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第二章
1 赴任
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「おい、聞いたか。新しい部隊が来るって話」
「おう。隊長は士官学校出のエリートだってな」
緊急出動もなく、のんびりした空気が流れる連合宇宙軍極東地区本部の休憩ルームでは、新しい士官の話で持ちきりであった。
「少尉が二人だそうだぜ。ひとりは、あのアドラー家の息子だってさ」
「へえ~。いったい、何をやらかしたんだ? こんな辺境に飛ばされるなんて」
「辺境でなきゃ任官できないような、箸にも棒にもかからないドラ息子なんだろうぜ」
「いや、アドラー家ならば適当な職を見繕って、セントラル本部で任官させるぐらいたやすいさ」
「じゃあ、そいつはなんでこんなとこへ来るんだ?」
兵士たちが首をひねる。それも当然。辺境の準戦闘地域である極東地区は、士官学校出のエリート士官が来るような場所ではない。それに、新任ではとても勤まるはずがない地域だと思われていた。
本来なら辺境へ行くほど宙域は静かなはずだが……有望な鉱山の多く散らばる極東地区は、星から星へと気の荒い労働者を運ぶ連絡艇、一攫千金を狙う無法者、怪しげな商船、そしてコスモ・サンダーを筆頭とする海賊たちが入り乱れる宙域。
戦闘地区に指定されてはいないが、一般人なら宇宙船を乗り入れたいとは思わない、抗争の絶えない危険宙域であった。
そして、連合宇宙軍の使命はというと。
次々に湧き起きるさまざまな争いを取り締まり、辺境の宙域を平和に保つことであるから、大変な任務であるという認識が強かった。
新任の仕官が来るような場所ではないというのには、もうひとつ理由があった。
極東地区に属する兵士たちは、スネに傷を持つものが少なからずいるのだ。喧嘩っ早かったり、頭のネジが緩んでいたり。宇宙軍を辞めさせられるほどではないが、どこかでミスをしでかして主流からはずれてしまったり、上官と合わなくて飛ばされたり。
上官泣かせの兵士集団なのである。落ちこぼれ意識が染み付いた彼らにしてみれば、宇宙軍でもエリートであるはずの士官学校出の少尉が極東地区に任官するなど、考えられない話であった。
一方、会議のために集まった先任士官たちの話題も同じく2人の少尉のことであった。彼らにとっても、新しい部隊が派遣されるというのはビッグニュースなのだ。
「聞いていると思うが、今日、少尉が二人、パトロール部隊を連れて着任する。阿刀野リュウ少尉にルーイン・アドラー少尉だ。両名とも士官学校を優秀な成績で修了したらしい」
「ほお、士官学校を優秀な成績で? それなら、望みの職場を選べただろうに」
「セントラル本部での誘いを軒並み蹴って、極東地区への任官を志願したそうだ。ぜひにとな」
話の主導権を握っているのはライトマン少佐である。極東地区司令官補佐であり、極東地区に3つある隊を仕切っている。
極東地区司令官は何事につけても部下任せの男であった。だから、これまでライトマンは司令官補佐という名目をたてに、自分の好きにやってきた。極東地区では、司令官以外の士官たちも頭が切れるでもなく、野心を持つでもない。兵士たちと同じように烏合の衆である。自分以外はと考えて、ライトマンは心中にやりとする。
本部とかけ離れた場所にある極東地区は、当たり障りなく勤めていれば、とやかく言われることはない。たとえ、少々ミスをしようが、コスモ・サンダーに出し抜かれようが。
ところが突然。
辺境地区の平和維持を強化するために、一部隊を派遣するとセントラルから連絡があったのだ。百人強というこれまでにない規模の増強である。しかも、隊長をはじめ、人員をそろえての部隊派遣に、さすがのライトマンも考え込んだ。もしかすると、コスモ・サンダーに対する生ぬるいやり方がばれたのではないか。だが…。
「やりにくいぜ。こっちにはこっちのやり方があるってのに、セントラルが一部隊を送り込むなんてな。しかも士官学校出のパリパリの隊長にアドラー家の息子まで付けて寄越すなんて。俺たちのやり方が気に入らないと言わんばかりじゃないか」
ビンディ大尉が吐き捨てた。数を頼んでの戦闘は得意だが、細かい戦術などは望むべくもない、単純な男である。
「相手は新任の少尉だ。立場はこっちが上だ」
そいつらが、特殊部隊のように、独自に動ける資格を得ていないのならば…。
「進んで極東地区に来るなんて頼もしい限りじゃ。わしは好んで僻地へ来るようなへそ曲がりが好きだな」
あと少しで定年という重鎮、ゼッド少佐が言葉を挟んだ。
目元にシワを刻んで笑うと好々爺である。昔は名の知られた指揮官だったらしいが、ライトマンが任官してきてからは厳格に命令を下す姿など見たことがない、すでに余生を楽しんでいる風情の男であった。
