異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

空の旅

突然変異種

「いいところですね」
　男性の家に入って率直な感想を述べる。

「そうだろう、ここは今残っている中で一番古いんだが頑丈さでいえば他の建物にも負けなくてな……、おっとそんな話じゃなかったな、まぁとりあえず座ってくれ」
　男性はココが褒められて嬉しいのか自慢話を始めたが少し話て自重する。

「さて、君たちはココが解って来たんだろう、外に徘徊していた化け物たちはどうしたんだ？」
「信じられないかもしれませんが先ほど全滅させてきました」
「アレをか？」
　自慢話をしていたために緩くなっていた表情が硬くなる。
「はい、化け物に対する有効打が見つかりましてそれで地球を回って殲滅しているところです、そこで今は地球に残っている人間の調査もついでも行っている所です」
　化け物の殲滅は聞いていたが人間の調査は初めて聞いたので恐らく出まかせか自分達には聞かされていない事があるだろう。
「つまりここに避難してきた訳でもないと」
「そうなりますね」
　転生者が代表面をして話を進めている、自分はその辺はどうでもいいので任せる。
「この辺に巣くう化け物は殲滅済みです、疑うのなら近辺を自信の目で確かめればいいですよ」
「ふむ……ちょっと行ってきてくれ」
　男性は少し悩んだ後に立ち上がり近くにいた部下であろう人物に声をかける。
「確かに綺麗な服を着て複数人で来たのはかなり久しぶりで違和感はあったが……」
「我々は避難民ではないという事です、一応調査という事でここに立ち寄らせていただきました」
「ふむ……、ではココに長居することはないという認識でいいかな？」
「そうなりますね」
「そうか、まぁそれでもゆっくりしていってくれ、ここの家は広さだけはあるからな旅の疲れを癒していくといい、それと知りたい事があったら遠慮なく言ってくれ出来うる限り協力しよう」
「感謝します」
「ただしこちらも外の情勢がどうなっているか知りたいからこちらの質問も答えてもらうぞ」
「ええ、答えられる範囲でお答えしますよ」
　少しずつ和やかになりつつある雰囲気でお互いの情報を交換していく、まずお互いの認識の確認から始まり、水源の確認から暦の変更やこの地域の植生や挙句の果てに女性の好みまでどうでもいい情報も交換しており、自分達は呆れて出されていた飲み物を飲んでいた。
　

「確認してまいりました」
　情報交換がいつの間にか談笑に変わったところに男性の部下が必死の形相で扉を開ける。
「その様子では良いという訳ではないようだな」
「はい、確かにいつも徘徊していた化け物は死体しか発見しませんでしたが、新種の化け物が現れて化け物の死体を食べておりました」
「なんだと！」