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番外編② 御子柴視点
親友の恋の視線
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親友が恋をしている。
恋をし始めてからこっち、澄斗の視線は常にとある方向を見つめている。
さりげな~く視線の先を見てみると、決まってそこにいるのはクラスメイトの男子のひとり。
そう、朝霞郁也くんや。
とりたてて目立つところはないクライスメイトや。俺はこれまで、郁也くんの存在を気にしたことがなかった。
顔立ちは地味……もとい、シンプルで清潔感はありまくり。綺麗めっていうか、清楚系。
あと、確か頭がいい。成績は上のほうだけど、一番とか二番とか目立つところにはいない。そういう目立つ場所にいつもいるのは澄斗で、俺は下から数えたほうが早いとこに……
……うん。まあ、成績のことは置いといて。
俺たちとワイワイ会話しつつも、澄斗はふとした拍子に郁也くんを見てる。
こっちに背を向けて黙々と本を読んでいる細い背中に、澄斗はそれはそれは熱い視線を送ってはるわ。
「おい澄斗。澄斗」
「……んっ? なに、悠巳」
あまりにも見すぎやろっちゅーことで、俺はたまに澄斗の脇腹をつついて我に返してやる。
だって、見過ぎ。
いちおうクラスメイトには隠す方向でおるみたいやけど、あんなにガン見しとったらあっちゅう間にバレるっちゅうねん。
トイレにでも誘うようなそぶりで教室から澄斗を引っ張り出す。騒がしい廊下を歩きながら、顔を寄せてボソボソと忠告してやった。
「おまえなぁ、いくらなんでも郁也くん見過ぎやで」
「えっ、俺、そんな見てる?」
「えぇ~~……無意識なん? あんな熱視線送りまくってたら察しのいい女どもにバレてまうで」
「あー……うん。気をつけるわ、ありがと」
その場で立ち止まった澄斗が、冷や汗混じりに苦笑を浮かべる。
顔が良すぎて、そういうさりげない仕草でさえ妙なきらめきを放ってまう澄斗や。
そのへんを歩いてた女子が「きゃぁ~~」と黄色い声をあげてはるわ。ま、俺はもう見慣れたけど。
そう、見慣れてはいるからうっとりしてまうってことはない。だがいつも感心する。
本当に顔がいい。おまけに背も高い。
上背があるだけじゃなくて均整の取れた体つきで、いかにも俊敏に動けそうな細マッチョ。
どこから見ても清々しいほど澄斗はイケメンや。ま、俺も負けてへんけど。
そんな男が、クラスで一番おとなしそうに見える郁也くんとお付き合いをしているとは——……さすがに俺もびっくりした。
けど、澄斗が郁也くんのことを気に入ってるっぽいってことは結構前から気づいてた。仲良さそうな場面にも何回も何回も遭遇しとったから、想いが通じて良かったやん、と思ってる。
しかも、もうすぐ夏休みが始まるときた。
冴島の騒ぎのあとに俺も事情を聞いたけど、澄斗はあのでかい家を占領できる時間が長いらしい。
ってことは、郁也くんとふたりでラブラブ料理レッスンなんかもし放題。そのあと美味しいご飯を食べながらイチャコライチャコラし放題っちゅーことになるわけで…………うーむ、そこんとこはちょっと心配やな。
どっからどう見ても熱量の大きさは澄斗→→→→→←←郁也くんて感じ。
澄斗のプライベートはよう知らんけど、郁也くんと付き合えて嬉しくて嬉しくて盛り上がってまった澄斗が、妙なおいたをせぇへんか心配にはなる。
あ、俺?
俺はそのへんけっこう場数踏んで慣れてるからめっちゃ紳士やで。女の子には優しくせなあかん。
……て、俺のことは置いといて。
「なあ澄斗。もうすぐ夏休みやけど、郁也くんとばっか遊ばんと俺とも遊んでや」
「当たり前じゃん。てかさ、また俺んちでゲームしようよ。郁也と三人でさ」
「俺も行っていいん? ぜーったいお邪魔虫やん」
「大丈夫だって。あんまふたりきりでいたら、俺郁也に何しでかすかわかんねーし……」
そう言って、澄斗は頬を赤らめて俯いた。
おおっと可愛い。自分がケダモノと化してまうかもっていう自覚はあらはったんやね~。
「なるほどな。俺がおったらおまえも冷静になれるし、郁也くんもリラックスできるというわけか」
「そうなんだけど、もうちょっと慣れたら大丈夫だと思うんだよ。俺だってそんなガツガツいきたいわけじゃないしさぁ」
「ほーん」
「いやほんとだって!! 大事にしたいんだよ、郁也のことは」
澄斗は開け放たれた窓の桟に肘を置き、遠くを眺めながら俺にだけ聞こえる声でそう言った。
ちょうど窓から入ってきた七月の爽やかな風が澄斗の栗毛を軽く揺らす。
なんちゅう完璧な絵面や。
ほら、そのへんにおる女子がまたひとりぶっ倒れそうになってはんで!