「それなら、少佐の地域を一緒に担当してもらえますか」
「いいよ、手薄なところを任せることにしよう」
「では、お願いします」
夕刻。
リュウとルーイン、噂の2人の新任少尉が兵士たちを引き連れて、宇宙艦『ジェニー』で極東地区本部へ着任した。
「後はよろしく頼む」
「承知しました」
兵士たちの面倒をエヴァに任せ、2人は挨拶のために司令官の執務室へと足を向けた。ありがたいことに、エヴァを始め、ダンカンやモーガン、ニコラス、ヒューなど、リュウが士官訓練センターで関わったメンバーの多くが極東地区での任務に志願してくれた。
彼らの力量を知るリュウは、エヴァなら自分より手際よく兵士たちをまとめあげ、落ち着かせてくれるとわかっていた。
司令官の執務室は、30畳くらいありそうな広い部屋だった。手前に革張りの応接セット、ウォールナットのキャビネットと執務机。豪華な調度が整っている。初めて正式な任務に就く若き士官が姿勢を正す。
「阿刀野リュウ少尉、ただいま着任しました」
「同じく、ルーイン・アドラー少尉、着任しました」
40代後半とおぼしき極東地区司令官に向かって着任の挨拶をした2人がピシリと敬礼をする。司令官は鷹揚にうなずいた。
「着任、ご苦労。話は宇宙軍本部から聞いている。これが初めての任官だそうだな。戸惑うことも多いと思うが、任務に励んでくれ」
「はい。至らないところがあると思いますが、よろしくご指導お願いします」
司令官の目を真っ直ぐに見つめて挨拶してから、リュウは丁寧に頭を下げた。
「うむ。極東地区は辺境とはいえ、キミたちが思っているより危険な宙域だ。心して任務に励んでくれ。まあ、今日のところは疲れているだろうからゆっくり休みたまえ。明日以降のことは、司令官補佐のライトマン少佐から指示があるだろう」
「わかりました」
話は終わったという司令官の態度に、居座るわけにも行かず執務室を出ると、控えの間で待っていたライトマン少佐から矢継ぎ早に指示がくだされる。
いわく、着任に関わる手続き。連れてきた兵士たちや宇宙艦の繋留についてのこと。明日からのパトロール区域に関するさまざまな注意点などなど。
「はい、はい…」
指示をひとつひとつ頭に刻みながら、リュウはひそかにため息を吐く。ここへ来たら、すぐに宇宙へ飛び出せるかと思っていたのに、苦手な雑務に追われそうだ。
ようやく解放されて兵士たちの様子を見に行く頃には、すでに2時間が過ぎていた。
「おう。隊長は士官学校出のエリートだってな」
緊急出動もなく、のんびりした空気が流れる連合宇宙軍極東地区本部の休憩ルームでは、新しい士官の話で持ちきりであった。
「少尉が二人だそうだぜ。ひとりは、あのアドラー家の息子だってさ」
「へえ~。いったい、何をやらかしたんだ? こんな辺境に飛ばされるなんて」
「辺境でなきゃ任官できないような、箸にも棒にもかからないドラ息子なんだろうぜ」
「いや、アドラー家ならば適当な職を見繕って、セントラル本部で任官させるぐらいたやすいさ」
「じゃあ、そいつはなんでこんなとこへ来るんだ?」
兵士たちが首をひねる。それも当然。辺境の準戦闘地域である極東地区は、士官学校出のエリート士官が来るような場所ではない。それに、新任ではとても勤まるはずがない地域だと思われていた。
本来なら辺境へ行くほど宙域は静かなはずだが……有望な鉱山の多く散らばる極東地区は、星から星へと気の荒い労働者を運ぶ連絡艇、一攫千金を狙う無法者、怪しげな商船、そしてコスモ・サンダーを筆頭とする海賊たちが入り乱れる宙域。
戦闘地区に指定されてはいないが、一般人なら宇宙船を乗り入れたいとは思わない、抗争の絶えない危険宙域であった。
そして、連合宇宙軍の使命はというと。
次々に湧き起きるさまざまな争いを取り締まり、辺境の宙域を平和に保つことであるから、大変な任務であるという認識が強かった。
新任の仕官が来るような場所ではないというのには、もうひとつ理由があった。
極東地区に属する兵士たちは、スネに傷を持つものが少なからずいるのだ。喧嘩っ早かったり、頭のネジが緩んでいたり。宇宙軍を辞めさせられるほどではないが、どこかでミスをしでかして主流からはずれてしまったり、上官と合わなくて飛ばされたり。
上官泣かせの兵士集団なのである。落ちこぼれ意識が染み付いた彼らにしてみれば、宇宙軍でもエリートであるはずの士官学校出の少尉が極東地区に任官するなど、考えられない話であった。
一方、会議のために集まった先任士官たちの話題も同じく2人の少尉のことであった。彼らにとっても、新しい部隊が派遣されるというのはビッグニュースなのだ。
