五十の手習い

行きたいと思っていたところへ

　今の職場で働き始めてから行きたいと思っていたところへ行けるようになった。
　まずは１年目の１９９６年。妹と共に大阪へ行った。最初は宮崎までフェリーの割引券を当てたのだが、それが無理だったので、その罪滅ぼしという形で大阪への旅に変更になったのだ。初日は通天閣やなんばグランド花月に行き、夕食はふぐ料理を堪能した。２日目は海遊館に行き、海の生き物を見て回った。３日目は法善寺や梅田のお初天神に詣でた。
　さらに２年後の１９９８年には飛行機で長崎や北海道にも行ってきた。長崎は妹と共に、北海道は父と共に行ったのだが、異国情緒溢れる初夏の長崎の街並みやハウステンボスを、襟裳岬や十勝平野など数多くの名所がある初秋の北海道を、それぞれ巡ってきた。ただ、ハウステンボスではマッサージの際に僕らは兄妹でありながら夫婦と間違われたり、国道が長い北海道では度々尿意に襲われ、トイレのたびに観光バスを止めたりとハプニングに見舞われた。
　のちに僕の旅もひとり旅に切り替わった。１９９９年から２０１７年まで行きたいと思っていたところに行くことができた。ただ、両親が老いた今はなかなか泊まりがけの旅も不可能になってきた。
しかも、感染拡大防止の観点から移動もままならない状況になっている。
　いつか収束に向かい、どこかへ行ける日を心待ちにしている。