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同期に魅せられたデートの日
しおりを挟む激動の十一月と十二月だった。
仕事もプライベートも。
這う這うの体で仕事を終わらせた二十一日。
明日から三連休だが、とりあえずは明日寝る。美容と健康のために寝るに限る。
外崎とのデートに備えるために。
何だかんだ言って私、楽しみにしているんだろうな。
「めちゃくちゃ楽しみにしてるからな」
外崎も外崎で帰り際、耳元で囁いてきた。念押しの一言だ。抜かりない。
それにしっかりとときめく私も私だけど。
二十三日。
外崎は私の家までわざわざ車で迎えに来てくれた。
私の前に現れた彼は、いつも整髪剤で上げている髪の毛を下ろし、カジュアルな格好をしている。チャコールグレーのチェスターコートにキャメルのチノパン。似合うじゃないか。
「いいな。いつもより……綺麗だ」
「ありがと」
ぐわっと照れ臭さが沸き起こってくる。
何となく外崎ならそう言ってくれそうだなって期待しながら私もかなり頑張ったからね。
ボーナス入ったから奮発してお高めのワンピースとコートも買ったし、髪もいつもより念入りに巻いたから、その頑張りを褒められると正直嬉しい。
「俺のためだけにこんなにオシャレしてきてくれたんだな。嬉しいよ」
くっ……!キザ野郎め!
それでも胸にキュンキュンくるから本当に強者だ、外崎は。
どストレートな言葉は胸に響き、さっそく私に外崎を男としての意識を植え付けてきた。
私服や髪型の違いというのもあるのかもしれない。
とりあえず私は気分が盛り上がりすぎて何をどう話していいか分からなくなっているので、下手に口を開けなかった。
車の中でもいろいろと話しかけてくれる外崎に、言葉少ない返事しかできない。
何だろう……これ。
恋とか付き合い始めとかこんなに緊張するものだったっけ?
元カレとは六年間付き合っていたから、こんな初デートのドキドキ感は久しぶりだ。
正直、外崎とのデートは楽しかった。
一緒にクリスマスプレゼント買って疲れたらお茶して、二人で盛り上がって。
途中でこれじゃあいつも同期として接していた頃と変わりないかもとも思ったけど、そんなことはなかった。
まず圧倒的に外崎の甘さが違うのだ。
彼は私を徹底的にお姫様扱いをして、際限なく甘やかす。
クリスマスプレゼントを買いに行ったとき、ボーナスで自分の欲しいものはほとんど買ってしまったから特にプレゼントで欲しいものはないと答えたら、じゃあ身につけるものを贈らせてくれと言われた。
『いつでも俺を意識していられるように』。
そう外崎が言うものだから、かなり選ぶのに時間がかかった。
それでも苛つくことなく最後まで私の相談に乗りながら一緒に選んでくれた彼は、ちょっとお高かったのにも関わらずプラチナのネックレスを買ってくれたのだ。
大きなダイヤの周りを星を模るように配置された小さなダイヤ。
毎日でもつけていたいくらいに可愛い。
でも、さすがにお試しでここまで高いものはと遠慮しようかとも思ったが、今日のお礼も兼ねているのだと言う。ここでポイントを稼がせてくれと。
万が一、この後二人の仲が恋人まで進展しなくても、今日というこの日を忘れてほしくないから贈るのだと。もし、それでも忘れたいというときには処分してくれても構わないから、今は受け取ってほしいのだと。
そこまで言われたら私も女だ。
胸をときめかせながら受け取るしかない。
ちなみに私が贈ったプレゼントと言えば、事前に用意していた手袋だ。
だからお互いに贈り合うプレゼントの値段が釣り合わなさ過ぎて、申し訳なかったのだ。
でも、外崎は私がプレゼントを渡したら物凄い笑顔を見せてくれた。
いや、あんたそんな顔で笑えたのって言うくらいの満面の笑み。いつもの生真面目な顔が崩れすぎ。
…………何そんなとんでもない隠し玉持っているのよ。
まだデートが始まって二、三時間足らずだというのに、魅せられてばっかりだ。
私、こんなんで夜、持つんだろうか。
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