新米魔術師の私が手違いで腹黒な王子様を隷属させてしまいました(でも何故か王子はノリノリで私に命令してと言ってきます)

ちろりん

文字の大きさ
11 / 39

11.「命令も大歓迎」

しおりを挟む


 どちらにせよ責任を取るのは大歓迎なので、真剣に耳を傾けた。



「なら、俺を使役してよ。責任取って使役して」

「……それは責任を取ることにならないのでは?」

「だって、君に命令されたくて身体が疼くんだ。……分かる? ここ」



 シリルは、ユニの手を取って服の上から胸を触らせる。

 そこにあるのは、ユニが刻んだ隷属印だ。



「ユニのものだっていう印が熱くなって、俺をその衝動に駆り立てる」

「……うっ」

「それとも、ここで跪いてみようか? 君の靴にキスをして、どれほど君に使役されたいと思っているか、示してみる?」



 実際に膝を曲げ始めたのを見て、ユニは悲鳴を上げながら彼を押し留めた。

 魔術師塔の近くとはいえ、塔には多くの魔術師がいるし、そろそろ訓練の時間なのでまばらだが人も出てきた。

 王子を跪かせている姿を誰かに見られたら、とんでもないことになる。

 それどころから、何かの拍子にユニがシリルに使役魔法を使ったことがバレてしまう可能性だってあるのだ。



「お、お願いします、殿下……本当に勘弁してください……」

「なら、側にいてもいい?」

「側にいるだけならば……」

「命令も大歓迎」

「それは……無理です……」



 ぐったりとしながら、ユニはシリルの言葉に頷いた。

 跪かれるくらいならば、側にいることを許した方がまだマシだ。



「殿下、私そろそろ訓練の時間ですから」

「そうなの? 離れるのが寂しいなぁ。見ていてもいい?」

「いえ、それはちょっと……」

「側にいてもいいって言ったのに……」



 明らかにしょんぼりとしたシリルを見て、ユニはウっと胸を痛めた。

 そんな顔でいじらしいこと言われたら、断れないではないか。



しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス! ※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。 【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

期限付きの側室なのに皇太子殿下が離してくれません!

林檎
恋愛
リリアーヌは男爵の私生児として生まれ、男爵家では使用人のように扱われ、虐げられて育った。 ある日、皇太子アルフレートの側室として異母妹が嫁ぐことになった。しかし、異母妹は皇太子が正妃を溺愛し、側室は世継ぎの皇子を産むためだけに迎えられ、出産後は離縁されることを知り、断固拒否した。 結果、身代わりとしてリリアーヌが嫁ぐことになる。 正妃ヴェロニカを溺愛するアルフレートは、初めからリリアーヌに冷たく当たった。初夜では「お前を愛することはない」と言い放ち、期限付きの契約書を突き付ける。その内容は、世継ぎの皇子を産んだら子供は正妃の子として育て、リリアーヌとは離縁するというものだった。 さらにリリアーヌは王宮ではなく離宮へ追いやられ、侍女や使用人たちからも嫌がらせを受ける。 しかし、男爵家で虐げられて育ったリリアーヌにとって、離宮での生活はむしろ天国だった。冷遇にも気にすることなく、自分の好きなことを楽しむ。その純粋さと優しさが周囲を惹きつけ、やがて皇太子の心にも変化が―― 以下、ネタバレになりますのでご注意ください。 ※主人公が虐げられるのは序盤だけですので、安心してお楽しみください。

元婚約者からの嫌がらせでわたくしと結婚させられた彼が、ざまぁしたら優しくなりました。ですが新婚時代に受けた扱いを忘れてはおりませんよ?

3333(トリささみ)
恋愛
貴族令嬢だが自他ともに認める醜女のマルフィナは、あるとき王命により結婚することになった。 相手は王女エンジェに婚約破棄をされたことで有名な、若き公爵テオバルト。 あまりにも不釣り合いなその結婚は、エンジェによるテオバルトへの嫌がらせだった。 それを知ったマルフィナはテオバルトに同情し、少しでも彼が報われるよう努力する。 だがテオバルトはそんなマルフィナを、徹底的に冷たくあしらった。 その後あるキッカケで美しくなったマルフィナによりエンジェは自滅。 その日からテオバルトは手のひらを返したように優しくなる。 だがマルフィナが新婚時代に受けた仕打ちを、忘れることはなかった。

ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました

大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――

死んでるはずの私が溺愛され、いつの間にか救国して、聖女をざまぁしてました。

みゅー
恋愛
異世界へ転生していると気づいたアザレアは、このままだと自分が死んでしまう運命だと知った。 同時にチート能力に目覚めたアザレアは、自身の死を回避するために奮闘していた。するとなぜか自分に興味なさそうだった王太子殿下に溺愛され、聖女をざまぁし、チート能力で世界を救うことになり、国民に愛される存在となっていた。 そんなお話です。 以前書いたものを大幅改稿したものです。 フランツファンだった方、フランツフラグはへし折られています。申し訳ありません。 六十話程度あるので改稿しつつできれば一日二話ずつ投稿しようと思います。 また、他シリーズのサイデューム王国とは別次元のお話です。 丹家栞奈は『モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します』に出てくる人物と同一人物です。 写真の花はリアトリスです。

処理中です...