異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

圧倒的相性の有利

アリスの実力

　拠点の中にはやつらが武装してゾンビみたいにウロウロしていた。
「まるでゲームだな、こうなってくると……」
　この世界に転生してからまだ20年もたっていないがそれでもこの世界に慣れてきて魔法があるこの世界は現実だと認識しているのだが、さすがに武装した人が意識を失って俳諧している姿は現実味がなくなってしまいこんな言葉が出てしまった。
「タケダ・デス様、これは現実ですよ」
「わかっているよ、区別がついてなければ今頃死んでるよ」
「なんと、かなりピンチじゃないですか！」
「そうなんだよ」
「では早々にケリをつけに行きましょう」
　アリスが妙にやる気を出してシャドーボクシングを始める、なるべく音を出さないでくれているのか向こうに気づかれる事はなさそうだ。
「そういやどうやって無力化してるんだ？」
「どうやってってそりゃ相手の魔力を揺さぶって気絶させるんですよ、あんな放心状態なんて一発揺さぶれますよ！」
「つまり大人数だとキツイと？」
「シラフだったらね、でもあんな状態だったら1秒もいらないね、普通なら最長1分ほどかかるけど」
「マジかぁ」
「ちなみにタケダ・デス様はどう対処していたのですか？」
「……逃げてた」
「なるほど……、ではタケダ・デス様は後ろで待機していてください」
「そうなるよなぁ」
「ちなみにこの建物の構造はご存じで？」
「いやしらん」
「殺しはダメなんですよね？」
「できればね」
「優しいですね、でもタケダ・デス様と私の保身を優先しますからね、ところでお二方はどれくらいの対処能力がある感じで？」
「戦闘には自信がありますよ？」
「おうふ、ですが4人で固まっていけそうですね、どうせこういうの地下か最上階のどっちかに決まってますよ、さっさと下から潰してしまいましょう」
　そういってアリスは1階にいるやつらを全滅させてから地下に向かう、エレベーターでは止められてしまう可能世があるので階段で進んでいく。

　階段を下りてみると今まで見たことがないような怪物がうめき声を上げながら彷徨っていた。
「なんだアレ？」
「タケダ・デス様、あんな生き物が跋扈しているのですか？」
「いや、あんなの見た事ないって……」
「さすがにアレは殺してしまってもいいでしょう？」
「そうだな」
「さて、これこそ私の真髄、滅せよ！」
　アリスが何か叫ぶと怪物の下に魔法陣が出現したかと思うと怪物が圧縮されて消えてしまった。
「どうよ」
「すげぇ……」
　人間相手に使ってくれなくて本当に良かったと思う。