異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

魔法少女は火力重視

最後の同時攻撃

　今回の攻撃はねんには念を入れて弾に魔法の補助を掛けて威力を上げておく。
「お前らぁ、用意は良いかぁ！」
　未だに攻撃を受け止めつづ叫び声をあげている人が号令をかける、というかずっと受け止め続けているのはすごいな……。

「カウントダウン、5、4、3、2、1、撃てぇ」
　号令と共に複数の魔法少女が魔法を放つ、その種類は様々で光線だったり岩だったり自分みたいな銃弾だったりといろいろある。
　いろいろな属性の攻撃もあったので打消し会う可能性がありそうだが大丈夫だろうか、実弾系もあったため着弾で煙が立ち上りよく見えなくなっている、こういった閉所のせいで視界不良がおこりやすくこういった事は今後改善していかないといけないだろう。

「……いけた？」
　さすがに大量の攻撃を出し切り、その後に光線もなくなり静まりかえっていた。

「勝った？」
「終わりました？」
　土煙が晴れると球体の怪物はいなくなっていた。
「我々のｋ……、なんだ？」
　勝利を確信し叫ぼうとしていたが洞窟全体が大きく揺れる、このまま揺れ続けると生き埋めになってしまいそうで、撤退していった人たちは無事だろうか……。
「全力で退避ぃ！！」
　誰かの大声聞こえてきたが全員が動こうとしなかったが、落石が降り始めると全員が一目散に撤退していく、もちろん自分も全力で逃げる。

　脱出には5分もかからなかった、洞窟内が入り組んでいたり魔物を退治しながら進んでいて行ったのでかなり距離があるように思えたので拍子抜けしてしまった、この程度の距離なら負傷していた魔法少女達も退避が完了しているだろう。
「元凶がなくなったからアレが崩れたんでしょうか……」
「だろうな」
　全員の脱出が終わり、振り返ると轟音と共に山が崩れてた。
「……誰か忘れ物があったら諦めるか全力で掘り起こせよ」
　誰かが場を和ませるために冗談を言ったようだが、誰も笑うことなく沈んだ雰囲気が漂っていた、敵を倒した喜びよりも疲労の方が大きいのだろう、全員の顔が疲れ切っている。

「みなさーん、重症者の収容も終わりましたしみなさん帰りましょう！」
　全員で打ちひしがれていると場違いに明るい少女がバス2台引き連れてやってきた、全員疲れているのでのそのそと歩きながらバスに乗り込んでいった。
「ここで帰るか……」
　自分も疲れ切ったので物陰に隠れてバスが発車するのを待つ、2台のバスが去るのを待ってから変身を解除する、変身を解除すると更に疲労感が襲ってきた、このまま布団に包まりたい気分だ。
「あぁ、帰りたい」
「お疲れ～」
　周囲に人がいない事を確認したのかサヨが現れた、疲れて立つ気力がないのでサヨにもたれかかる、サヨはしっかりと受け止めて膝枕してくれる。
「少し休んでから帰る？」
「……そうする」
　しばらく動く気力も沸いてこない、楽な姿勢を探して体を動かしていると、ちょうど崩れた山の方を見ると巨大な人型の黒いオーラを纏った何かがそこにいた。
「アレは倒す必要がある感じ？」
「……だね」
　どうやらまだ戦いは終わっていないようだ。