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空の旅

上の指示?

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「次は山に行く」
 現地の男性達と別れて発進する時に転生者がいきなり発言する。

「真っすぐカスピ海に行くのではないのですか?」
「ヒマラヤ山脈に行くように珍しく上から指示があった」
「上の指示があったんですか?」
 転生者以外の人間と関わりがなかったので転生者が立場的に上かと思っていたがそうでもないようだ。

「上はいるさ、こんな船を個人で持つとかどんなブルジュワだよ」
「なんかすんません」
「いやそういや、ここの常識はわからんかったよな」
「いえ……、というかいつも上からの指示があったんですか?」
「いや、地球に下りて初めてだよ、それまではこっちから日誌を送っているだけだよ、さっき確認したら連絡がきてて確認したらヒマラヤ山脈の指定の場所に言って欲しいそうだ」
 転生者が見せた地図には山脈の一部に矢印マークがついている、ここに行けということだろう。

「まぁでも標高の高い所で戦闘とかなくて良かったよ」
「それでも富士山よりは高いけどな」
「それって酸素とか大丈夫?」
「月でも行動で来た我々の技術で頂上で活動できないとでも?」
「あぁ大丈夫か」
「とにかく行きましょう、行ってみないと何かわからないし」
「詳細とかは書いてないんですか」
「ないんだなぁこれが」
「適当だなぁ」
「そうだよなぁ、聞いてみたけどそこに行けって連絡しかこないんだよ」
「ちなみに逆らう事は?」
「できたら苦労しないよ、というかそんなことをしたら今度の僕と部下の出世に響く」
「先の事もありますね」
「それが歯車になるって事さ」
「それは、ご愁傷様です」
「2人して何黄昏ているの?」
 荒ん心にサヨは本当に癒しになる、意識はしてないが自然と手が伸びて頭を撫でていた。
「サヨはかわいいなぁ」
「えへへ」

「まぁとにかく向かいますか」
「そうですね」

「しかしおかしいなぁ」
 船を操作してい転生者が目標の場所を何度も調べているようだ。
「どうしたのですか?」
「化け物の反応はおろか人間の反応もないんだよ」
「本当に謎ですね」
 転生者が操作している画面をのぞき込んでみるが特に地形以外の表示は見当たらない。
「本当に行ってみないとわからないんだな」
「上からの指示っていつもこんな意味不明なんですか?」
「こんな意味不明な支持は初めてですよ」
「という事はこれは上からの指示じゃない可能性があるのではないですか?」
「確かに絶対とはいえないからなぁ、ああこれが全部割り込まれていたら上に未提出の可能性もあるのかぁ!」
「それを確かめるために急ぎましょう」
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