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第4章
3 きらめいて見える……
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「えーと……僕はもう教室戻るとこなんで……」
「えー、なんで? 俺らも服乾かさなあかんし、もうちょい喋ろうやぁ」
「ひえっ」
立ち上がりかけた僕の首に御子柴くんの腕が首に絡まり、ふたたび階段に座らせられた。すると背後から澄斗の腕が伸びてきて、その腕を外しにかかる。
「ちょっと、なにやってんだよ悠巳! 郁也にベタベタすんなって、困ってんだろ!」
「えー、なんやねんおまえ。いいやんべつに俺もクラスメイトやねんから。朝霞くんとは話したことないし、もっと色々しゃべりたいやん! なー? 朝霞くんもそーやんなぁ?」
「あ、はい……」
御子柴くんは横から僕の顔を覗き込み、ニコニコ~ッと子犬のように笑う。
とはいえ、御子柴くんも僕より余裕でガタイがいいので狭い。外階段の壁際に押し付けられるように座る格好になった僕は、小さくなって膝を抱えた。
「だからやめろって。ほら、郁也めちゃくちゃ嫌がってんだろーがっ!」
「嫌がってへんよなぁ? ちょーっとくっついて座ってるだけやもんなぁ?」
「いーやどこからどう見ても嫌がってる顔だ。おまえ空気読めなさすぎ」
「はぁー? おまえがゆうなや」
狭い外階段に男子三人ってだけで相当暑苦しいし狭いのに、ふたりが言い争いをするからさらに暑い。
さらに縮こまってせめて少しでもスペースを得ようとしていたら、真ん中に陣取っている御子柴くんがひょいと僕の顔を覗き込んできた。
「なぁ、朝霞くんはいやちゃうやんな~?」
「……いや、まあ、ちょっと狭いし、暑苦しい、かな……」
若干不快ではあったので、全然大丈夫だよ~といえるほどの心の余裕はなく、僕は正直にそう答えた。
すると御子柴くんは一瞬きょとんとした顔をして——……パッと僕の肩に置いていた手を離し万歳をした。
「ごめんごめん! こんな暑い中男にくっつかれてたら鬱陶しいやんな!」
「ほらみろバカ」
「うっさい澄斗。せやな、朝霞くんよう見たら小柄やから加減せなあかんかったな」
御子柴くんは澄斗の長い脚によってげしげしと階段の数段下に押しやられていった。そして澄斗が僕の隣に腰を下ろし、憤然とした口調でこう言った。
「ごめんな郁也。こいつ距離感おかしいんだよ」
澄斗は僕の隣に腰を下ろし、喉を鳴らしてスポーツドリンクを飲みはじめた。
ふとそちらに目をやって——……僕は、ペッドボトルをあおる澄斗の姿に思わず目を奪われた。
つるりとした肌に光る汗、青空をバックにぷはっと息を吐く姿はテレビCMさながらの清涼感。
尖った喉仏を上下させてごくごくとスポーツドリンクを飲み干す澄斗はすこぶる爽やかだ。
同時に、ほんのり火照って汗ばんだ肌からうっすらと漂う色っぽさのようなものに気づいてしまった僕は、またしても正体不明の胸の鼓動に襲われた。
(……な、なんか目のやり場に困る。別に脱いでるわけでもなんでもないのに……)
さりげなく目を逸らしたら、今度は下の段にいる御子柴くんと目が合った。
立てた膝に肘をつきこちらをじっと見つめていた御子柴くんが、またニッコリと笑う。ものすごく無邪気な笑顔で、なんだか拍子抜けしてしまう。
陽キャ組の一員と言葉を交わすなんて不可能だ、怖いと思っていたけれど、御子柴くんは見た目よりずっと人懐っこい雰囲気だ。
御子柴くんは汗を拭い、ぱたぱたとシャツの胸元を引っ張って風を入れはじめた。
「はぁ~暑っつ。ここならすぐ乾きそやな」
「だな」
澄斗も同じように、白いシャツの下に着た淡いオレンジ色のタンクトップの胸元をつまんでため息をついた。
襟ぐりが大きく開いているタンクトップだ。しなやかなか首筋、くっきり浮かんだ鎖骨のラインがくっきりと見えている。
