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6 ロビーにて
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「先ほど、阿刀野くんに、わたしがやさしい教官だとおっしゃっていましたね。彼も深くうなずいていた。参考のためにお聞きしたいんですが、あなたが教官だったら、今日のような場合、どんな罰を与えるんですか?」
「訓練生に非難されたときですか?」
「ええ」
「う~ん、俺は教官になったこともないし、部下に非難などさせないから…」
と言ってから、リュウに非難を許したスティーブの立場にはっと気がついたようである。
「すみません…。そうだな。非難したのが俺の部下だったら、厳しく処分するでしょうね。二度と俺と同じ宇宙船に乗りたくないと思わせてやりますよ」
「相手が正当なことを言っている場合でもですか?」
「たとえば戦闘中だとしたら? 出した指示に誰かひとりでも従わなかったら、全員が危険にさらされます。俺は普段から、命じたことには間違いなく従わせる。軍ならなおさらでしょう」
さも当然、というようにレイが言い放った。
スティーブは知らなかったが、レイはこれまで、反抗や不服従など許したことがなかったのだ。
「教官という立場では、訓練生を切り捨てることはできないんでしょうね。簡単な懲罰で許していたら規律が守れないだろうし、宇宙船から放り出すこともできないとなると…」
この美貌の男から懲罰などと言う言葉が出て、スティーブは驚いた。
それに、宇宙船から放り出す? まさか宇宙空間へではないだろうが…。
「だめですね、俺は教官に向いていないようだ。どんなに優秀でも反抗するやつは許せないし、従順でも力のないやつの面倒など見るのもいや…、きっと訓練生がひとりもいなくなりますよ。教官としては最悪だ」
「ははっ」
この男が教官だったら、誰も口答えしたり、逆らったりはしないとスティーブは思った。身に付いた威厳がそうさせるのだ。
ただ、求めるレベルが高すぎて、全員見放されるはめになりかねない。
それに。この男に似合うのは、教官より司令官だとスティーブは確信していた。
「確かに、あなたは教官向きじゃないかもしれない。でも、操縦についてはよくご存じのようですね…、先ほど、リュウくんに集中力うんぬんとおっしゃっていたが、操縦士に必要な集中力はどうやったら身に付けさせることができるでしょう?」
「ああ、それなら簡単ですよ。極限状態で鍛えればいい」
「極限状態?」
レイは軽くうなずいて言葉を続ける。
「たとえば、俺ならカプセルに入れる前に、倒れるまで走らせます」
「倒れるまで?」
「一昼夜とは言わなくても、朝まで走らせれば、眠くて、疲れて身体が言うことをきかなくなりますよね。それから操縦席に縛り付けます。操縦席でミスをすればどれほどのダメージを受けるのかわからないけれど、それなりのダメージがあるんだったら好都合です。自分がどんな状態であっても集中できないと酷いことになるのを、身をもって知ることができる」
厳しいメニューを簡単に提案したレイに、スティーブは返す言葉を失った。
「宇宙軍なら交代の操縦士がいるのかもしれませんが…。俺たちは宇宙船に乗ると長時間航行が当たり前です。だから、体力はもちろん、長時間集中できないとやっていけない」
あなたも操縦士ならご存じでしょう、というように。
「それに、困難な場面は元気な時にだけ訪れるもんじゃない。むしろ、疲れてきたからこそ、判断ミスからそんな場面を招いてしまうことも多い。事故だって、戦闘だって、いつ起こるかわからないし。普通なら何でもないことも、疲れがたまって精も根も尽き果てた頃だったら…、切り抜けるのによけいに精神力や集中力が必要だと思いませんか。