恋をし始めてからこっち、澄斗の視線は常にとある方向を見つめている。
さりげな~く視線の先を見てみると、決まってそこにいるのはクラスメイトの男子のひとり。
そう、朝霞郁也くんや。
とりたてて目立つところはないクライスメイトや。俺はこれまで、郁也くんの存在を気にしたことがなかった。
顔立ちは地味……もとい、シンプルで清潔感はありまくり。綺麗めっていうか、清楚系。
あと、確か頭がいい。成績は上のほうだけど、一番とか二番とか目立つところにはいない。そういう目立つ場所にいつもいるのは澄斗で、俺は下から数えたほうが早いとこに……
……うん。まあ、成績のことは置いといて。
俺たちとワイワイ会話しつつも、澄斗はふとした拍子に郁也くんを見てる。
こっちに背を向けて黙々と本を読んでいる細い背中に、澄斗はそれはそれは熱い視線を送ってはるわ。
「おい澄斗。澄斗」
「……んっ? なに、悠巳」
あまりにも見すぎやろっちゅーことで、俺はたまに澄斗の脇腹をつついて我に返してやる。
だって、見過ぎ。
いちおうクラスメイトには隠す方向でおるみたいやけど、あんなにガン見しとったらあっちゅう間にバレるっちゅうねん。
トイレにでも誘うようなそぶりで教室から澄斗を引っ張り出す。騒がしい廊下を歩きながら、顔を寄せてボソボソと忠告してやった。
「おまえなぁ、いくらなんでも郁也くん見過ぎやで」
「えっ、俺、そんな見てる?」
「えぇ~~……無意識なん? あんな熱視線送りまくってたら察しのいい女どもにバレてまうで」
「あー……うん。気をつけるわ、ありがと」
その場で立ち止まった澄斗が、冷や汗混じりに苦笑を浮かべる。
顔が良すぎて、そういうさりげない仕草でさえ妙なきらめきを放ってまう澄斗や。
そのへんを歩いてた女子が「きゃぁ~~」と黄色い声をあげてはるわ。ま、俺はもう見慣れたけど。
そう、見慣れてはいるからうっとりしてまうってことはない。だがいつも感心する。
本当に顔がいい。おまけに背も高い。
上背があるだけじゃなくて均整の取れた体つきで、いかにも俊敏に動けそうな細マッチョ。
どこから見ても清々しいほど澄斗はイケメンや。ま、俺も負けてへんけど。
そんな男が、クラスで一番おとなしそうに見える郁也くんとお付き合いをしているとは——……さすがに俺もびっくりした。
けど、澄斗が郁也くんのことを気に入ってるっぽいってことは結構前から気づいてた。仲良さそうな場面にも何回も何回も遭遇しとったから、想いが通じて良かったやん、と思ってる。
しかも、もうすぐ夏休みが始まるときた。
冴島の騒ぎのあとに俺も事情を聞いたけど、澄斗はあのでかい家を占領できる時間が長いらしい。
ってことは、郁也くんとふたりでラブラブ料理レッスンなんかもし放題。そのあと美味しいご飯を食べながらイチャコライチャコラし放題っちゅーことになるわけで…………うーむ、そこんとこはちょっと心配やな。
どっからどう見ても熱量の大きさは澄斗→→→→→←←郁也くんて感じ。
澄斗のプライベートはよう知らんけど、郁也くんと付き合えて嬉しくて嬉しくて盛り上がってまった澄斗が、妙なおいたをせぇへんか心配にはなる。
あ、俺?
俺はそのへんけっこう場数踏んで慣れてるからめっちゃ紳士やで。女の子には優しくせなあかん。
……て、俺のことは置いといて。
「なあ澄斗。もうすぐ夏休みやけど、郁也くんとばっか遊ばんと俺とも遊んでや」
「当たり前じゃん。てかさ、また俺んちでゲームしようよ。郁也と三人でさ」
「俺も行っていいん? ぜーったいお邪魔虫やん」
「大丈夫だって。あんまふたりきりでいたら、俺郁也に何しでかすかわかんねーし……」
そう言って、澄斗は頬を赤らめて俯いた。
おおっと可愛い。自分がケダモノと化してまうかもっていう自覚はあらはったんやね~。
「なるほどな。俺がおったらおまえも冷静になれるし、郁也くんもリラックスできるというわけか」
「そうなんだけど、もうちょっと慣れたら大丈夫だと思うんだよ。俺だってそんなガツガツいきたいわけじゃないしさぁ」
「ほーん」
「いやほんとだって!! 大事にしたいんだよ、郁也のことは」
澄斗は開け放たれた窓の桟に肘を置き、遠くを眺めながら俺にだけ聞こえる声でそう言った。
ちょうど窓から入ってきた七月の爽やかな風が澄斗の栗毛を軽く揺らす。
なんちゅう完璧な絵面や。
ほら、そのへんにおる女子がまたひとりぶっ倒れそうになってはんで!
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