣れちまったよ、あんたの遅刻には。離陸のややこしい手続きは済ませておいたぜ。さっさとやっつけちまおう」
乱暴な挨拶を背に、レイがするりと操縦席に滑り込んだ。
左手が推進系統の操縦桿にかけられ、右手がコンソールのパネル上を複雑に走り始める。
踊るような指先、前に、そして逆方向へと推進噴射をかけてスムーズに船を動かす。そして、宙港から十分に離れた場所に出るとメインエンジンに点火して加速をかけるのだ。
宇宙船の発進による加速は慣れたものにとっても不快であるはずなのに…、レイの離陸は、いつもランディを感心させる。
レイにとって宇宙船の操縦は、息をするのと同じくらい自然なことだったのだ。
「相変わらず、あんたの離陸はスムーズだな。いやな加速や重力なんてまるで感じさせやしない。乗ったことはないが、豪華宇宙客船以上じゃないか。こんなんに慣れちまったら、星間連絡船なんかにゃ、怖ろしくて乗れないぜ」
レイが顔をほころばせて恥ずかしそうに笑った。
操船の腕を誉められるのにいつまでたっても慣れないのである。
はにかむ横顔は、美貌の女優にだって負けない美しさだ。
「お誉めいただいて恐縮だけど、もう、自動操縦に切り替えるよ」
「そうしてくれ。今回は難しい場所はなさそうだしな」
スクリーンに表示されたルートを確認しながら、ランディが応える。
「ん、そうだね」
「にしても、あんたほどの腕なら、どんな宇宙船の操縦士にでもなれるだろうに。もしかしたら、連合宇宙軍のトップパイロットだって夢じゃない。こんな辺境で、危険なクーリエやってるよりずっと似合うのにな。もしあんたが宇宙軍で犯罪者の取り締まりなんかやったら、どんなに速い海賊船でも逃げ切れないぜ」
離着陸のたびに、持ち出される会話である。レイはいつものように肩をすくめた。
「ま、傭兵よりはクーリエの方が、まだ納得できるけどな」
続く言葉もお決まりだ。レイとランディは惑星ベルンの傭兵部隊で知り合ったのである。
「俺たちのいた部隊は乱暴で悪評高かったのに、それでもあんたに敵うやつなんて一人もいなかった。ギャラだって最高ランクだっただろう?」
「ランディこそ、傭兵としてはもちろん、宙航士としても整備の腕も右に出るものがいないって評判だったじゃない。引き抜いた俺は、傭兵の雇い主たちに恨まれてるみたいだよ。…まあ、あんなこと、いつまでもやってられないよね。俺は手っ取り早く稼ぎたかったから仕方なかったけど」
「わかってるって。弟を育てるために割のいい仕事がほしいとか言ってたもんな。この宇宙船を買うためにも貯めてたんだろ。
でもな、…最初にあんたが傭兵登録に来たときは大騒ぎだったんだぜ。なんでこんな美人がこんな場所にって、ありもしない噂が飛び交った。俺だって、噂の美人をひとめ見ようと用もないのに傭兵のたまり場に顔を出したもんだ。知ってるか?」
いや、とレイが首を振る。
「それが、仕事をさせるとすごい腕だとわかって、みんな二度びっくりさせられた」
「誉め言葉だと受け取っておくよ」
「もちろん誉めてるのさ。冷静沈着、どんな困難でもあっさり切り抜ける。美貌のやり手だってことがわかるまでに時間はかからなかった。
けどな…、親しく付き合わせてもらうまでは、もっと冷たいやつだと思ってたよ。初めて傭兵の仕事で一緒になったろ。あのとき、あんたの冷たいエメラルド・グリーンの目にひたと見つめられて、心底ぶるっちまった。こいつは下手にミスでもやらかすと殺されるぞってな。強くて冷たい光が俺を見下していて…、あんたは一匹狼なんだって思ったよ。恐くて近寄れなかった。
それが、宇宙船に乗らないかと誘われるなんてな、思ってもみなかった。一緒に宇宙を飛ぶまで、あんたの素顔を知らなかった。すごいギャップだったんだぞ」
「それ、どういう意味?」
「時間には遅れるし、不器用だし、ぼおっとしてるし…」
「だらしないって?」
「それもある。あと、リュウが、リュウがってな。言うこと聞いてくれないって悩みを打ち明けられた時はガクッときたぜ。普通、見るからに美貌の男が、俺みたいないい男を前に親父くさいこと口にするか?」
ランディの戯れには乗らずに、レイはひとこと告げる。
「キリッとしてようと思えばできるんだけど、疲れるからね」
「疲れる? そういう問題か?」
「クールな方がお望みなら、俺はいつでも冷酷無比の男になれるよ」
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