だから、俺ならきっと、走らせたり、さんざんトレーニングをさせて身体を酷使した後で操縦席に座らせるでしょうね。極限状態でも、困難を切り抜けられるだけの力を身に付けさせるために…。
バーチャルはいいですよね。宇宙船を壊すこともなく、命を賭けることもなく、そんな場面を作りだすことができるんだから」
スティーブは驚きに声も出なかった。
長い間操縦士として働いてはいても、そんな極限状態で宇宙船を飛ばしたことなどなかったのだ。紛争地区へでも送られたら、別かもしれないが…。
ここは士官訓練センターで、操縦を一から学ぶ場所だというのがこの男の頭にはないようだった。
いや、それとも。操縦を学ぶスタート地点だからこそ、操縦士としての心構えをたたき込めと。カプセルだからこそ極限状態で鍛えて集中力をつけろと言っているのだろうか。
確かに、集中力を付けるために疲れさせた後で操縦席に縛り付けるというのは、有効かもしれない。
これから先の操船演習に取り入れるかとスティーブは思った。
ロビーのソファに座って話していると、事務職員や訓練生たちがちらちらと視線を投げかけてくる。
スティーブと顔を寄せ合うようにして話をする美貌の男はいったい誰なのだ、とみなが不思議に思っているのだ。
レイは絡みつく視線に身じろいだ。
「もうリュウも来るだろうし、教官も仕事がおありでしょうから、戻ってくださってもいいですよ」
レイが正当な台詞を口にした。スティーブが立ち上がろうかどうしようかと迷っていると、リュウが廊下の奥から歩いてくるのが見えた。
「ああ、どうやら阿刀野が来たようですね。これからどうされるんですか?」
「旅行にいこうと思っています。3日しかないので、遠くには行けませんが…」
「あっ。遅くなってしまったが、出発の時間は大丈夫ですか?」
遅ればせながら、レイがリュウを迎えに来た理由に思い至って訪ねてみた。
「どうせ俺の宇宙船ですから。出発はいつでも大丈夫です」
腑に落ちない顔をしたスティーブに、
「ここから宙港を通り越して家に帰って、また宙港へ行くのは無駄でしょう。だから迎えに来たんだけど、…なんかリュウは不機嫌そうですね。また子ども扱いしたと、叱られそうだ」
肩をすくめてみせるレイに、スティーブが頭をひねる。
「あなたが、阿刀野に、叱られるんですか?」
先ほどの光景を見たものには信じ難い言葉である。
「ええ。最近は疲れて帰ってきてバタンと寝てくれるので、小言を言われることが減りましたけど」
そう言ってレイは立ち上がり、リュウに手をふった。
リュウは苦虫を噛み潰したような顔をしていた。迎えに来てくれたのはうれしいが、勝手に自分の領域である士官訓練センターをわが物顔で歩き回ったのが腹立たしいのである。
──久しぶりに叱られた。レイが怒ると、今でも震えてしまうのがわかって、それも気に入らない。
もっとずっと、強い男になったつもりだったのに──
ぶすっとしたまま、レイに「行こう!」と声をかける。それから、スティーブに向かって「失礼します」と丁寧に頭を下げた。大勢の訓練生が見守る中で、また叱られてはたまらないから…。
がっしりした体躯のリュウとしなやかな身体つきのレイが並んで歩いていく。
精悍な顔に涼しげな目元。誰が見てもハンサムだと認めるリュウ。
そして、やわらかい蜂蜜色の髪を肩に流して、女と見まがうほど美しいレイ。少しすねた表情を浮かべたリュウを見上げるレイの瞳がやさしい。
二人が並ぶと目を見張るほどの好カップルである。いや、ほんとうは兄弟だけれど、それと知らなければどういう関係だろうと考えてしまうほど似ていない。
好奇の目が集まる中を、二人は素知らぬふりで通り過ぎていく。
戦闘プログラムであれほど鋭い反応を見せた男なら、痛いほどの視線を感じないわけはないだろうが。
と思っているとレイが振り返った。そして、遠くに立っているルーインに向かって手を振ってみせた。
