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圧倒的相性の有利

現れた2人

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「意外と外まで近かったね、てか外もヤバイな」
「こういった世界は初めてかな?」
 まるで当事者じゃないような呑気な声を出して2人の男女が這い出てきた。
「逃げて下さい!」
 あの2人が呑気に声をだしていたせいで自分を追いかけていた内の数人があの2人組に向かっていった。

 あいつらが人を洗脳する手段は単純だ、懐中電灯のような物を相手に向けるだけなのだ、それだけで洗脳が終わる。
 あいつらがまっすぐにあの2人にまっすぐ道具を向ける、本来なら1つで事足るハズだが複数で囲んで照射始めたただでさえキツイのに更に増えてしまえば今度こそ自分は終わりかもしれない。

 しかし、自分に向かっていた奴らも向こうに向かっていった、道具の不具合だろうか……、あいつらは洗脳を優先しているからたとえ全てが不具合になったとしても攻撃は加えないハズだ。
 あの呑気な2人には悪いがその隙をついて逃げさせてもらおうと後ろを振り向くと、前世ぶりに聞いた電撃の音だ、思わず振り返るとあつらが倒れており、2人がやはり呑気に立っていた。

「おーい無事かぁ?」
 無事だったので声をかけてみる。
「あ、ハイ無事っす」
 呑気に返事を返された、あの人達はあいつらに囲まれても問題ないと確信していたので、呑気にしていたのだろう、それほどの力があるなんてなんて羨ましいことか……。
「君たちはどこから来たんだ?」
「僕らは……、この事態を何とかしに来た感じです」
「君たちが?」
 普通なら戯言かと思うのだが先ほどの行為があるので本当に出来そうではある。
「一応そうなりますね」
「……わかった、ココじゃあなんだからとりあえず俺たちの所に来てくれ」
「そうさせてもらうよ」
「そうだね」
「それじゃあついて来てくれ」
 二つ返事で引き受けてくれて良かった、もし断られてしまうとまた単独で行動しないといけないので助かった。

「そういえばさっきはどうやったんだい?」
 興味があったので聞いてみる。
「さっきのは電気の魔法で麻痺させた感じですよ」
「そりゃあすごいな」
 この世界には電気は雷しかなく電気魔法なんて調べた限りでは存在しないのである、この2人はおそらく転生者ふだろう、しかもチートと嫁または夫を所持している、あぁなんて羨ましい。

 拠点までは距離があるようで、その間にもあいつらとは遭遇したがこの2人が麻痺して撃退してくれた。
「そういえば名前は何ていうんだ、自分はタケダっていうんだ」
「僕らはタチバナと言います」
「私はサヨって呼んでくれたらわかりやすいかな」
 もしかして夫婦?
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