あと少しで、薄く盛り上がった胸元から乳首まで露わに見えてしまいそうになり——……ドキッとした僕は咄嗟に目を逸らし、大声でふたりに尋ねた。
「えー、なんで? 俺らも服乾かさなあかんし、もうちょい喋ろうやぁ」
「ひえっ」
立ち上がりかけた僕の首に御子柴くんの腕が首に絡まり、ふたたび階段に座らせられた。すると背後から澄斗の腕が伸びてきて、その腕を外しにかかる。
「ちょっと、なにやってんだよ悠巳! 郁也にベタベタすんなって、困ってんだろ!」
「えー、なんやねんおまえ。いいやんべつに俺もクラスメイトやねんから。朝霞くんとは話したことないし、もっと色々しゃべりたいやん! なー? 朝霞くんもそーやんなぁ?」
「あ、はい……」
御子柴くんは横から僕の顔を覗き込み、ニコニコ~ッと子犬のように笑う。
とはいえ、御子柴くんも僕より余裕でガタイがいいので狭い。外階段の壁際に押し付けられるように座る格好になった僕は、小さくなって膝を抱えた。
「だからやめろって。ほら、郁也めちゃくちゃ嫌がってんだろーがっ!」
「嫌がってへんよなぁ? ちょーっとくっついて座ってるだけやもんなぁ?」
「いーやどこからどう見ても嫌がってる顔だ。おまえ空気読めなさすぎ」
「はぁー? おまえがゆうなや」
狭い外階段に男子三人ってだけで相当暑苦しいし狭いのに、ふたりが言い争いをするからさらに暑い。
さらに縮こまってせめて少しでもスペースを得ようとしていたら、真ん中に陣取っている御子柴くんがひょいと僕の顔を覗き込んできた。
「なぁ、朝霞くんはいやちゃうやんな~?」
「……いや、まあ、ちょっと狭いし、暑苦しい、かな……」
若干不快ではあったので、全然大丈夫だよ~といえるほどの心の余裕はなく、僕は正直にそう答えた。
すると御子柴くんは一瞬きょとんとした顔をして——……パッと僕の肩に置いていた手を離し万歳をした。
「ごめんごめん! こんな暑い中男にくっつかれてたら鬱陶しいやんな!」
「ほらみろバカ」
「うっさい澄斗。せやな、朝霞くんよう見たら小柄やから加減せなあかんかったな」
御子柴くんは澄斗の長い脚によってげしげしと階段の数段下に押しやられていった。そして澄斗が僕の隣に腰を下ろし、憤然とした口調でこう言った。
「ごめんな郁也。こいつ距離感おかしいんだよ」
澄斗は僕の隣に腰を下ろし、喉を鳴らしてスポーツドリンクを飲みはじめた。
ふとそちらに目をやって——……僕は、ペッドボトルをあおる澄斗の姿に思わず目を奪われた。
つるりとした肌に光る汗、青空をバックにぷはっと息を吐く姿はテレビCMさながらの清涼感。
尖った喉仏を上下させてごくごくとスポーツドリンクを飲み干す澄斗はすこぶる爽やかだ。
同時に、ほんのり火照って汗ばんだ肌からうっすらと漂う色っぽさのようなものに気づいてしまった僕は、またしても正体不明の胸の鼓動に襲われた。
(……な、なんか目のやり場に困る。別に脱いでるわけでもなんでもないのに……)
さりげなく目を逸らしたら、今度は下の段にいる御子柴くんと目が合った。
立てた膝に肘をつきこちらをじっと見つめていた御子柴くんが、またニッコリと笑う。ものすごく無邪気な笑顔で、なんだか拍子抜けしてしまう。
陽キャ組の一員と言葉を交わすなんて不可能だ、怖いと思っていたけれど、御子柴くんは見た目よりずっと人懐っこい雰囲気だ。
御子柴くんは汗を拭い、ぱたぱたとシャツの胸元を引っ張って風を入れはじめた。
「はぁ~暑っつ。ここならすぐ乾きそやな」
「だな」
澄斗も同じように、白いシャツの下に着た淡いオレンジ色のタンクトップの胸元をつまんでため息をついた。
襟ぐりが大きく開いているタンクトップだ。しなやかなか首筋、くっきり浮かんだ鎖骨のラインがくっきりと見えている。
あと少しで、薄く盛り上がった胸元から乳首まで露わに見えてしまいそうになり——……ドキッとした僕は咄嗟に目を逸らし、大声でふたりに尋ねた。
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