二人の様子を見つめていたルーインは一瞬、驚いたようだったが、すぐに軽く頭を下げた。
「なんか、あの男には圧倒されたな」
スティーブがルーインに近寄りながら声をかけると、
「はい」と応えが返ってきた。
「訓練生に非難されたときですか?」
「ええ」
「う~ん、俺は教官になったこともないし、部下に非難などさせないから…」
と言ってから、リュウに非難を許したスティーブの立場にはっと気がついたようである。
「すみません…。そうだな。非難したのが俺の部下だったら、厳しく処分するでしょうね。二度と俺と同じ宇宙船に乗りたくないと思わせてやりますよ」
「相手が正当なことを言っている場合でもですか?」
「たとえば戦闘中だとしたら? 出した指示に誰かひとりでも従わなかったら、全員が危険にさらされます。俺は普段から、命じたことには間違いなく従わせる。軍ならなおさらでしょう」
さも当然、というようにレイが言い放った。
スティーブは知らなかったが、レイはこれまで、反抗や不服従など許したことがなかったのだ。
「教官という立場では、訓練生を切り捨てることはできないんでしょうね。簡単な懲罰で許していたら規律が守れないだろうし、宇宙船から放り出すこともできないとなると…」
この美貌の男から懲罰などと言う言葉が出て、スティーブは驚いた。
それに、宇宙船から放り出す? まさか宇宙空間へではないだろうが…。
「だめですね、俺は教官に向いていないようだ。どんなに優秀でも反抗するやつは許せないし、従順でも力のないやつの面倒など見るのもいや…、きっと訓練生がひとりもいなくなりますよ。教官としては最悪だ」
「ははっ」
この男が教官だったら、誰も口答えしたり、逆らったりはしないとスティーブは思った。身に付いた威厳がそうさせるのだ。
ただ、求めるレベルが高すぎて、全員見放されるはめになりかねない。
それに。この男に似合うのは、教官より司令官だとスティーブは確信していた。
「確かに、あなたは教官向きじゃないかもしれない。でも、操縦についてはよくご存じのようですね…、先ほど、リュウくんに集中力うんぬんとおっしゃっていたが、操縦士に必要な集中力はどうやったら身に付けさせることができるでしょう?」
「ああ、それなら簡単ですよ。極限状態で鍛えればいい」
「極限状態?」
レイは軽くうなずいて言葉を続ける。
「たとえば、俺ならカプセルに入れる前に、倒れるまで走らせます」
「倒れるまで?」
「一昼夜とは言わなくても、朝まで走らせれば、眠くて、疲れて身体が言うことをきかなくなりますよね。それから操縦席に縛り付けます。操縦席でミスをすればどれほどのダメージを受けるのかわからないけれど、それなりのダメージがあるんだったら好都合です。自分がどんな状態であっても集中できないと酷いことになるのを、身をもって知ることができる」
厳しいメニューを簡単に提案したレイに、スティーブは返す言葉を失った。
「宇宙軍なら交代の操縦士がいるのかもしれませんが…。俺たちは宇宙船に乗ると長時間航行が当たり前です。だから、体力はもちろん、長時間集中できないとやっていけない」
あなたも操縦士ならご存じでしょう、というように。
「それに、困難な場面は元気な時にだけ訪れるもんじゃない。むしろ、疲れてきたからこそ、判断ミスからそんな場面を招いてしまうことも多い。事故だって、戦闘だって、いつ起こるかわからないし。普通なら何でもないことも、疲れがたまって精も根も尽き果てた頃だったら…、切り抜けるのによけいに精神力や集中力が必要だと思いませんか。
だから、俺ならきっと、走らせたり、さんざんトレーニングをさせて身体を酷使した後で操縦席に座らせるでしょうね。極限状態でも、困難を切り抜けられるだけの力を身に付けさせるために…。