「聞いていると思うが、今日、少尉が二人、パトロール部隊を連れて着任する。阿刀野リュウ少尉にルーイン・アドラー少尉だ。両名とも士官学校を優秀な成績で修了したらしい」
「ほお、士官学校を優秀な成績で? それなら、望みの職場を選べただろうに」
「セントラル本部での誘いを軒並み蹴って、極東地区への任官を志願したそうだ。ぜひにとな」
話の主導権を握っているのはライトマン少佐である。極東地区司令官補佐であり、極東地区に3つある隊を仕切っている。
極東地区司令官は何事につけても部下任せの男であった。だから、これまでライトマンは司令官補佐という名目をたてに、自分の好きにやってきた。極東地区では、司令官以外の士官たちも頭が切れるでもなく、野心を持つでもない。兵士たちと同じように烏合の衆である。自分以外はと考えて、ライトマンは心中にやりとする。
本部とかけ離れた場所にある極東地区は、当たり障りなく勤めていれば、とやかく言われることはない。たとえ、少々ミスをしようが、コスモ・サンダーに出し抜かれようが。
ところが突然。
辺境地区の平和維持を強化するために、一部隊を派遣するとセントラルから連絡があったのだ。百人強というこれまでにない規模の増強である。しかも、隊長をはじめ、人員をそろえての部隊派遣に、さすがのライトマンも考え込んだ。もしかすると、コスモ・サンダーに対する生ぬるいやり方がばれたのではないか。だが…。
「やりにくいぜ。こっちにはこっちのやり方があるってのに、セントラルが一部隊を送り込むなんてな。しかも士官学校出のパリパリの隊長にアドラー家の息子まで付けて寄越すなんて。俺たちのやり方が気に入らないと言わんばかりじゃないか」
ビンディ大尉が吐き捨てた。数を頼んでの戦闘は得意だが、細かい戦術などは望むべくもない、単純な男である。
「相手は新任の少尉だ。立場はこっちが上だ」
そいつらが、特殊部隊のように、独自に動ける資格を得ていないのならば…。
「進んで極東地区に来るなんて頼もしい限りじゃ。わしは好んで僻地へ来るようなへそ曲がりが好きだな」
あと少しで定年という重鎮、ゼッド少佐が言葉を挟んだ。
目元にシワを刻んで笑うと好々爺である。昔は名の知られた指揮官だったらしいが、ライトマンが任官してきてからは厳格に命令を下す姿など見たことがない、すでに余生を楽しんでいる風情の男であった。
「それなら、少佐の地域を一緒に担当してもらえますか」
「いいよ、手薄なところを任せることにしよう」
「では、お願いします」
夕刻。
リュウとルーイン、噂の2人の新任少尉が兵士たちを引き連れて、宇宙艦『ジェニー』で極東地区本部へ着任した。
「後はよろしく頼む」
「承知しました」
兵士たちの面倒をエヴァに任せ、2人は挨拶のために司令官の執務室へと足を向けた。ありがたいことに、エヴァを始め、ダンカンやモーガン、ニコラス、ヒューなど、リュウが士官訓練センターで関わったメンバーの多くが極東地区での任務に志願してくれた。
彼らの力量を知るリュウは、エヴァなら自分より手際よく兵士たちをまとめあげ、落ち着かせてくれるとわかっていた。
司令官の執務室は、30畳くらいありそうな広い部屋だった。手前に革張りの応接セット、ウォールナットのキャビネットと執務机。豪華な調度が整っている。初めて正式な任務に就く若き士官が姿勢を正す。
「阿刀野リュウ少尉、ただいま着任しました」
「同じく、ルーイン・アドラー少尉、着任しました」
40代後半とおぼしき極東地区司令官に向かって着任の挨拶をした2人がピシリと敬礼をする。司令官は鷹揚にうなずいた。
「着任、ご苦労。話は宇宙軍本部から聞いている。これが初めての任官だそうだな。戸惑うことも多いと思うが、任務に励んでくれ」
「はい。至らないところがあると思いますが、よろしくご指導お願いします」
司令官の目を真っ直ぐに見つめて挨拶してから、リュウは丁寧に頭を下げた。
「うむ。極東地区は辺境とはいえ、キミたちが思っているより危険な宙域だ。心して任務に励んでくれ。まあ、今日のところは疲れているだろうからゆっくり休みたまえ。明日以降のことは、司令官補佐のライトマン少佐から指示があるだろう」
「わかりました」
話は終わったという司令官の態度に、居座るわけにも行かず執務室を出ると、控えの間で待っていたライトマン少佐から矢継ぎ早に指示がくだされる。
いわく、着任に関わる手続き。連れてきた兵士たちや宇宙艦の繋留についてのこと。明日からのパトロール区域に関するさまざまな注意点などなど。
「はい、はい…」
指示をひとつひとつ頭に刻みながら、リュウはひそかにため息を吐く。ここへ来たら、すぐに宇宙へ飛び出せるかと思っていたのに、苦手な雑務に追われそうだ。
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