バーチャルはいいですよね。宇宙船を壊すこともなく、命を賭けることもなく、そんな場面を作りだすことができるんだから」
スティーブは驚きに声も出なかった。
長い間操縦士として働いてはいても、そんな極限状態で宇宙船を飛ばしたことなどなかったのだ。紛争地区へでも送られたら、別かもしれないが…。
ここは士官訓練センターで、操縦を一から学ぶ場所だというのがこの男の頭にはないようだった。
いや、それとも。操縦を学ぶスタート地点だからこそ、操縦士としての心構えをたたき込めと。カプセルだからこそ極限状態で鍛えて集中力をつけろと言っているのだろうか。
確かに、集中力を付けるために疲れさせた後で操縦席に縛り付けるというのは、有効かもしれない。
これから先の操船演習に取り入れるかとスティーブは思った。
ロビーのソファに座って話していると、事務職員や訓練生たちがちらちらと視線を投げかけてくる。
スティーブと顔を寄せ合うようにして話をする美貌の男はいったい誰なのだ、とみなが不思議に思っているのだ。
レイは絡みつく視線に身じろいだ。
「もうリュウも来るだろうし、教官も仕事がおありでしょうから、戻ってくださってもいいですよ」
レイが正当な台詞を口にした。スティーブが立ち上がろうかどうしようかと迷っていると、リュウが廊下の奥から歩いてくるのが見えた。
「ああ、どうやら阿刀野が来たようですね。これからどうされるんですか?」
「旅行にいこうと思っています。3日しかないので、遠くには行けませんが…」
「あっ。遅くなってしまったが、出発の時間は大丈夫ですか?」
遅ればせながら、レイがリュウを迎えに来た理由に思い至って訪ねてみた。
「どうせ俺の宇宙船ですから。出発はいつでも大丈夫です」
腑に落ちない顔をしたスティーブに、
「ここから宙港を通り越して家に帰って、また宙港へ行くのは無駄でしょう。だから迎えに来たんだけど、…なんかリュウは不機嫌そうですね。また子ども扱いしたと、叱られそうだ」
肩をすくめてみせるレイに、スティーブが頭をひねる。
「あなたが、阿刀野に、叱られるんですか?」
先ほどの光景を見たものには信じ難い言葉である。
「ええ。最近は疲れて帰ってきてバタンと寝てくれるので、小言を言われることが減りましたけど」
そう言ってレイは立ち上がり、リュウに手をふった。
リュウは苦虫を噛み潰したような顔をしていた。迎えに来てくれたのはうれしいが、勝手に自分の領域である士官訓練センターをわが物顔で歩き回ったのが腹立たしいのである。
──久しぶりに叱られた。レイが怒ると、今でも震えてしまうのがわかって、それも気に入らない。
もっとずっと、強い男になったつもりだったのに──
ぶすっとしたまま、レイに「行こう!」と声をかける。それから、スティーブに向かって「失礼します」と丁寧に頭を下げた。大勢の訓練生が見守る中で、また叱られてはたまらないから…。
がっしりした体躯のリュウとしなやかな身体つきのレイが並んで歩いていく。
精悍な顔に涼しげな目元。誰が見てもハンサムだと認めるリュウ。
そして、やわらかい蜂蜜色の髪を肩に流して、女と見まがうほど美しいレイ。少しすねた表情を浮かべたリュウを見上げるレイの瞳がやさしい。
二人が並ぶと目を見張るほどの好カップルである。いや、ほんとうは兄弟だけれど、それと知らなければどういう関係だろうと考えてしまうほど似ていない。
好奇の目が集まる中を、二人は素知らぬふりで通り過ぎていく。
戦闘プログラムであれほど鋭い反応を見せた男なら、痛いほどの視線を感じないわけはないだろうが。
と思っているとレイが振り返った。そして、遠くに立っているルーインに向かって手を振ってみせた。
二人の様子を見つめていたルーインは一瞬、驚いたようだったが、すぐに軽く頭を下げた。
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